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金利と株式市場における「人気」の関係について

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具体的にはポラロイド、ゼロックス、エイボン・プロダクツ、イーストマン・コダックなどの、ごく一握りの成長株に人気が集中しました。

これらの銘柄は一度買うと後は押し目なくどんどん騰がったので、ワン・ディシジョン・ストックと呼ばれました。

そこではインスタント・カメラやモービルホームのようにまったく新しい製品やサービスや娯楽で、これまで存在しなかった需要を切り拓くことが行われました。したがってそれらの新しい企業の成長余地に関しては予測が立てにくく、証券会社が分厚いレポートを出して投資ストーリーを解説しました。

投資家は利益ではなく、ディズニー・ランドの入場者数やモービルホームの販売数などの、新しい投資尺度で投資判断するようになりました。ちょうどこれはドットコム・ブームのとき、サブスクライバー数などの、利益以外の尺度で投資が正当化されたのと同じです。

そしてそれらの新しい市場に関する調査を得意とする、機関投資家向けリサーチ・ブティックと呼ばれる証券会社が登場しました。

さて、ニフティ・フィフティという成長株の独歩高現象が起きた背景として、1969年にいったん高くなった金利(②)が再び下落し、1971年頃は再び超低金利に戻っていた(③)ことを指摘しないわけにはゆきません。

つまり債券からの投資家資金獲得の競争は激しくなかったのです。行き場を失ったお金が、ごく一握りの、成長を出している銘柄に集中したわけです。これはグーグル、アマゾン、フェイスブック、テスラ、ネットフリックスなどの特定銘柄に人気が集中している現在の状況によく似ています。

当時、ニューヨーク市場の平均PERは11倍程度でしたが、ニフティ・フィフティだけは平均して50倍のPERがついていました。

1972年3月に発表されたボッシュ・アンド・ロムの決算が落胆すべき内容で、株価が一日で-30%下落したのをきっかけに、その後はほんのちょっとした悪いニュースでも機関投資家は容赦なくニフティ・フィフティの株を叩き売りました。

しかも1973年には第一次オイルショックが来て石油価格が急騰します。OPECのカルテルが成功した理由は、それまで低金利が長い間維持されており、潜在的なインフレ圧力が蓄積されていたところへカルテルの宣言が出されたことによります。

インフレ退治のために金利が引き上げられる(④)と、高PER株はたちまち人気離散し、投げ売りの対象になりました。代わって石油株などが人気化したわけです。

こうして見てくると、物色対象の変遷は、金利や景気の変動が深くかかわっていることがお分かり頂けると思います。

そこで金利、景気と人気セクターとの関係を図解したのが、下の図です。

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いま不景気のどん底で金利がいちばん低い水準まで下がっている状態はこの図のいちばん左になります。

そこから少し景気が強くなりはじめるとハイテク株や金融株が人気になります。基本、2013年から2014年にかけての相場は、このオレンジ色の部分だと思ってください。

しかし今後景気がさらに強くなり、金利が上がり始めると物色の人気は工業株や消費循環株、英語でいえばコンシュマー・シクリカル株へと移るわけです。典型的なコンシュマー・シクリカル株は自動車株です。

現在のところ未だフェドファンズ・レートは0.25%に据え置かれたまま(⑩)ですので、一気に物色対象がハイテク株、金融株などから工業株や素材株へ移って行くかどうかは微妙なところだと思います。

でも量的緩和政策である債券買い入れプログラムが今年いっぱいかけて整然と縮小されてゆくということは、来年6月頃にはフェドファンズ・レートは上がり始めると考えるのが自然であり、ちょうどニフティ・フィフティの相場が永遠に続かなかったのと同様、現在のネット株相場も試練を迎えると考える方が自然なのです。

相場をやっていて特に難しい局面は、政策金利のベクトル(方向)が変わるときです。

最近の例で言えば、去年の5月にバーナンキ議長が債券買い入れプログラムの縮小をはじめることをほのめかしたとき、市場が荒れました。

もちろん最初に利上げされるときも投資家は苦しいのですが、そこは株式投資家にとって「最大のリスク」が襲いかかる瞬間ではありません。

冒頭で「金利がどんどん上がっている局面では大体、株は下がります」と書きましたが、相場や経済にとって最も怖い瞬間というのはFRBが金利をどんどん引き上げて、最後にようやくインフレの息の根を止める前後です。フェドファンズ・レートのグラフで言えば、⑤、⑦、⑨あたりになります。

⑤はイラン革命があったときです。

⑦ではドットコム・バブルがはじけました。

⑨ではサブプライム・バブルがはじけ、リーマンショックへとつながってゆきました。

相場のテーマはその時々の世界情勢や新技術の登場によって決まる面があるので、我々には予想できません。

しかし或るテーマが定着するかどうかは、ある程度、金利や景気の状態によって決まります。どんなにエキサイティングな成長ストーリーがあっても、金利が高い環境下では、それはテーマとしては定着しないのです。

このように金利サイクル、景気サイクルと、相場のストーリーを組み合わせることによって、それが大きなテーマとして花開くかどうかを考える習慣をつけてください。

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