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日本はなぜ凡庸な国に変わったのか? 「シンガポールの初代首相より」

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シンガポールの初代首相であるリー・クアンユー氏からの日本への提言。

日本に対して厳しい意見をされる方ではありますが、ご指摘は悔しいけどごもっとも。

私たち若者がこの現実に気付いて改革を行っていかなければ、日本の近未来は厳しい時代となるでしょう。

政治は他人ごとではなく、自分自身に直結する問題ばかりです。

皆様是非、こういった現実に目を向け、手を動かし、足を運ぶことで自分自身ができる改革を一つひとつ行ってください。


そして、輝かしい未来を切り開いていきましょう。

【下記、引用↓】

❐人民日報 シンガポール李光耀前首相 「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」

2014年03月28日08:42 http://j.people.com.cn/94474/8581140.html

 日本は現在、人口減少という最も厳しい試練を迎えている。日本社会の高齢化は深刻であり、若年層の人口も減少している。これと比較すると、経済停滞や強いリーダーシップを持つ政治指導者の欠如といった諸問題は、大きな問題ではない。人口問題が解決できない限り、日本の未来は暗いと言わざるを得ない。BWCHINESE中国語サイトが伝えた。(文:李光耀<リー・クァンユー>シンガポール前首相)

 数字で見ればその事実は明らかだ。日本における出生率は女性1人当たり1.39人で、人口置換水準の

2.1人を大幅に下回る。このように低い出生率のため、今や日本社会は2.8人で高齢者1人を扶養しなければならなくなった。1950年代の日本は10人で高齢者1人を扶養していたことを考えると、変化のスピードは極めて速い。

 予測データによるとこの比率は将来さらに低下して、2022年には2人で高齢者1人を扶養することになり、2060年には1.3人で高齢者1人を扶養しなければならなくなる。1.3人で高齢者1人を扶養する頃、多くの若者は重圧に耐え切れず、日本を離れることを選択することになるかもしれない。

 非常に長い間、日本の女性は日本社会における女性の役割と職務を素直に受け入れてきた。いわゆる、夫に従って子育てし、親を扶養しながら子供の面倒を見るという専業主婦の役割を、長きにわたって喜んで務めてきた。

 しかし、新しい世代の日本女性は世界各地へ旅行に行くようになり、異なる人種や異なる考え方に触れるようになった。仕事をし、経済的な自立と個人の自由がもたらす開放的な感覚を実際に体験してしまうと、日本の女性の考え方は世界の変化とともに大きく変わり、2度と元に戻らなくなった。

 シンガポール航空会社に勤める日本国籍のフライトアテンダントでシンガポール人の同僚男性と結婚した何人かの女性を知っている。これらの日本人女性たちはシンガポールの女性が結婚後どのように生活しているかを実際に目の当たりにしている。シンガポールの女性は姑や舅と一緒に暮らす必要もなく、夫は男尊女卑的な上から目線で女性に接することもない。

 日本社会はこのような時代の流れを食い止めようとあがいてきた。男性たちはあらゆる手段を使って、女性の自立した思想を押さえ込もうとし、経済的に夫に依存させるように仕向けたが、最終的にはすべて失敗に終わった。

 日本の女性たちは約1、 2世代という長い時間を使って新しい時代の女性の心理や役割への変換を実現してきた。女性たちの権利や利益は今では自分のために使われるようになった。日本の女性たちは以前の日本女性の負担はあまりにも大きく、2度とこのようになりたくないと考えている。そして、子供を生むことで、子供が自分の足かせになることを嫌がっている。このような考え方が多くの日本女性に一生独身でいることを選択させている。また、ある日本人女性は結婚はしても、子供を生むことを躊躇する。多くの日本企業が保守的で改革を行わないこともこれに拍車をかけている。

 スウェーデン企業は女性がフルタイムの正社員として産休から戻ってくることを奨励している。しかし、日本の多くの企業では、女性が産休を取った途端、自動的に社員から契約社員にさせられてしまう。
このように、フルタイムの女性社員と同じような収入を欲しいと思っている女性を含め、仕事をしたいと考える多くの女性にとって、子供を生むことはキャリアにとってマイナスになるかもしれないという懸念を抱かせる。このため、多くの日本の女性は子供を生みたいと思っても、最終的に決断できずにいる。

 シンガポールも日本同様に出生率が低いという問題を抱えている。シンガポールの出生率は日本と比べていいどころか、さらに低い。しかし、この二つの国には本質的な違いがある。シンガポールは移民でこの問題を解決している。

 しかし、日本は、移民を排除する国家として有名だ。大和民族の血筋の純潔性にこだわることは、日本人にとって「絶対に正しい道理」であり、この考え方は日本人の身に深く染み付いている。このため、外国の移民を受け入れて出生率の問題を解決するという問題を正面から取り上げて議論する人もいない。移民受け入れによる解決法は基本的に選択肢の1つにも入っていない。それは、一般的な日本人であろうと、政治を動かすエリート層であろうと同じだ。

 人々の潜在意識に「我が民族は神聖で、他民族は劣っている」とする考え方がある場合、多くの物事は非常に難しくなる。

 たとえば、移民によって人口構造問題を解決するという常識的な政策がこれまでずっと選択肢にあがらず、しかもタブー視されていることからも見て取れる。もし私が日本の政治指導者であれば、例えば中国人や韓国人、ベトナム人といった日本人と外見が似ている民族を引き入れようとするだろう。

 実のところ、日本国内にはある程度の中国人、韓国人、ベトナム人、その他国家の人々が住んでいる。あるデータによると、韓国人56.6万人、中国人68.7万人が日本に住んでいるという。

 これらの人々の日本語は非常に流暢で、ライフスタイルや行儀作法もすでに日本人と何ら大差はない。これらの日本に住む外国人は日本社会に完全に溶け込んで暮らすことを心から望んでいる。しかし、日本社会は実際、これらの日本で生まれ、あるいは育った外国籍の人々を完全には受け入れていない。なぜなら、日本人はこれらの人々のことを日本民族ではないと見ているからだ。

 現在、日本に住む外国籍の人々は、日本の全人口の1.2%を占める。ちなみに英国は6%、ドイツは8%、スペインは10%だ。日本社会の単一性は、日本で学んだ後、さまざまな理由により外国にある一定期間滞在した後に帰国した日本人でさえ適応するのが難しいと感じるほどだ。

 言葉の交流はもちろんのこと、他の日本人と同じようにボディランゲージや声で表現する微妙な気持ちや意思表示などを察しなければならない。日本社会は少なくともさらに長い年月を使って、完全に考えが変わるのを待った上でしか、移民受け入れによる最適化や高齢化による人口構成問題の解決を成功させることはないだろう。

 問題は、果たして日本に待つ時間があるのか?ということだ。これは非常に大きな疑問だ。このような状況をあと10年放置し、15年たっても解決できなければ、日本はもう元に戻れないほど衰退する可能性がある。その時に解決しようとしても、すでに手遅れだ。

 日本はすでに1990年から「失われた10年」を2回経験している。しかも日本はすでに3回目の「失われた10年」に入っている。1960年から1990年までの30年間、日本の平均実質GDP成長率は約6.2%だった。戦争後の廃墟の中から、日本人は恥を忍んで重責を担い、懸命に仕事にまい進してきた。そして、米国に迫り、英国を追い越して、この40年間日本は世界第2の経済大国として君臨してきた。もちろん、これは米国の支援のもとに実現されたものだが。

 日本の経済大国としての台頭に伴って、多くの日本企業は欧米に進出し、不動産を買い占めた。その頃、多くの欧米のアナリストが日本人が欧米の先進諸国の利益を奪いに来たと警告した。現在多くの人が中国のことを同じように論じているのを見ると、かつてのことが思い出される。

 世に浮き沈みはつきもので、30年もたてば、物事は変化する。1991年、日本のバブル経済が崩壊し、日本経済全体が長い低迷期に入った。1991年から現在までの日本の年平均のGDP成長率はわずか1%だ。この原稿を書いている頃、日本は3回目の「失われた10年」に入った。長期的な視点に立って、大胆な政策を採れる人が人口問題を解決しなければ、再び経済を復興させるどころか、過去のGDP成長率に達することさえ夢となるだろう。

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