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建設業の人手不足が深刻化!『外国人材の活用に係る緊急措置』とは?

アビタス米国弁護士コース担当の坂本です。

各種のマクロ経済指標が概ね改善を示している中、成長のボトルネックを抱えている業界があります。
建設業です。

金融緩和による円安で原材料が高騰し、利益率が圧迫されていますが、さらに深刻なのが、人手不足です。2000年代から公共事業が縮小される中、建設業はリストラや新卒採用の抑制を重ねてきました。

それが、ここへきて、東日本大震災からの復興や、2020年の東京オリンピック対応、そしてデフレ景気からの脱却など、需要増となる要因が増え、労働力不足が顕在化することになりました。

これを受けて政府は、外国人材の活用に向けた施策を図ることを決めました。4日に公表された『建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置』です。

その柱は、
・在留資格「技能実習」(ただし建設分野)における制度の緩和
・受入機関の監理体制の強化
という二点です。

前者は建設業における「技能実習」で入国した外国人が、実習終了後、建設分野で働く場合に、在留の延長ないしは再入国を容易とするもの。そのため新たに「特定活動」という在留資格を設けるとされています。

後者は、建設業などの受入機関による不正を防ぐため、優良な受入機関のみを選定し、建設業法による国土交通省等による直接的な検査・監督を、強化するものです。

これらの施策について、2014年央には関連する告示、通知などを行い、2015年度から外国人材のさらなる受入を図ることとされています。

さて、外国人材の活用に対しては、制度上改善されたとはいえ、かつて、安価な労働力利用のために悪用された『外国人研修・技能実習制度』での問題がどうしても想起されます。

また、外国人材への技術移転の困難性や国内人材への技術伝達への支障、および、外国人労働者の流入による漠然とした治安悪化などを理由に、反対の声も少なくありません。

一方で、今回はあくまで「緊急措置」であり、中長期的には、国内人材の確保のための施策も盛り込まれています。ただ、求職者の建設業界に対するハードルが下がるには、まだまだ時間がかかりそうです。

外国人材を誘致するには、言語の問題をはじめ、分かり易いマニュアル整備、指導方法の改良など、建設業の様々な体質改善が必要です。それらの改善は、国内人材の確保や、日本の建設業の生産性向上にも、役立つことでしょう。

緊急措置を契機に、日本の建設業が、イメージと実質を大きく改善できるか否か、オリンピックに向けた課題の一つと言えそうです。

≪参考:建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置について(内閣官房)≫

http://www.cas.go.jp/jp/houdou/140404kensetsu.html

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