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  • 2014年04月16日 22:27

民族紛争と感情と利益

今朝ニュースを見ていたらウクライナで親ロシアの反政府勢力の強制排除に乗り出したという記事を放送しており、いろいろ思うところがあったのでこれについて少し。


1 民族

 今回はウクライナとロシアの問題ですが、分離独立を求める民族運動の様相も呈しております。そのため、ウクライナとロシアという形ではなく、一般論として少し考えてみたいと思います。

 B国の少数派A民族は、隣の国では多数派で、A国はB国より国力が大きいとします。そうするとA国民としては、普段からB国を下に見る傾向があり、その意識はB国にいるA民族でも同じというのが一般的かと思います。

 ところがB国にいるA民族は、B国内では少数派となると、経済的にも政治的にも割をくうことになります。

 それに、実際問題A国がB国を下に見ていることはB国内では周知のことでしょうから、当然A国に対する悪感情もあり、それが直接向けられるのはB国内にいるA民族となるので、彼らにしてみればたまったものではないでしょう。

2 民族独立

 そうなると、B国内のA民族としては、国境の線引きが間違っているという主張をしたいという話で、国境の線引きを変えてくれ(自分たちのいるところもA国に含めてくれ)という話になるのは容易に理解できます。

 しかしB国としては国土(土地、資源だけでなくそれに付随する人口)が減るということで、容易に飲める話ではありませんし、もしそんなことが可能であれば、国家にとって最も大事な国境が不安定になってしまうという弊害も起こります。

 同じ民族同士が国家をつくるというのはわかりやすい話ですが、個々の事案を見るといろいろ歴史的要因などがあり、ことは簡単ではありません。

 それに国に限らずどこの団体でも同じですが、広い意味で、自分たちの利益を守るために団体をつくるのであれば、当然その団体から利益を得るものが出てくるわけで、そういった人たちにしてみれば、現在の枠組みの変更など容易に認められるものではありません。


3 保守と革新

 極端に単純化してみれば、保守とは現在の体制から利益を得ているので、現在の体制を変更したがらない人、革新とは現在の体制から思うように利益を享受できないので、体制変更を目指すものといえるかと思います。

 そういう意味では分離独立を目指すものは革新、現状の国境を維持しようとするものは保守という話になりますが、物事はそれほど単純ではありません。

 保守は現在の体制から利益を受け取れるから現在の体制の維持を望んでいるだけという方も多いでしょうし、革新も自分が利益を得られるような体制が出来上がるとそれを守ろうというするのは良く聞く話です。


4 最後に

 他団体との折り合いがつかず、いろいろ紛争が起こるということは良くある話です。紛争が起これば、どちらにとっても利益どころではないわけですが、相手への憎しみなどが先に立つとこうした利益を度外視することも容易に起こりえます。

 それが戦争の恐ろしいところで、普段理性的に考えればどう考えてもあり得ない選択肢も人間感情的になると(極限状態に追い込まれると)、選択することもあるという話かと思います。

 本来自分たちの利益のために作った団体(国も含む)のはずなのに、この団体を守ることが先に立ってしまうと容易に紛争が起こり、逆に自分たちに不利益になるのはかなり皮肉なことだなと思ったが故の今日のエントリーでした。

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