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- 2014年04月09日 20:53
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その6(妻の口座に5億円弱)
はじめに
(1)「みんなの党」の渡辺喜美代表(すでに辞任。以下同じ)が、DHC会長に2010年参議院通常選挙前に3億円と、2012年衆議院総選挙前に5億円を用立ててもらっていたのに、それらを一切報告していなかった問題について、すでに、このブログで取り上げました。、DHC会長が「みんなの党・渡辺代表に選挙資金8億円」を用立てたが一切収支報告なし!
渡辺「みんなの党」代表は「8億円裏金」問題で説明責任を果たしていない
(2)具体的な疑問点として、第1に、渡辺代表が新党「みんなの党」を立ち上げた時の資金作りの点について疑問点を説明しておきました。
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その1(党立ち上げ資金)
第2に、渡辺代表が受け取った計8億円が「みんなの党」への貸付に回れているのかどうかについての疑問点を指摘しました。
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その2(貸付・借入金)
第3に、渡辺代表は、計8億円の一部ではあるものの、使途の説明を変遷させ、党のための政治活動・選挙活動に使ったことを認め始めたことを指摘しました。
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その3(政治資金・選挙資金)
第4に、その使途について、2012年の衆議院総選挙と2010年の参議院通常選挙における公認候補の供託金に使われたのかどうかを収支報告書で確認しました。
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その4(供託金)
第5に、渡辺代表が「みんなの党」の代表を辞任したので、それについての私見と内部調査の必要性を述べておきました。
「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その5(代表辞任と内部調査)
(3)その辞任会見で、渡辺氏は、「借り入れていた5億5000万円に、金利分をつけて返済した。」と説明し、記者が「返済の原資」を質問したところ、渡辺氏は「政界再編が起きたときの軍資金として5億円弱は妻の口座に移し、残っていた。他は親類縁者や知人らから融通してもらった。年に約1000万円を個人的に使った。」と説明しました。
以下では、これについて取り上げて疑問点を述べておきましょう。
(4)まず、辞任記者会見前について確認できることは以下のことです。
①2010年の参議院通常選挙の前に、DHCの吉田会長は渡辺代表の銀行口座に3億円を振り込んだ。
②その返済が完了していないのに、2012年の衆議院総選挙の前に、DHCの吉田会長は渡辺代表の銀行口座に5億円を振り込んだ。
③以上8億円のうち、「週刊新潮」のスクープ報道の時点で、返済額は約2億5000万円であった。
④渡辺代表の説明によると、2012年の5億円のうち、2億5000万円については、渡辺代表が「みんなの党」に貸し付けた。
⑤渡辺代表の説明によると、全額使ってしまって全く残っていない。
⑥8億円が全額借入金であるとすれば、約5億5000万円が未返済である。
(5)以上によると、党に貸し付けた2億5000万円を除く5億5000真円を何に使ったのか、問題になります。
(6)ところが、渡辺代表は、「5億円弱は妻の口座に移し、残っていた。他は親類縁者や知人らから融通してもらった。」として、約5億5000万円を返済したというのです。
その際、2億5000万円を党に貸し付けたことは否定せず、そのまま主張しています。
そこで、疑問が生じます。
それは、「妻の口座に移し、残っていた5億円弱」についてです。
2012年の5億のうち、2億5000万円を党に貸し付けたのであれば、残りは2億5000万円ですが、「妻の口座に移し、残っていた5億円弱」には、2億5000万円弱不足します。
そうなると、2010年の3億円については、5000万円強しか使わず、2億5000万円弱を妻の口座に移していたことになりそうですが、これは真実なのでしょうか?
(7)もし、そうであれば、妻の口座であるとはいえ、2億5000万円弱残っていたのに、渡辺代表は、2012年に、5億円を口座振込してもらったことになりますが、同年に渡辺代表が当jに貸し付けた2億5000万年は、同年の5億円から党に貸し付けたのか、それとも、妻の口座に残っていた2億5000万円弱に足りない分を加えて党に貸し付けたのか?
そのいずれなのでしょうか?
(8)もうひとつ疑問が生じます。
2012年に5億円を口座に振り込んでもらう前に、2億5000万円弱を使わずに残していたのであれば、なぜ3億円のうちの未返済約5000万円をそれで完済させなかったのでしょうか?
たとえ約5000万円を返済に充て完済させても2億円弱が残っているわけなので、完済させるのは非現実的ではないでしょう。
(9)以上の2つの疑問に関連して、渡辺代表がこれまで党に貸付し、返済してもらったことを再度紹介しておきましょう。
2009年は、渡辺代表から「みんなの党」への貸付が6000万円。
「みんなの党」は渡辺代表に5000万円返済し、残りは1000万円。
2010年は、渡辺代表からの貸付はなく、「みんなの党」が渡辺代表に1000万円を返済。
これで、完済。
その後、渡辺代表から「みんなの党」への貸付が計1億7000万円。
2011年は渡辺代表からの貸付はなく、「みんなの党」が渡辺代表に計1億5000万円を返済。
未返済額は2000万円。
2012年は、渡辺代表から「みんなの党」への貸付が前述したように2億5000万円。
渡辺代表への返済は、計1億1000万円。
渡辺代表への未返済額は1億6000万円。
(10)以上、渡辺代表の党への貸付と党の返済の状態ですが、このカネは、渡辺代表の妻の口座を通じて行われたのでしょうか、それとも、渡辺代表の口座を通じて行われたのでしょうか?
また、渡辺代表は、党からの返済を、なぜDHC会長への返済に充てなかったのでしょうか?
例えば、2011年に渡辺代表に対する党の未返済額が2000万円あったとはいえ、渡辺代表は、党から計1億5000万円返済してもらっていたのに、なぜそれ(の一部)をDHC会長への返済に充てなかったのでしょうか?
DHC会長からの3億円のうち2億5000万円弱を妻の口座にいつして残していたのであれば、なおさら返済は可能だったのではないでしょうか!?
(11)「みんなの党」が内部調査を続け、説明責任を果たすつもりがあるのであれば、以上の点も調査対象にし、主権者国民に対し、客観的資料を公表して説明して欲しいものです。