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政治の資源を無駄遣いせず震災復興と原発事故対策に全力を

〔以下の論攷は、八王子革新懇『革新懇話会』3月25日付に掲載されたものです。〕

 あれから3年が経ったことになります。3月11日のNHKニュースに名取市の閖上地区が映りました。社のある小高い丘の上には、震災1年後の春に私も行ったことがあります。テレビの映像では、未だに周辺は更地のままでした。
 3年前の3月11日、日本は未曾有の大災害に見舞われました。しかも、その大災害は一つではありませんでした。東日本大震災という巨大な地震だけでなく、それに伴って発生した大津波という自然災害がありました。これに、福島第1原発事故という人災が加わりました。
 地震や津波は、日本という国土の成り立ちからすれば避けられない天災です。しかし、原子力発電所が引き起こした災害は、歴代内閣が原発を建設してこなければ避けられたものであり、明確な人災です。

 このような天災と人災の複合によって生じたのが東日本大震災でした。これによる犠牲者は警察庁の10日現在のまとめで、死者1万5884人、行方不明者2633人の計1万8517人に上ります。
 避難生活での体調悪化や自殺などで亡くなった「震災関連死」は、福島、宮城、岩手3県のまとめで1年前より438人増の2993人に上っています。避難生活を強いられている人は現在でもなお約26万7000人で、仮設住宅には約10万4000世帯が暮らしているそうです。福島第1原発の事故のために、福島県では今も13万人超が避難生活を余儀なくされています。原発がなければ、これほどの大規模な避難は必要とされなかったでしょう。
 安倍首相は政府の復興対策に関して、「遅れた復興が大きく動きだした1年になった」と述べました。しかし、大震災からの復旧・復興は道半ばというよりも、遅々として進んでいないというべきです。
 今日の『朝日新聞』には、「復興住宅 入居1%のみ」という記事が出ていました。『産経新聞』ですら、「東日本大震災で住まいをなくし、自力で家を再建するのが難しい住民向けの賃貸住宅「災害公営住宅」について、岩手、宮城、福島の被災3県の沿岸自治体で、平成30年までに計2万3552戸の建設が計画されているものの、今年3月末時点で完成するのは全体の9.1%、2144戸にとどまる」と報じています。
 原発事故も収束にはほど遠く、事故の原因は未だに不明で高濃度汚染水のタンクからの漏出が続いています。昨年4月には貯水槽から100トンを超える汚染水が漏れ出していることが見つかりました。8月にもタンクからの約300トンの漏水が判明し、原子力規制委員会は深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)を「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げると発表しています。この事態に政府は470億円を投入して対策を進めざるを得なくなりましたが、それにもかかわらず安倍首相は、東京オリンピックの招致にあたって「汚染水はブロックされ、状況はコントロールされている」とプレゼンテーションを行いました。

 どうして、これほど東日本大震災への対策が遅れているのか、と怒りを覚えます。「遅れた復興が大きく動きだした」などというのも、汚染水が完全にコントロールされているというのも、どちらも真っ赤な嘘ではありませんか。政府は一体何をやっているのでしょう。真剣に災害復旧・復興に取り組み、原発事故対策に全力を挙げていると言えるでしょうか。
 このようなときに、国土強靱化を掲げた大型公共事業やオリンピック準備のための建設工事で復旧・復興の足を引っ張るべきではありません。周辺諸国と協調し支援を仰ぐべき時に、いらざる摩擦を生み緊張感を掻き立てるようなことをするべきではないでしょう。
 国民の団結を強め、震災復旧や原発事故対策に全力を注ぐべきときに、秘密保護法案などの「安倍色」の強い対立法案を出して国会審議を混乱させ、時間を空費させるなどもってのほかです。
 安倍首相は取り組むべき課題の優先順位を完全に誤っています。今の日本には、余計なことに政治のエネルギーや時間、お金を割いている余裕はありません。東日本大震災3年に当たって、政治の資源を無駄遣いせず、震災復興と原発事故対策に全ての力を注ぎ尽くすことを、改めて強く求めたいと思います。

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