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無業期間が半年を越える若者に父親ができることは生活基盤の確保と挨拶だけなのか。

学校を中退したり、就職先が決まらないまま卒業する。働いていた職場を離職するなど、いまや特別なことではなくなっている。これまでは自己責任や自己選択の結果だと思われていたが、さまざまな調査結果によりどうも個人に問題を帰結するには無理のある事例がさまざまなメディアを通じて伝わってくる。

NPO法人育て上げネット では、昨日(2014年3月331日)、「ひきこもり、矯正施設退所者等みずから支援に繋がりにくい当事者の効果的な発見・誘導に関する調査研究 」を公開した。

アンケート手法を活用した部分では、若年無業者749名(配布数1814部、回収率41.3%)、若年無業者の保護者289名(配布数886部、回収率32.6%)から回答をいただいた。そのなかで今回は、無業となってから6ヶ月以上経過した若者に、父親、母親それぞれの関わりに対してどのように感じたのかについて聞いた。

自宅でこもりがちな生活をしているにせよ、夕方に外出をして明け方に帰って来るにせよ、わが子(若者)を心配する保護者は何かできることはないかと心を痛めながら模索する。その保護者に対して「こうした方がよい」と助言するカウンセラーやコンサルタントもいる。

※育て上げネットにも保護者向けの支援事業 がある。

もちろん、100家族あれば100通りの事情があり、100の助言があるだろうが、支援者(カウンセラー、コンサルタントなど)から保護者に伝えられる「助言」に対して、実際に当事者である若者がどう感じていたのかまで確認することは難しいのではないか。しかしながら、一定程度のデータを集めることで、若者にとっての保護者の関わりについて、それが前向きになるものだったのかどうかの示唆を得ることはできるだろう。

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【図】6ヶ月以上無業期間がある若者が父母の関わりに感じたこと。

上図を見ていただいてまず気がつくことは、どの項目に対しても、父親の関わりについて「よかった」との回答が少ないことだ。そもそも関わり項目として「していない」が大半を占める項目もあるが、すべての項目において行った場合、父親よりも母親が行った方がポジティブであり、全体を通じて父親の関わりが肯定的に捉えられるのは「生活基盤の確保」への感謝と、「挨拶などの声かけ」のみに留まっている。

保護者支援において、母親が最前線に立ってわが子(若者)と接するべきであり、父親が前面に出てこないほうがよいというのは業界ではスタンダードな見解だったが、今回の調査ではそれが裏付けられる結果になった。

確かに、母親と比較すれば父親が率先して子供と向き合うことを勧められる結果ではないが、それは父親が役に立たないわけではない。父親の役割とは、母親(妻)と兄弟姉妹と丁寧に接することである。後方支援とも言える。生活基盤の確保や挨拶なども、直接的に関わるというよりは、少し引いた状況から環境的な関わりをしていくものに近いかもしれない。

このデータから興味深かったのは、母親から買い物なり掃除、修繕を依頼されることは非常に「よかった」の割合が高い。これは現場でもよく耳にするエピソードであり、東洋大学の小島貴子先生も「お願いをすること」の価値を説かれている。必要とされる、頼りにされることは、無業の若者に関わらず、誰にとっても自己肯定感の高まりに通じるものだ。ただし、これを父親が行うと40ポイント以上も「よかった」が低下する。生育歴における関係性の蓄積なのか、生物学的な何かなのかまではわからないが、普段、わが子(若者)とコミュニケーションをとっていない、関係性がよくない父親が突然「俺に任せろ」と勇んでも、あまりポジティブな結果にはなりづらいようだ。

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