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修士課程修了後10年のあいだに何をなすべきか:一つのロードマップ

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  1. 国際会議での発表 国際会議での報告も若いうちからぜひチャレンジすべきだが、タイミングに関しては難しいものがある。国際会議では、英語が標準語になっており、事前にアブストラクトが審査されて報告の可否が決定されることが多い。また、報告当日の前にフルペーパーを送ることが求められることも多いので、日本語での報告に比べて負担が重い。そのような準備のせいで博士論文やピアレビュー付きの論文が遅れるというのは、あまりクレバーではない。しかし、簡単に渡航費用が得られる場合や共同研究者のグループで報告するような場合は、やってもいいような気がする。海外での議論を知ることは刺激になるし、モチベーションも高まる。ただし、国際会議といってもレベルはまちまちなので、水準の高い会議に出たほうがよい。以上のように考えてくると、積極的に国際会議で発表するのは博士号を得た後でいいが、もしも機会があればその前にやってみるのもいい、ということになろうか。
  2. 共著論文 日本の社会学の論文の大半は単著であり、単著が前提でさまざまな評価がなされている。そのため、業績の数をそろえる必要がある場合には、共著の執筆には注意が必要である。例えば、専門社会調査士資格の取得のためには、社会調査にもとづく論文を提出する必要があるし、博士論文の提出の前提条件として、ピアレビュー付きの論文を何本か書くことが求められるような場合がある。このような場合、共著の論文を1本とカウントしてくれるかどうか、はっきりしない場合が多い。0.5本とか、0本としかカウントされない場合もあるかもしれない。よく確認したうえで戦略を練る必要がある。共著の相手に関しても注意が必要である。自分よりも著しく能力が劣る場合、けっきょく全部自分一人でやっているにもかかわらず、共著というかたちになってしまい、不満感を高めることになるかもしれない。また、抜け駆け(共同研究の成果を自分一人の名前で勝手に公表すること)するようなやつは論外である。指導教員との共同研究の場合、力関係がはっきりしているので、やりやすい面とやりにくい面があるのではないだろうか(私はやったことがないのでわからないのだが)。つまり、大きな方針については指導教員に基本的には従うことになるので、調整やすり合わせが楽である。しかし、指導教員には普通よりも逆らいにくいので、考えのかい離が大きくなると逆にしんどいだろう。さらに 3人で共著の論文を書いたからといって負担が 1/3 になるとは限らない。ただ、共同研究のメリットはもちろんあって、相手から学ぶことは通常の議論よりも多い気がするし、スケジュールをはっきり決める必要があるので、研究が進みやすい。また、「3人寄れば文殊の知恵」のことわざ通り、一人でやるよりは穏当な内容になりやすい気がする。自分がよく知らない分野の知識も必要な場合、その分野の共同研究者を得るメリットも大きい。そういうわけで、条件が許し、適切な相手がいれば、共著論文を書くことはお勧めである。
  3. 海外留学 私は全く知識も経験もないので有益なコメントは何もできないが、一般論としては、習いたい先生が海外にいるならば留学はいいと思う。
最後にもう一度繰り返しておくが、博士論文執筆後のロードマップは特に重要である。研究が好きだという人には特に強調しておくが、そういう研究に対する情熱を持ち続けることは、必ずしも容易なことではない。忙しさは、単に研究する時間だけでなく、研究に対する興味や関心をも奪ってしまうことがある。私自身、一時期は完全に研究する意欲を失っていたが、何とか切り抜けられたのは、研究グループの存在が大きかったように思う。

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