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「STAP現象、有望ではあるが仮説として再検証する必要がある」STAP細胞問題で笹井芳樹氏が会見

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STAP細胞論文に対する疑義の問題で、16日午後、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が記者会見を行った。

理化学研究所調査委員会による1日の調査報告は、主に小保方氏に不正があったことを認定したほか、笹井氏についても「論文を執筆する段階で小保方氏を実質的に指導する立場にあり、正確性を自ら確認することが求められていた責任は重大」と指摘していた。笹井氏は丹羽仁史・理研プロジェクトリーダー、若山照彦・山梨大教授とともにすでに論文の撤回に同意している。

笹井氏は会見冒頭「大変多くの混乱と齟齬により、多くのご心配また疑惑を招く事態となりましたことを心からお詫び申し上げます」「このSTAP研究に期待を寄せてくださるたくさんの皆様方の信頼を損ねることになってしまったことを心からお詫び申し上げます」と陳謝した。また、理研による調査への協力の関係上、これまで寄せられた疑問に対してこれまで具体的な説明を行なわなかったことについてもお詫びの言葉を述べた。

続けて、"寄せられた疑問"を5点に整理し、順に回答。記者からの「STAP細胞を信じるか?」との質問について、「科学は宗教ではない。信じる信じない、ということではない」と科学者としての立場からの説明を繰り返した。また、「功名心は無かったか?」という質問には、「あくまでも若手の研究が世界に出て行くお手伝いをしたいという意識だった」と説明した。

さらに、STAP現象については、検証を行うと一旦決めた以上、STAP現象はあくまでも"検証すべき「仮説」"とする必要があり、また、「ES細胞の混入の可能性」といった仮説では説明できない部分があり、観察データに基づく限り、"検証する価値のある合理性の高い仮説"であると考えている、とした。

1.自身の研究における役割

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一般に研究論文のプロジェクトには、着想や企画、実験の実施、実施された実験データの解析と図表の作成、それらをまとめて文章を書き上げる、という4つの段階があるという。

小保方氏をユニットリーダーとして迎える際、竹市雅俊センター長より「論文の仕上げ面を助け、協力するように」と言われ、笹井氏自身もSTAP現象は国際誌に早く発表するだけの科学的価値の高いものだと認識、協力を承諾したという。結果、笹井氏は論文投稿までの2年間のうち、最終段階である「論文の書き上げ」(最後の2ヶ月強)からプロジェクトに参加。一度ネイチャー誌に却下された経緯がある論文をベースに、文章の改良、そのための図表の組み合わせの再構成を担当したという。

この間、若山氏が山梨大への転出のため引っ越しで忙殺されたこともあり、若山氏の分の執筆にも協力、STAP現象の試験管内実験技術の指導も行ったという。自身はあくまでもアドバイサーとしての認識で、当時は論文の「著者」には加わっていなかったが、バカンティ教授より「著者」に加わって欲しいとの依頼があり、さらに若山氏からも「責任著者」に加わってほしいという要請を受け、最終的に"共著者"となったと説明した。

2.どうして過誤を見抜けなかったのか

「こうした問題があることは決してあってはならない。複数の問題を見抜けなかったことは慚愧の念に堪えない」ー若山氏と力を合わせ、小保方氏へ注意できなかったことも含め、責任は重大であると認識しているとした。一方で、過去の実験データにまで遡ってひとつひとつ丁寧に確認することが現実的に困難だったことも明かした。

笹井氏によると、不正の判断をうけた2つのデータについて、生データやノートを見る機会がなかったこと、図表データの整合性が高かったこと、バカンティ教授が米国にいたこと、さらに小保方氏が独立した研究室のリーダーであり、直属の部下ではなかったため、「大学院生を指導する際のように"ノートを持ってきて見せなさい"という不躾なことは難しかった」と説明した。

3.経験の浅い研究リーダーを選んだこと

同センターでは、大胆な独創性を目指した挑戦的な研究を若手から提案することを奨励、30歳前後での採用も珍しくないという。さらにそうした研究者に対してはつぶさにフォローアップを実施しているという。

2012年12中旬に行なわれた小保方氏の研究リーダー採用時の審査も、他の研究リーダーの選考と同様に、研究計画と進捗のプレゼンを検討、独創性、挑戦性、研究の準備状況を中心に評価。小保方氏のこれまでの指導者らからの推薦も参考にしたと言い、偏りは無かったとの認識を示した。

一方、当時の小保方氏は研究者としての経験も浅く、未経験な面も多いと想定されたため、最も小さなサイズのラボである「研究ユニット」を主宰してもらうことにし、論文の発表後も、笹井氏らが分担して、多面的に教育育成を行う計画を立てていたと述べた。

4.論文の撤回について

「複数の過誤や不備により論文の信頼性が損なわれた以上、真偽の判定には理研内外の予断のない再現検証が必要であるという考えを持っており、検証実験にも協力していくことが使命だ」と述べ、引き続き撤回の意思に変わりはないとした。

5.不必要な広報はなかったか

「1月のプレスリリースの際には、あくまでも基礎的なマウスの研究での発表としてリリースし、実用性を目指した段階ではないことも強調した」とした。しかし「発表が主旨から外れ、技術的な効率論としてひとり歩きしてしまい、STAP細胞の方がIPS細胞よりも効率が良い、という話に展開」したことから、京都大学IPS胞研究所の山中教授や関係者に直接お詫びをし、資料の撤回も進めたという。

■関連情報
STAP細胞論文共著者・笹井芳樹副センター長 記者会見 生中継 - ニコニコ生放送
会見時の資料(PDF)

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