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100冊以上の有名雑誌が9.99ドルで読み放題 の「NextIssue」

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本屋や駅のキオスクで、気になる雑誌の見出しに目を止めてページをめくる人は多いだろう。つづきを好きな時に好きなだけ読むには買うしかない。でも、読みたい記事分がほんの数ページだったら? 毎月チェックしたい雑誌が何冊もあったら、あなたは全部買うだろうか?

好きな雑誌の好きな部分だけを好きなときに読みたい。「NextIssue」はそんなわがままに応えてくれる多様なジャンルの雑誌を好きなだけ読めるサービスだ。

同サービスでは、書店やニューススタンドに並んでいるメジャーな雑誌を、毎月一定の額を払うことで、スマ―トフォンホやタブレットの携帯端末で購読することができる。

売上は公表されていないが、2011年9月段階で、投資会社から500万ドル(約5億円)の出資を獲得し、2014年までには300万ドル(約3億円)の収益を見込んでいるという。The New York TimesForbesWall Street JournalWiredなど多数のメディアで取り上げられ、「情報のHulu」とも呼ばれている。

出版、広告、読者、そして技術者のために

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NextIssueは、John Squires(写真左。以下、スクワィヤ)氏、Morgan Guenther氏(写真中央)、Brodie Keast(写真右)氏ら米国の大手出版社5社から集った精鋭たちが創始者となった。

日本と同様、米国でも新聞社・雑誌社とも経営不振のニュースが多く流れている。インターネットとスマートフォンの普及にともない、かつて雑誌が担っていた情報発信はホームページやブログで代替収集できるようになり、雑誌は「価格が高い」「読む時間がない」「紙ごみが増える」などの理由で敬遠されるようになった。

雑誌、新聞業界全体の退潮により、 広告収入の確保、部数は伸びが難しく、成長は見込めないと判断されることで廃刊となる雑誌も少なくない。

米国の報道写真雑誌として一時代を築いた雑誌「LIFE」もその1つだ。同様に、広告業界も紙媒体からの売上が減少して苦戦している。

こうした危機に直面した、もとはライバルである雑誌出版社が、雑誌という資産と現代の潮流であるテクノロジーを融合させるべくタッグを組んだ。

各社からビジネス構築、広告、マーケティング、出版、テクノロジーなどの分野に精通し、雑誌を愛する精鋭が集結。急速に普及するスマートフォンやタブレット、そして新しい技術的挑戦をのぞむシリコンバレーの技術者たちに、印刷出版と広告ビジネスを未来につなぐ可能性を見出したのである。

もっとも、新しい試みに二の足を踏む人も多数いた。創始者のひとりでTime社の重役を務めたスクワィヤ氏は「タブレットでデジタル版雑誌を読むというのがどういうことか、多くの雑誌愛読者はまだわかってない」と感じていた。

NextIssueの開発途中で行われた消費者テストでも、アプリのデモを見る前に「タブレットで定額を払って雑誌を読むこと」に関心を示した参加者は22%に過ぎなかったという。

ところがデモを体感した後、参加者の関心が一変する。なんと数値が39%にまで上昇したのだ。これがサービス展開の大きな追い風となった。

雑誌を買うように手軽に始められるサービス

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NextIssueのサービス利用までの手順はシンプルだ。まずサイトでユーザー登録をし、認証されたら、AppleのApp StoreやGoogleなどでNextIssueの無料アプリをダウンロードする。

あとはアプリから登録したメールアドレスとパスワードでサインインして、一覧から読みたい雑誌を選択し、ページをめくるだけだ。追加課金などは一切ない。

ベーシックプランは月額9.99ドルで、ジャーナリズム、ビジネス、旅行、料理、車、建築、健康など、多岐にわたるジャンルから124種類の月刊・週刊誌を読むことができる。

プレミアムプランは月額14.99ドルで135種類。このプランには、Esquire、Forbus、The New Yorker、Timeといった日本でもおなじみの月刊誌が含まれる。30日間の無料お試し期間があるので、その間に使い方を検討するのもよいだろう。

一度選択した雑誌はアプリに記憶され、最新号リリース時には案内メールが届く。自動ダウンロードの設定をすれば、それをチェックをする必要もない。最新号のみならず、約1年分のバックナンバーも選択できるのだからまさに読み放題だ。

さらに1つの契約で、最大5台の端末を利用できる。同期機能こそないが、それぞれの端末にちがう雑誌を登録することもできる。利用する端末が5台以内なら、同じアカウントで両親と子供がそれぞれ好きな雑誌を好きなときに読むような家族利用もできるというわけだ。

2014年3月現在、記事にアンダーラインを引いたり、クリッピングといった付加価値的な機能はまだないが、ユーザーのリクエストも多く、NextIssueは「将来的には使えるようにしたい」と同社のサイトでコメントしている。

昨日のライバルが今日のパートナーに

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開発を進める上でスタッフは、オープン・スタンダードなシステムであること、異なるデバイスでも確実に起動すること、提供する雑誌一覧の表示の分かりやすさ、デジタル広告プラットフォームとして成果が計測できることなどに注意したという。

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