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  • 階猛

真の捏造とは-STAP細胞と袴田事件

リンク先を見る「捏造」の「捏」という字には、「こねて作り上げる」という意味があるそうです。ここ数日、STAP細胞を用いた実験の画像と、袴田事件で有罪を決定づけた証拠とがいずれも「捏造」とされ、大きく報じられました。しかし、言葉の本来の意味からすると、両者を同じ「捏造」という言葉で表すべきか疑問です。

STAP細胞の方は、小保方さんの博士論文の画像がSTAP細胞の論文に使われたという話ですから、画像自体はもともとありました。小保方さんが弁解するように、単純ミスで取り違えたという可能性もあります。一方、袴田事件で問題となった「証拠」は、袴田さんが犯行当時に着ていたとされる血痕のついた衣類であり、事件から1年以上経って犯行現場近くで発見されたとして、刑事裁判の途中で検察が証拠提出したものでした。

今回、再審開始を決めた静岡地裁は、DNA鑑定の結果を踏まえ、衣類の血痕が袴田さんや被害者のものではないとしただけでなく、衣類の変色度合いから真犯人が犯行時に着ていたものでもないとしました。つまり、誰かが犯行後にでっち上げた「証拠」だと言っています。その上で、地裁は、捜査機関が捏造した疑いがあると判断しました。

仮にこれが事実だとすれば、真の意味での捏造です。しかも、この捏造がなければ、袴田さんは死刑囚として48年間も獄中で過ごす必要がなかったわけです。今後の研究次第でSTAP細胞の存在を証明できる小保方さんと違って、袴田事件の捜査官は取り返しのつかない捏造をした可能性があります。

2日の法務委員会で、私は、今回の証拠捏造疑惑について、「直ちに法務省としても内部調査を行なって真相を明らかにすべきではないか」と質しましたが、谷垣法務大臣は、「即時抗告(=再審開始決定に対する不服申立ての手続き)の過程の中で問題点が明らかになってくる」と消極的な姿勢でした。

「捏造」という言葉を乱用してトカゲの尻尾切りを急ぐ理化学研究所という組織も問題ですが、捏造で無実の袴田さんを死刑に追いやったという指摘を受けても国民への説明責任を果たそうとしない法務省や検察庁という組織は、もっと問題です。

「捏造」の汚名を着せられた小保方さんは、理化学研究所に対して不服を申し立てる意向とのこと。理化学研究所という大組織にひるむことなく、また、法務省や検察庁に模範を示すべく、公の場で堂々と説明責任を果たしてもらいたいと思います。

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