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日本はなぜ凡庸な国に変わったのか? 「シンガポールの初代首相より」

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 人口の数と構造は非常に深刻な問題だ。なぜなら、これは国の運命を決めるものだからだ。もし国の人口が減少し、全体的に高齢化すれば、それは国が衰えていっていることを意味している。高齢者は消費しないし、車を買い換えることもない。逆に古いテレビを見るのをいいことだと考える。高齢者の人生はすでに固定されており、生活必需品はすでに持っており、新しく買い換える必要はない。高齢者は高級レストランに行って食事をすることもない。人口の減少化・高齢化という問題に関し、私は日本の未来を非常に悲観的に見ている。

 10年の間に、日本の国内消費はさらに萎縮するだろう。しかも、もう元の水準に戻ることはないと考えられる。おそらくこのことが、日本がこれだけ多くの経済刺激対策を施行してもどれひとつとして予想以上の効果を上げられていないことを説明しているかもしれない。

 今日の日本の技術力は今なお米国に継いで2位を維持し、革新的な専売特許数も世界第2となっている。しかし、最終的に革新や特許数を決定するのは、やはり若者であり、高齢者ではない。数学の分野では、1人の数学者のピークは21歳だという。それ以上の年齢を超えた数学者が偉大な業績を残すことは非常に少ない。

 2012年5月に日本で開催された「アジアの未来」というフォーラムに出席した。この期間、多くの日本の政治家と会談した中で、特に日本がどのように人口の減少化・高齢化という問題を解決しようとしているかについて注目していた。日本人の本当の考え方を知りたかったからだ。

 しかし、きつく聞こえないように配慮して、直接的に「外国籍移民の受け入れを考えているか?」とは聞かなかった。単に、「どのように解決しようとしているのか?」と聞いたところ、ほとんどの人の回答は、「より長期の産休と子供手当てを考えている」というものだった。

 これらの答えを聞いて、非常に失望した。子供手当てで、この問題をいったいどの程度解決できるというのか?似たような政策を実施している国の中で、これらの出生・育児を奨励する政策が結果的に得られた効果は非常に限られている。なぜなら、これは単純なお金の問題ではないからだ。それは、ライフスタイルの変化であり、考え方の変化である。これらの社会的要素が総合的に結びついて起きた現象なのだ。このような出生・育児奨励政策を採って最終的に効果が出たフランスやスウェーデンといった国家も、これらの結果が出るまでの過程は非常に緩やかで、しかもコストもかかっている。

 日本人という民族は非常に素晴らしい特質を持っている。2011年に東日本大震災が発生した際、日本人がどのように対応したのか我々は目撃している。パニックにならず、混乱もせず、あらゆる人がプライドを保ちながら、突然襲った災難に対して尊厳をもって対応していた。日本人たちはお互いに助け合い、困難をともに共有した。これに対して世界中が驚きと尊敬の念を抱いた。

 世界上で、こんなにも恐ろしい破壊力に直面し、こんなにも悲惨な巨大震災によってもたらされた被害に対し、これほどまで落ち着いて、冷静さや秩序を保てる民族は他のどの国もないだろう。

 また、日本人が仕事をする際に完璧さを追求する姿勢。これも世界のどの国もかなわない部分だ。日本人が製造した極めて精巧なテレビ、自動車、日本料理の中の王様と言える寿司なども人々に深い印象を残す。日本人の集団を重んじる精神もまた右に出る民族はいない。

 個人の場合、中国人や韓国人も日本人とほぼ同じレベルのことはできる。しかし、集団となれば、中国人や韓国人も日本人には及ばない。おそらく、これこそが日本民族の強みであり、以前は私に日本人が人口問題の厳しさに気づきさえすれば、すぐに手を打って解決するだろうと誤解させたところだ。日本の隣国である中国が大きく発展しつつある中、日本だけが自ら何ら有効な対策を採ることもなく、ゆっくりと萎縮しつつある。このことが、本当に理解できない。

 私はすでに日本社会が人口問題をめぐる困難を突破し、勇敢に解決することに対し、何ら希望がないと考えている。しかも、こんなに長い時間が経過しても、日本人はいまだに何もせず手をこまねいている。

 私は、日本はすでに凡庸な国になりつつあるという見方をしている。 もちろん、一般の日本の人々の生活水準は今後もしばらくの間、明らかに低下することはない。一部の欧米の先進諸国とは異なり、日本政府の外債は非常に少ない。日本の科学技術は以前同様進んでおり、国民の教育レベルも非常に高い。

 これらすべての要素は日本にある猶予期間を与えることはできる。しかし、人口問題が最終的にもたらす影響からは避けようがない。もし私が若い日本人であれば、おそらく外国に移民することを選ぶだろう。なぜなら、日本にいても、未来が見えないからだ。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2014年3月28日

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