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3Dプリンターは日本の製造業を復活させる!?如何に使いこなすかがカギ

3Dプリンターやメイカーズ・ムーブメントという言葉が独り歩きする中で、実際にムーブメントを担う現場では、一体何が行われているのか。ケイズデザインラボ代表取締役の原雄司氏に、自社事業での経験を踏まえながら、日本における3Dプリンティングの過去が現在とどう異なるか、そして未来はどうなっていくかについて聞いた。

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3Dプリンタービジネスの現状

ケイズデザインラボは、「アナログとデジタル融合で世界を変える!」という理念を元に、3Dツールがどのような業務にメリットがあるのかを研究し、実際に導入を支援する事業を行っている。単に3Dツールを販売するだけでなく、3Dプリンター等の使い道が分かりにくい顧客の為に、展示会や博物館などにプリンティングした作品を展示したり、実演販売によるベンチマークテストサービスを行ったりしている。

原雄司氏が言うように、日本ではまだまだ3Dプリンターの使途が知られていない上、普及が遅れている傾向があるが、先を行く米国では3Dプリンターを使った「ものづくり回帰」が始まっている。例えば、フォードが2万人の設計者全員に配布したり、家電量販店で販売したり、オバマ大統領が1000高校に配置する事を発表したりと、製造業の変革が始まっているのだ。

注文を受けてから製造、すぐに商品引き渡し、というビジネスモデルが可能になる日も近い!?~「ハードウェア革命」のトレンド予測~

ハードウェア設計プラットフォームサービスのUpverterは、前述のような3Dプリンターの発展と浸透によって製造業にもたらされられる「ハードウェア革命」のトレンド予測を行っている。これによると、2014年には一晩でプロトタイプが出来るようになり、2016年には注文を受けてから造形・製造を行うハードウェアのオンデマンド製造が実現する。これが更に進展して2019年には在庫を持たずに注文を受けてから製造を行う予約販売方ビジネスモデルに移行していく。これ以降は急速に技術が浸透していき、2025年には革新企業が多く生まれるようになると予測されている。

3Dプリンターを発明したのは実は日本人だった!

3Dプリンターの製造、製造業への応用において米国が先行しているが、3Dプリンターにおける光造形法を発明したのは小玉秀男氏という日本人である。小玉氏は1980年に特許出願し、1981年に出願公開されたが、審査請求を行わずに一般公開技術となった。現在、3Dプリンターのシェアは米国の2社で75%という状況になっているが、これは、米国企業が1982年に発表された同様の論文をもとに特許を取得し製品化したという歴史的背景がある。

第三次3Dプリンターブームの背景にあるのは「シェアリング」の精神

原氏によると、現在の3Dプリンターブームは第三次ブームと呼ばれるものである。(2001年が第一次ブーム、2007年頃が第二次ブームである。)過去のブームとは、「3Dプリンターの低価格化」・「インターネットによるシェアの増加」・「3Dデータの流通」という点で大きく状況が異なる。例えば、「3DHABS」というサイトで近隣のプリンター所有者を探してプリントを依頼したり、アイデアを持つ人にデザイナー・3Dプリンターの提供から量産までを請け負う「quirky」というサービスなど、「シェアの精神」を元に3Dプリンターの利用が増えている。

第三次ブームの要因のうち低価格化の背景には、2008年にある3Dプリンターの基本特許が切れた事がある。安価なパーソナル3Dプリンターの増産に寄与し、個人を中心に利用者が増え、2011年以降は爆発的に生産が増えている。ケイズデザインラボは、FabCafeと共同で個人向けワークショップを開き、自分の身体をスキャンしてチョコレートやグミを作成するといったイベントを開催している。

低価格化に加え、3Dデータの流通がキーとなって、元は製造業の試作用装置でしかなかった3Dプリンターが幅広い分野に応用されている。例えば、金型製品やヘルメット、医療用の人工骨、アパレル製品、建築分野などがある。原氏の顧客・友人である八木啓太氏は「一人家電メーカー」と呼ばれ、安価になったキャブソフトや3Dプリンターを利用してワイヤレス充電器などを生産している。

3Dプリンターは「道具」に過ぎない。如何に使いこなすかがカギ

3Dプリンターの価格が低下して参入しやすくはなっているが、あくまでも3Dプリンターは「手段」であり、それによって何を作るかという「目的」と混同してはならないと原氏は述べる。3Dプリンターで生産するには「データ」が必要であるが、データを用意するには、(1)データダウンロード、(2)CADやCGで作成、(3)3Dスキャン、(4)専用ソフトの利用、という「4種の神器」がある。

4種の神器を使えば、ハードウェア開発において、ウォーターフォール型ではなくアジャイル型開発を行う事も可能である。ウォーターフォール型は、要求から開発・試験・運用までをトップダウン方式で行う方法であり、大掛かりになり部門間の折衝が難しく、大規模故に工程の後戻りも難しい。一方でアジャイル型は、要求・開発・試験を行う小規模のプロジェクトを大量に立ち上げてプロトタイプを作り、良い物だけを製品化するという開発方法である。アジャイル型はソフトウェアでは多く活用されているが、従来のハードウェア開発では難しかった。しかし、4種の神器によりハードウェアにおいてもアジャイル型の導入が可能である。

ケイズデザインラボは、アジャイル型開発の試みの一つとして、loftworkと共同で企業向けに、「1.5日超高速ものづくり」など多数のプロトタイプ作りを多数のチームが行うといったワークショップを積極的に行っている。

「ものづくり」の強みと3Dツールの融合へ

原氏は、日本には「近場」に心強い町工場があり、その技術の緻密さは「ものづくり」の武器であると断言する。この強みと3Dツールを組み合わせれば日本の製造業が復活する可能性があると指摘する。

ケイズデザインラボは、テクノロジーとものづくりを身近にし、3Dプリンターが日本らしい進化を遂げてグローバルに繋がる企業が増えていく事に貢献するために、3Dツールを利用した子供向けのワークショップなどを積極的に行い、こうしたプログラミングと3Dものづくりの教育に力を入れていくという。

実は日本生まれの3Dプリンター。日本ならではの強みを生かして、より新しい価値を提供していくための心強いツールとなることは間違いないだろう。

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