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ネット対応テレビでの「ガラパゴス」不安

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その後、例えば今年のCESでの「ワンクリック・リモート」(テレビなどのリモートに「Netflix」ボタンをつけたもの)の発表では、これらの日本勢も、LGやハイアールなどと一緒に含まれている。たとえ日本でネット動画が遅々として進まないとしても、日本勢各社にとってアメリカは重要な市場なのだから、こうした動きにはそれなりについていくはずなのだが、これは「日本メーカーが情報戦に負けている、またはアメリカ市場を軽視して後回しにしている」ということなのか、「ネットフリックスから見て、最初に話を持っていくのはLGとかになって日本勢は後回し」ということなのか、などと考えるが、外から見ているとどうも「all of the above」のような気がしてしまう。

ちなみに、これはネットフリックスだけの話ではなく、その他の動きも含めた「ネットTV」全体に関して言える話だ。(だからこそ、GoogleTVでは頑張って巻き返し、ソニーと東芝が動いたのだが、GoogleTVが派手にコケてしまい、両社はこれまた大迷惑を蒙った、というなんとも気の毒な話がこれに続く。)

動きについていくには、それなりに人を張りつけて情報収集や水面下の交渉をしなければならず、全く新しいモノを作るにはリスキーな先行投資がいる。いずれも先立つものが必要なので、それだけの投資をする余力が日本メーカーにない、というのが根本原因のような気がする。で、おそらく皆様もそれはわかっておられて、最近になってシリコンバレーにこれら家電メーカーを含め、日本人が戻ってきている様子がある。

そこに、失敗確率が非常に高い(失礼!)民放プランなどに足を引っ張られるというのは、今度はネットTVで「ガラパゴス化」を促進して、家電メーカーはますます体力を失い、裾野産業はますます弱まり、日本の国際競争力はますます落ち、失業はますます増え・・という迷惑スパイラルにはいりそうな気がしてしまう。民放も、ネット配信を試すのは大いにいいけれど、ぜひ、メーカーがつくった対応機器が世界でも使えるような「国際標準的」な技術でやってほしいと思う。

一つの対応策としては、「日本は家電メーカーもテレビ局も数が多すぎなので、企業統合・部門売却とかをして長期投資ができる体力をまずつけるべし」というのが私の持論である。・・とはいえ、もしかしてこれでさらにメーカーを追い詰め、本当ならやりたくない「統合」に向かわせよう、という、誰かの「孔明の罠」かもしれない、などと考えたりもするが。ちなみに、アメリカでのテレビ周辺の「壮絶な混戦」については、下記の日経ビジネスオンライン記事を参照してほしい。

米国版・荒野の西部劇「テレビ酒場の大乱闘」:日経ビジネスオンライン

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