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大阪駅ビル内での無差別撮影――顔認証・歩行認証実験は延期に

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「誰が・いま・どこを移動しているか」の追跡に反対する共同代表ら。(提供/川上洋一)

 通行者を無差別に撮影し、顔画像と歩行の特徴をデータ化しIDをつけ自動的に追跡する実験が、大阪で進められようとしている。

 独立行政法人・情報通信研究機構は昨年11月25日、「人の流れを把握して、防災に活用する」との目的を掲げ、JR大阪駅を中心とした駅ビル「大阪ステーションシティ」に約90台の高性能カメラを設置し、4月から「実証実験」を行なうと発表した。実験で得た個人情報を数値化し、JR西日本に提供するという。

 これに対し、「監視社会を拒否する会」は3月5日、「顔認証実験」の中止を同機構に要請した。同日開かれた記者会見には、共同代表の田島泰彦上智大学教授、村井敏邦大阪学院大学大学院教授、伊藤成彦中央大学名誉教授らが出席。今回の実験は、「何人も、その承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」ことを明示した最高裁判決(1969年)に真っ向から反し、とくに市民を追跡し行動を把握する行為は憲法13条で保障されているプライバシーの権利(自己情報コントロール権)への重大な侵害であり、断じて許されないと表明した。

 さらに、同機構を所管する総務省に実験中止命令を、実験場所を提供するJR西日本と大阪ターミナルビル会社に実験協力中止を、それぞれ要請したと発表した。

 一方、『毎日新聞』(2月27日付大阪版)で、警視庁をはじめ5都県警が可搬型の顔認証装置を秘密裏に運用していることが報道された。これをふまえれば、今回の顔認証システムは、実験後、公共空間に導入・運用される現実性をもったものと考えられる。国民の一挙手一投足を把握する“国民監視”の強化にほかならない。

 反対が相次いだためか、会見翌日の6日、同機構の4月からの実験延期が報じられた。しかし、カメラ約90台はすでに設置済み。今後も動向を注視する必要がある。

(川上洋一・監視社会を拒否する会、3月14日号)

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