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「走って、歩いて、ダンスする!」エレクトリックランは風営法の規制対象になるか?

昨日放送のTVタックルで論議テーマとして扱われるなど、いよいよ佳境に入ってきた風営法改正論ですが、今後の業界の行く末を占う上で良い論議題材と思われるイベントが開催されるようなので取り上げてみたいと思います。題材となるのは7月11日・12日に千葉県で開催予定とされている「エレクトリックラン」と名付けられたイベントです。


エレクトリックラン
http://electricruninfo.jp/
光と音で彩られた約5kmのコースを、光るグッズを身につけた参加者たちが、走ったり、歩いたり、踊ったり、自由に楽しみながらゴールを目指します。ゴール後には祝完走パーティが行なわれ、DJによる音楽と光の演出で盛り上がります。レースではないので、老若男女どなたでも楽しめる夜のランニングイベントです。
「思いっきり走って、歩いて、ダンスしよう!!」


論点その1: この業は風営法のいう所の「飲食+ダンスさせる」業の範疇に入るか?

当該Webサイトにおいても、参加者に向って「ダンスしよう」と訴えかけており、このイベントがダンスをさせることを業の一貫としている点は間違いないでしょう。また、当該イベントがランニングイベントでもある事を考えると、常識的に少なくとも飲み物(給水)くらいは提供されないとおかしいですね。このイベントが「飲食+ダンスさせる」業であるという事は間違いないように思われます。

論点その2:これが風営法の定める「営業行為」にあたるかどうか?

風営法が取り締まるのはあくまで利益を目的とした事業であり、例え参加費を取るものであっても運営経費のみを徴収するような非営利の業に関しては取締まりの対象としません。この点においては、幾つかの角度から論議が可能かと思われます。

1)参加費:6,800円
私自身がマラソンイベントに参加した事がないので相場が判らないのですが、少なくとも設定されている参加費用はあまり「カワイクない」お値段であるように見受けられます。この値段が運営経費のみを徴収する「非営利事業」としての枠の中に入るのかどうかというのは、一つの論点であるといえるでしょう。

2)主催:「エレクトリックラン実行委員会」
当該イベントの告知サイトによると、主催はエレクトリックラン実行委員会とされています。法人格を持たない任意団体と思われますが、一方でチケットおよびイベントに関する問い合わせ先として指定されているウェブアドレスは「@lhe.lawson.co.jp」となっています。このアドレスは、小売大手ローソングループの傘下であるローソンHMVエンターテイメント社のものであり、同社がイベント事務局を勤めていることが読み取れます。

実は同社の事業内容を見ると、その中に「ライブ、マラソンイベント等の主催」という事業内容が明記されており、おそらくエレクトリックランの事務局業務に関しても、同社の事業の一環として行なわれているものと思われます。このように一応「実行委員会」方式は取っているものの、実質的にはそれを事業として営む企業によってイベントが運営されている場合、これが「非営利」として認知されるかどうかというのも一つの論点となるでしょうね。

論点その3:この業が「利益を得る目的で同種の行為を継続的、反復的に行う行為」にあたるかどうか?

そして最後の論点が、このイベントを実施が「営業行為」の一般的通念である「利益を得る目的で、同種の行為を継続的、反復的に行う行為」にあたるか?というものです。繰り返しになりますが風営法が取り締まっているのはあくまで一般的通念で定められている「営業行為」であり、それが一過性の連続性のないイベントであると認知される場合には、たとえそこから利益が発生したとしても取締まりの範疇には入りません。この点においても二つくらいの角度からの論議がありそうです。

1)開催日時:2014年7月11日(金)、12日(土) 19:30~
本イベントは、7月の11日、12日と二日間に亘って行なわれるわけですが、この2日間という開催期間が一般的通念でいうところの「同種の行為を継続的に行なう」に当てはまるかどうかというのは一つの論点です。

2)反復的に行なう行為か?
本イベントは、今回が始めての開催のようですが、このイベントが反復的に行なわれる行為なのか?に関しての言及は有りません。単発で行なわれるイベントなのか、毎年行なわれるものなのか、それとも年数回に分けてシーズナルで行なわれるものなのかなど、今のところ判断の材料が何も示されていないのですが、この点に関しても一つの論点となるかと思われます。

…という形で、このイベントを題材にして風営法の規制のあり方を論議してみることは、非常に意義高いものと思われます。



現在、国政を賑わしている風営法改正論が、果たして前に進むのかどうかに関しては未だ判りません。一方で、もし法の改正がなされず、現行法規に基づくダンスクラブの摘発が続くようならば、多くの業者は特定のロケーションに拠らず「イベント」という形式で会場から会場を渡り歩くような興行形式にその事業の有り方を切り替えることとも想定されるでしょう。このようなクラブ事業のあり方は、すでにイギリスなどでは普通に行なわれているものです。

その際に、改めて論議となると思われるのが、上記のエレクトリックランを題材にしてご説明をした「果たして風営法はイベントをその規制の範疇に含むのか?」、「もし含むのだとすれば、どういう要件のものが規制対象となり、どういう要件のものがならないのか」という論議となります。それを考えるにあたって、上記イベントは非常に面白い題材なのですね。

ま、個人的には今の固定された施設業として営まれるダンスクラブが、イベント興行を中心とする業態になって、それこそ野外で行なうレイブパーティや防音施設のないウェアハウスでの開催が中心となってしまった時点で、もはや行政によるコントロールなぞ及ばないカオス状態になると思いますけどね。そうならない為にも、風営法が適切に改正され、業界が健全な状態で継続的に発展できる状況を作り出すことが必要。この私の主張には変わりはありません。

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