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「金のタマゴ」STEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)専攻留学生の減少に英国議会が警鐘

STEMとはScience, Technology, Engineering and Mathematics、つまり科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学の略であり、高付加価値の、新しいビジネスを興し、国の発展に寄与する人的資源の宝庫として世界の経済政策立案担当者が重視する、いわば「金のタマゴ」のような若者たちです。

この人材の獲得競争は、近年、国境を越え、グローバル化しています。

イギリスではキャメロン政権が4年前に「ベンチャーを振興するにあたりフレンドリーな環境を作って行く」という宣言をしました。つまり「イギリス版シリコンバレー」の構想です。

しかしその後、英国は移民法を改正し、欧州連合(EU)以外からイギリスに来る移民の数に上限を設けました。つまり政府の方針とは逆のことを立法府はやっているわけです。

先日発表されたSTEM留学生に関する英国貴族院科学技術委員会調査報告書では英国がSTEM留学生の獲得競争でカナダやオーストラリアなどの国々に優秀な学生を奪われ始めていることが指摘され、危機感が高まっています。

STEM留学生の多くは中国とインドから来ており、この二つの国からの留学生を獲得することが競争上、きわめて重要です。しかし下のグラフに見られるようにイギリスに来るインドからのSTEM留学生の数が最近、激減しています。

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これは前述した移民法の改正で、卒業後、留学生がイギリスで職探しをするのが難しくなったことが影響しています。

一例として英国では学位取得後4か月しかイギリスに滞在できません。これでは満足な就職活動ができないわけです。その点、オーストラリアでは最長2年間まで滞在が認められます。

英国貴族院科学技術委員会は、「STEM留学生は大学のアカデミックな難易度の維持に貢献するし大学の財政の改善に寄与する。さらに高スキルの人材の供給源になる……したがって海外からのSTEM留学生獲得競争でイギリスが後れを取ることは許されない」と結論付けています。

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