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日経ビジネスコラム「テレビ酒場の大乱闘」公開されました

日経ビジネスで月一回書いているコラムで、ブロードバンドとTVコンテンツに関わる「大乱闘」の様子を描いたクラシック迷作、「米国版・荒野の西部劇 テレビ酒場の大乱闘」が公開されましたので、ご高覧ください。

米国版・荒野の西部劇「テレビ酒場の大乱闘」:日経ビジネスオンライン

日経ビジネスは、テクノロジー関係者以外の読者も多いので、いろいろ書いては消した上で、結局「日本のブロードバンド振興はコンテンツ対策が重要」という、ごく当たり前の(=わかりやすい)結論に持っていったが、実は最初は別の論点について書こうと思っていた。「キャズム」の話である。

クラウドとかソーシャルとかモバイルとか、テック人間にとってはすでに日常のことになっているモノだが、先日この記事に書いたブロードバンドテレビのカンファレンスに行って、改めて「テレビ」というのもの大衆性というか、シリコンバレー人から見るとサンアンドレアス断層のあたりに存在する「深い谷」の向こう側にいる大多数の人々というか、そういう存在の重さ、鈍さ、大きさを改めて思い知った。

それで、この記事に書いたように、この成熟市場である「有料テレビサービス」に新参者として参入している電話会社は、既存勢力であるケーブル会社に対して自社サービスに魅力を持たせるべく、細かいサービスをいろいろ工夫してくっつけようとしている。その方向性は、キャズムの向こう側にいる大多数の人たちに使いやすいように、クラウドとかソーシャルとかを消化しやすい「離乳食」状態にして提供しようというものだ。

その努力が報われるのかどうかはなんとも言えないが、90年代に壮大な「タイム・ワーナーの双方向テレビ実験」や「ベルアトランティックの双方向テレビ計画」などが大花火のように打ち上がっては消えていったのを間近で見ていた私からすると、「今度は前よりはだいぶマシ」「時期はあのときより熟している」という気がする。

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このブログで書いたかどうか忘れたのだが、私がレクチャーなどでよく使う「コミュニケーションの三分割モデル」の中で、「クラウドとかソーシャルとか」という部分は、「新しくできた中間領域」に当たり、「マスコミ」的要素と「個人の通信」的要素を併せ持つ。電話会社が一足飛びに反対側にあるテレビやプロフェッショナル・コンテンツをやろうとするのは何かと無理があるのを、今は政策的に無理やりやっている訳だが、現在もブロードバンドで提供している「中間領域」ならば、地理感があり、そこで徐々に「下」領域へと広げていくならば、現実的だと思うからだ。

そして、それがもしうまく「ウチのお母ちゃん」(カンファレンス講演者が好んで使った表現)たちに受け入れられるようになると、「中間領域」が一気に拡大する。Web2.0がキャズムを超えるかもしれない。

iPhoneはスマートフォンを大衆化したと言われるが、テレビの大衆性に比べればまだまだ甘い。そして、中間領域を手がける「中の人」たちの世界は、映画「The Social Network」に描かれたように、まだまだ変人の集まりだと思われている。それが、IPTV勢の攻勢で変わるのか、ネットがキャズムを超えるのか。それほど一気に変わることはないだろうが、長期的にそうなっていくのか。その点についても興味を持っている。

<過去の参考記事>
「光の道」より「テレビ」対策 − 「ジャンボジェットとコンコルド」 - Tech Mom from Silicon Valley

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