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2011.03.19

 地震から一週間。大津波による大被害は手のつけようのないところだが、問題は福島第一原発の冷却機能が崩壊し、核爆発の危機の可能性が今でも残されていることだ。外電によれば、米国スリーマイル島事故以上、チェルノブイリ以下の危険レベル5にあるという。これで、核爆発がおきれば、人類史に残る重大な大事故になる。気の早い向きは、政府の30キロ圏での自宅待機をまったく信用せず、さらにそれ以上の遠方への脱出を試みている。中には着のみ着のままで、ここ沖縄まで脱出してきた家族もいるという報道もあった。いくら、菅総理や枝野官房長官が「安全だ!落ちつけ」と呼びかけても、そもそも政権じたいが国民に信用されていないのだから、どだい無理な話だろう。だいたい、日本を守るはずの米軍が80キロ以上に撤退し、原発王国・フランスもさっさと帰国してしまった。大使館を大阪に移す動きもある。東京電力や原子力平和・保安院がカンジンの放射能の数字もろくに示さないし、原発の事故況を詳しく説明しないのだから、国民が不安になるのは当然だろう。おそらく、国民の直感的判断の方が正しいといっておく。

 「原発は安全だ」という神話を振りまいてきたのは電力会社と原子力行政、そして、マスメディアのお偉方連中である。電力会社に接待づけされたメディア人は数多い。それが、マグニチュード9・0.震度7で自家発電が機能しなくなり、原子炉本体が危機的状況になるのだから、ふざけるなという話ではないのか。必死で原発の核爆発を防ぐ作業に従事している東電社員、下請け社員、自衛隊、消防のレスキュー隊には気の毒な面もあるが、この事故を放置したら確実に核爆発の大惨事になる。テレビ局のスタジオでヌクヌクとしながら、ご高説をたれるキャスターや原発専門家のコメンテーター同罪である。

 どうせ、復興・再建には10年かかる被災者、死の灰が降るそそぐ可能性のある距離圏内に住む人々は自主的に大疎開すべきじゃないのか。最悪の事態を想定して20キロ圏外の全員の避難を指示したものの、その後30キロ兼愛の自宅待機「発令」したことに対しても疑義が残る。何の根拠なのか、東電も保安院もまったく説明がない。むろん、原発御用学者連中も、である。これだけの重大事なのに、情報公開がまったくできていないことじたいが恐ろしい。日本は今も大本営か。これほどの危機状態になっても日本人は整然とマジメに生きているという外電もあったが、これはホントに美徳なのか、国を信じて特攻隊に行ったメンタリティと最終的には同じではないのか。

 「国なんか信じないで、逃げまくれ!」という方が正解ではないのか。東京中に住むまともな人間は地方でも、沖縄でも、海外にでも一時退避すべきである。大地震と大津波でこれだけの危機状況に陥る原発施設そのものが、見通しが甘く軟弱すぎたことを証明しているのではないかの。不出馬を翻した石原都知事の「天罰」発言が顰蹙を買ったが、厳密に言えば、科学と文明の力とやらを盲信してきた原発関係者たちにこそ「天罰」が下ったというべきだったのではないか。

 しかし、起こったことは仕方がない。この際、官邸も、東電も、保安院も、原発御用学者も福島第一原発の近くに緊急対策本部を設置し、むろん被ばく覚悟で総力を上げて陣頭指揮を執り、核爆発阻止にむけてすべての英知を結集すべきである。時間の猶予などないのだ。わかっているのか、菅総理、枝野官房長官、東電社長、学者、メディアの幹部たちよ!

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