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集団的自衛権、袴田事件について質問

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○国務大臣(谷垣禎一君) 繰り返しになりますが、私は、今の刑法もお挙げになりました、刑法の解釈はもちろん厳密でなければなりません。しかし、刑法の解釈も長い間に解釈を変える余地はあるんだと思います。ですから、そこのところは私と福島さんで法律の見方、法律の解釈論が少し違うように思いますね。

○福島みずほ君 解釈がいろいろあるという中で、自民党政権はかつて、というか今までずっと、憲法九条、集団的自衛権の行使と、解釈改憲では認められない、憲法の安定性がこれでは壊れるというふうに言っているわけです。大臣もかつて、憲法の安定性というのは極めて重要だということを記者会見でおっしゃっています。今日質問しているのは、記者会見でいろんなことをおっしゃっているので、そのことについて質問をしたかったからです。
 立憲主義とは何か。法の支配とは何か。今まさに法の支配を貫徹すべきときであり、それは個人として、法律家として、議員として、国務大臣として、私たち一人一人が、そしてまた閣僚たちもそのことが問われるというふうに考えています。
 次に、袴田事件についてお聞きをいたします。
 袴田さんが四十八年ぶりに釈放をされました。二〇〇〇年代、保坂さんは彼に会えたんですが、私は、ほかの議員と東京拘置所に行って、実は会うことができませんでした。
 袴田さんの事件は、ある意味本当に痛ましい。四十八年間、なぜ外に出れなかったのか。長期の勾留、代用監獄の問題と自白偏重、証拠開示されず、証拠が捏造された可能性があると裁判所で言われるような証拠の採用の問題、証拠開示がされてこなかったという問題。これについて、大臣、反省すべき点があるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 三月二十七日に静岡地裁がおっしゃったような決定を出したことは事実です。しかし、これも裁判所の判断ですから、私は個別の裁判所の判断を論評するようなことは差し控えます。

○福島みずほ君 では、東電OL殺人事件や村木さんの事件、それから、パソコンの遠隔操作で何と四人のうち二人がもう自白を、やっていないのに自白をしてしまう。あるいは布川事件、たくさんの事件が例えばある。もっと言えば、四つの死刑確定囚が死刑台から生還したことがある。たくさんの事件があって、たくさん冤罪とされて、この中でなぜ刑事司法、刑事改革はできないんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 新しい時代の刑事司法の在り方ということで今議論を始めていることは事実でございます。

○福島みずほ君 代用監獄の問題についてお聞きをいたします。
 袴田さんは、彼はずっと無実だと言い続け、当初から無実と言い続け、一日平均十二時間、最も長いときは十六時間を超えるような厳しい取調べを受けたと、場合によっては暴力を受けたのではないかとされています。袴田さんは、勾留期限の三日前、逮捕されて二十日目に、パジャマを着て犯行を行ったなどと自白をさせられています。新聞記事を出していますが、何と、彼が死刑確定囚となったときには、自白調書四十五通のうち四十四通もの、任意性がないとして不採用になっている。こんな事件って、もうほとんどの書面が任意性がないとされたにもかかわらず、確定判決で死刑になった。
 この代用監獄の問題に関して、拷問禁止委員会、それから国際人権規約B規約の勧告で代用監獄について見直せと言われていますが、これについていかがでしょうか。

○政府参考人(林眞琴君) 平成十九年六月一日から施行されました刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律におきまして、この被勾留者等について、刑事施設に収容することに代えて、警察に設置された留置施設に留置がすることができると、このようにされているわけでございます。
 この制度趣旨でございますけれども、これは代替収容と呼ばれておりますが、代替収容制度は、これまでの代用刑事施設制度というものにつきまして、これが我が国の刑事司法制度の下で現に役割を果たし、大半の被勾留者が代用刑事施設に留置されていることを踏まえまして、その存続を前提としてこれに制度的な改善を加えて、被収容者の適正な処遇を図るために整備したものとされております。
 こういったことから、この新しい平成十九年の法律に基づきまして、で認められておりますこの代替収容制度というものを廃止するということについては、現実的でないと考えております。

○福島みずほ君 たくさんの冤罪事件を生んできた反省が全くないですよ。
 人は、二十三日間勾留されたら、自白を本当にしてしまう可能性がある。身柄の拘束の期間が、警察の拘束の時間が長過ぎますよ。だから、例えば、パソコンの遠隔操作でも四人のうち二人が自白する。みんな自白したくてするんじゃないんですよ。もう大変で、ある意味拘禁性ノイローゼになる人もいるし、その中で自白をする。国際機関から、B規約、拷問等禁止委員会から勧告が出ていることを日本政府は重く受け止めるべきだと思います。
 袴田事件について一つ、済みません、ちょっと話が戻って済みませんが、一点だけ質問いたします。
 袴田さんは、二〇〇〇年代、もう一歩も外へ出ないというか、精神的にもすごく良くない状況になっていて、心神喪失で刑の執行をすべきではないかと言われていた事案です。これ、一件も今まで死刑の執行は執行停止になっていないんですが、心神喪失の場合には死刑の執行を停止できる、これについて大臣、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 刑事訴訟法の四百七十九条に、今委員がおっしゃったように、「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。」と、こうなっております。

○福島みずほ君 今まで一度もそれはなされていないんですよ。でも、実際、すごく重い病気になったり、袴田さんの場合は一時期、私は神であるとか、東京拘置所はもうなくなったとか言っているときがあり、しかも死刑の執行を非常に恐れて、だまされるんじゃないかと。死刑の場合は日本は事前告知しませんから、朝連れていって処刑を、朝というか、その日に連れていきますから、彼は、面会者、お姉さんの秀子さんが行こうが、私たちが行こうが、あるときからもう一歩も外へ出ないというか、外に出なくなっちゃったんですね。それは、私は、死刑の執行の恐怖から、部屋からやっぱり出てだまされて処刑されたくないという恐怖心があったんだと思うんです。
 死刑の執行の停止、袴田事件こそ本当はやるべきだったんじゃないですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、私は個別の死刑確定者の精神状況がどうであるかというようなことはコメントはしないことにしております。

○福島みずほ君 私は、警察と検察と裁判所と法務省がやっぱりこれを放置してきたと思いますよ。裁判所が、袴田事件で静岡地裁が証拠が捏造された可能性があると言ったのは物すごいことですよ。おかしいということはずっと言われ続けてきた。彼は、もし今回、裁判所が釈放という、こうならなければ、処刑されていたかもしれないんですよ。本当にひどい話だと思います、四十八年間。
 大臣、死刑の問題に関して、冤罪事件が、これ冤罪かどうかはまだ再審開始してから決まることですが、こんな事件がある。やっぱり日本で冤罪が起こり得る、間違った死刑の処刑が起こり得る、これについてどう思われますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、今更、福島委員に申し上げることはありませんけれども、きちっと、特に死刑判決が出るようなものは必ず必要的弁護ですね、それから三審制の下で議論をされる、こういうことでございますから、確かに人間のやることでございます、畏れを持ってやらなければいけないことは事実だと思いますが、私は制度的にはいろいろな担保ができていると考えております。

○福島みずほ君 だって、袴田さんのは、これ、地裁が証拠が捏造された可能性があると言った事案で、彼、処刑されていた可能性がある事案なんですよ。実際、冤罪あるじゃないですか。四人の人間が、四つのケースで死刑台から生還したが、本当に四つだけなのか。彼らは物すごい支援者や物すごい弁護団の頑張りで再審が認められたけれども、それがなければ処刑されていたかもしれないわけです。これはきちっとやっぱり考えなければ、それから死刑を本当に日本でやっていいのか、これ考えるべきだと思います。
 私は、諸外国でいろいろ冤罪等が起きると、根本的な、イギリスであれ、根本的に制度の改革が行われるじゃないですか。日本はなぜそれがされないのかというふうに思います。
 次に、証拠開示についてお聞きします。
 東電OL殺人事件も、その証拠が出ていれば早く冤罪が立証されたと言われている。そして、袴田事件もDNA鑑定以前の問題です。Bというのが、これは実は寸法ではなくて、サイズではなくて色だったということが認定される、これがちゃんとその資料が証拠として出ていれば無罪が立証できたんですよ、彼ズボン履けないから、サイズが合わないから。
 こういう問題に関して、たくさんの事件でようやく証拠開示が、再審請求あるいは裁判所の裁量の中で出てきて無罪となるというのがようやくあるわけですが、証拠開示、全面証拠開示すべきではないですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がおっしゃったのは、全面開示をせよとおっしゃっているわけですね。
 それで、これは現行制度を導入した司法制度改革のときにも相当長時間を掛けて議論されたと記憶しております。被告人側の主張が明らかでない段階で全ての証拠を開示することは、争点及び証拠の整理が十分にされなくなるなどの弊害が当時指摘をされまして採用されなかったと。そこで、平成十六年の刑事訴訟法改正によりまして、公判前整理手続における争点及び証拠の整理と関連付けまして、一つは類型証拠ですね、検察官請求証拠の証明力を判断するために必要な一定の類型の証拠、それからもう一つは被告人側の主張に関連する証拠、これを段階的に開示する現行制度が導入されたわけでございますが、この制度下で被告人の防御の準備のために必要かつ十分な証拠は出てくることになったと私は思っております。
 それで、法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会、これが昨年一月に基本構想を作りました。この中でも、現行制度の運用状況に鑑みて、段階的な証拠開示制度の枠組みは改める必要はないとされているところでございます。

○福島みずほ君 全面的証拠開示せよと拷問等禁止委員会や国際人権規約B規約の勧告で言われていますよね。今だって裁判所、なかなか出てきませんよ。これはプライバシーの問題だとかいって、なかなか出てこない。
 じゃ、逆にお聞きしますが、個別的な事案じゃなくても、ゴビンダさんの事件、東京電力OL殺人事件や、袴田さんのように捏造である可能性があると言われる事件や、布川事件や様々な事件、反省はないんですか。反省はないんですか、こういうのに。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、大きな意味では、新しい時代の刑事司法をどうつくっていくかという中でいろんな議論を闘わせていただいているということでございます。
 それからあと、個別の今お挙げになった事件での証拠の評価等については、私は感想を申し上げるのは差し控えたいと存じます。

○福島みずほ君 いや、ちょっと残念ですよ。
 法務省って、ミニストリー・オブ・ジャスティスじゃないですか。別に検察官庁じゃない。法務省で、ジャスティスを実現するところの役所であって、やはりこの冤罪、あるいは証拠が開示されなかったが理由に冤罪を立証できなかったという、証拠が捏造されたり隠されてきたということが明らかなわけじゃないですか。ゴビンダさんのケースも袴田さんの事件も、様々なケース、本当に四十八年間返してくれですよ、袴田さんからすれば。それに関して、どうしてそこで何かやっぱりこれはしなくちゃいけないというふうに法務省は思わないんですか。身を乗り出して改革しなければ駄目でしょうと思うんですが、どうですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申し上げておりますように、かなり今の類型証拠や何かを出してくると、これでかなり制度は整ってきたと、証拠開示について、私は考えております。
 それから、反省はないのかということでございますが、今、可視化等々についても議論が進んでいる。それで、法務省というところは、個別のやはり、何というんでしょうか、捜査、個別の公判、それに法務大臣が簡単に指図をすべきものではないと私は思っております。むしろ、それは捜査なり公判の立場から証拠をそれぞれ独自に評価して運営すべきものだと私は考えております。

○福島みずほ君 私が反省すべきだと言ったのは、こういう問題があるからこそ、代用監獄の問題、自白強要の問題、証拠開示の全面開示をするという制度的なことを法務省が率先して身を乗り出すべきだということなんです。審議会でやっておりますって、安保法制懇じゃないんだから、ちょっと違いますが、審議会にということではなく、身を乗り出してほしいということなんです。
 捜査の可視化についてお聞きをいたします。
 今おっしゃるとおり議論しておりますが、「それでもボクはやってない」の周防正行監督、それから村木厚子さん、今厚労省の事務次官ですが、五人の委員、非法律家の皆さん五人が法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会に対して、新時代の刑事司法制度特別部会取りまとめについての意見を、三月七日、出していることは御存じのとおりだと思います。ここで、捜査の可視化に関して、全面的証拠の可視化をやってほしいと。つまり、裁判員制度だけにしたら村木さんの事件やPC遠隔操作事件も痴漢事件なども対象にならないし、それから、部分的な捜査の可視化であれば都合のいいときだけ出てくるから、全面的捜査の可視化をやってほしいと言っています。
 私、村木厚子さんや周防監督の言うこと、そのとおりだと思います。これ、生かしてくださいよ。どうですか。

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