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津賀パナソニックと平井ソニーの比較

ソニーとパナソニックの業績の差が顕著です。ここにきて、ソニーとパナソニックの立ち位置が、完全に逆転しつつあるのではないかと感じます。

ソニー社長の平井一夫さんと、パナソニック社長の津賀一宏さんは、ともに2012年に社長になりました。しかし、就任から2年目の13年度、ソニーが1100億円の赤字見通しなのに対し、パナソニックは1000億円の黒字見通しです。

事業や製品ごとの細かな話は、ここでは触れません。ただ、近年のソニーには、経営戦略全体に元気がない。先進性、ベンチャー・スピリットが失われているように感じます。

その点、パナソニックは、近年、リスクをとって、積極果敢な経営戦略をとっています。B2CからB2Bへの事業戦略の転換面がそれです。活気を取り戻しているように見えます。

以下は、一度書いたことです。パナソニックは、米テスラ・モーターズと組み、米南西部に、車載用として世界最大規模の電池工場をつくります。テスラのEVの電池は、すべてパナソニックが提供する計画です。この工場の投資総額は、5100億円です。このうち、パナソニックは、総額1000億円以上を投資します。この決断は、正直、大きなリスクを伴います。しかし、津賀さんは、その決断を下しました。

そもそも、テスラといえば、電気自動車(EV)のベンチャー企業です。会長兼CEOを務めるのは、現在42歳で、次期ビル・ゲイツとか、次期スティーブ・ジョブズとかいわれ、いま、世界中でもっとも注目を集めるビジネス・パースンとされる、イーロン・マスク氏です。

マスク氏の頭のなかは、EVどころか、CEOならびにCTOを務めるスペースX社のロケットや、会長を務めるソーラー・シティ社の太陽光発電、さらには、時速1200キロ以上で走る高速輸送機関、「ハイパーループ」構想などでいっぱいです。しかし、津賀さんのほか、トヨタの豊田章男さんとも、一緒にビジネスをしています。

一昔前なら、米ベンチャー企業と一緒にビジネスができるのは、パナソニックではなく、ソニーだったと思います。ソニー自体が、戦後、業界後発のベンチャー企業として誕生し、「モルモット精神」を誇りとして発展した企業だからです。

日本経済新聞の報道によれば、津賀さんは、ホンダ社長の伊東孝紳さんと長年の付き合いがあり、社内では「ホンダに学べ」と説いているといいます。これも、本来なら、津賀さんが説くことではなく、ソニーの平井さんが説くことだったのではないか。

どういうことかというと、本田宗一郎が創業したホンダに、企業カラーが一番似ているのは、ソニーでした。ホンダとソニーは、ともに、業界後発ながら、つねに新しいことに挑戦し、大手に挑み続けてきました。実際、これまで、両社は比較して論じられてきました。ところが、いまや、ベンチャー・スピリットをもっているのは、ソニーより、パナソニックだということです。津賀さんと伊東さんの関係は、その証ではないでしょうか。

そう考えると、平井ソニーは、一体全体、どこへいくんでしょうかねぇ。

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