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ドワンゴの有料入社試験の余波――厚労省の無策が露呈

「厚生労働省から発表することはありません。どこから(情報が)入ったのか――」。需給調整事業課の担当者は、開口一番こう情報提供者を牽制した。

 応募者殺到で採用活動に支障をきたすとして、ニコニコ動画運営の「ドワンゴ」(荒木隆司社長)が2014年4月の入社試験から2525円の受験料を取ると発表した。これが学生の就職機会を奪うと、同省が待ったをかけた。

 職業安定法には「募集に応じた労働者から(中略)いかなる名義でも報酬を受けてはならない」とある。同社の動きは同規定に抵触するとみられ、田村憲久厚労相も、記者の質問に「我が省としては、多くの企業がそれに倣うと、就職をしようという方々に対して一つの阻害になる」と、強調した。

 しかし、同社は「来年度以降の受験料制度の実施については、今年度の結果をみて判断したい」(同社HP)と結論を保留。事実、厚労省も14年の試験は容認し、15年以降は取りやめを“お願い”するにとどめた。

 田村氏は「今の制度の中でもある程度防げる話」と語ったが、そもそも厚労省は規制の根拠を持ち合わせてはいない。有料化が違法なのは募集行為に限り、採用選考の有料化については制限していないのだ。これには経営サイドからも疑問が噴出している。

「いいか悪いかといえば(有料化は)悪いに決まっている。(厚労省は)想定外に対応できてない」

 全国法人の99・7%を占める中小企業家の団体である中小企業家同友会の松井清充専務幹事は、こうした企業の姿勢にも批判的だ。

「ネット上でエントリーシートを50社、100社にも応募できるという今のシステムを問題にはしないで、受験を有料化するというのは、誰の立場に立って採用をやっているのか。(厚労省も有料化企業も)自分のことしか考えてないのではないか」

(中島みなみ・ジャーナリスト、3月21日号)

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