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- 2014年03月20日 23:59
覚せい剤乱用者は増えているのか|薬物情勢の報告書1
警察庁から「平成25年の薬物・銃器情勢」が発表されました(下記参照①)。
今年の話題は、覚せい剤の押収量の大幅な増加で、2013年中に全国の警察が押収した覚せい剤は約832キロ、前年(約349キロ)と比べ2.4倍に達したと、ニュースは伝えています。
<ニュースから>*****
そういえば、2月中旬に発表された税関の年度報告書でも、覚せい剤密輸摘発によって押収された覚せい剤が、13年ぶりの高水準に達したと報告されていました(下記参照②)。
たしかに、日本に流入する覚せい剤は増加傾向にあるようで、ここ数年、末端での密売価格が低下しているのも、末端での流通量増加を裏付けています。
ところが、検挙者データをみる限り、覚せい剤乱用者の増加を示す兆候は、見当たりません。覚せい剤事犯の検挙者数は、2013年でも引き続き減少し続け、また、検挙者の高齢化もさらに進んでいます。
密売市場には豊富な覚せい剤が流れ、価格も下がっている。いっぽう、覚せい剤検挙者は減少し続けている・・・。どうにも理解しがたいデータを前に、私はいま、大きな戸惑いを感じています。
●検挙者データは、乱用者の減少トレンドを示している
「平成25年の薬物・銃器情勢」には、覚せい剤事犯検挙者に関する詳しいデータが掲載されていますが、そのうち、検挙者の年齢層や、初犯者の比率は、乱用者層の変化を把握するために、とくに重要です。
近年では、検挙者中の、青少年の占める比率が急速に減少し、また、初犯者の割合も減少しています。これは、新たに覚せい剤乱用に手を染める人が減り、同じ人が繰り返し逮捕されていることを示しており、乱用者は減少傾向にあると考えられるのです。2013年の統計でも、この傾向は変わりなく続いています。
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↑覚せい剤事犯検挙者の年齢構成
各年度の「薬物・銃器情勢」のデータに基づいて私がグラフ化したもの
覚せい剤乱用者が急増していた1997(平成9)年と、今回発表された2013(平成25)年の数字を比べてみると、
■1997年では、検挙者の半数(50%)が10代から20代の青少年
■2013年では、検挙者の過半数(52%)が40歳以上の中高年
と、実に対照的な結果になっています。
検挙者の減少、そして高齢化いていく覚せい剤乱用者・・・そこから見えてくるのは覚せい剤乱用マーケットの縮小トレンドです。
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縮小するマーケットと、過剰なほどの覚せい剤供給、この2つを結びつける回答が見えてくるまで、もうしばらく、私は日本の覚せい剤マーケットにこだわり続けるつもりです。
[参照]
①警察庁の発表(2014年3月20日)
警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課編『平成25年の薬物・銃器情勢(確定値)』
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h25_yakujyuu_jousei.pdf
②財務省の発表(2014年2月18日)
■平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2013/index.htm
今年の話題は、覚せい剤の押収量の大幅な増加で、2013年中に全国の警察が押収した覚せい剤は約832キロ、前年(約349キロ)と比べ2.4倍に達したと、ニュースは伝えています。
<ニュースから>*****
●覚せい剤、押収量2.4倍=過去3番目の832キロ-「高値の日本が標的」・警察庁*****
警察庁は20日、2013年に全国の警察が押収した覚せい剤は約832キロで、前年の2.4倍に増えたと発表した。統計の残る1956年以降で3番目に多く、13年ぶりに500キロを超えた。
飛行機などで荷物や衣服に隠して密輸する「運び屋」からの押収が過去最多となったほか、コンテナ船を使った大量の密輸入事件が摘発され、総量を押し上げた。同庁は「末端価格の高い日本が狙われている」と警戒を強めている。
時事通信(時事ドットコム)2014/03/20-10:17
そういえば、2月中旬に発表された税関の年度報告書でも、覚せい剤密輸摘発によって押収された覚せい剤が、13年ぶりの高水準に達したと報告されていました(下記参照②)。
たしかに、日本に流入する覚せい剤は増加傾向にあるようで、ここ数年、末端での密売価格が低下しているのも、末端での流通量増加を裏付けています。
ところが、検挙者データをみる限り、覚せい剤乱用者の増加を示す兆候は、見当たりません。覚せい剤事犯の検挙者数は、2013年でも引き続き減少し続け、また、検挙者の高齢化もさらに進んでいます。
密売市場には豊富な覚せい剤が流れ、価格も下がっている。いっぽう、覚せい剤検挙者は減少し続けている・・・。どうにも理解しがたいデータを前に、私はいま、大きな戸惑いを感じています。
●検挙者データは、乱用者の減少トレンドを示している
「平成25年の薬物・銃器情勢」には、覚せい剤事犯検挙者に関する詳しいデータが掲載されていますが、そのうち、検挙者の年齢層や、初犯者の比率は、乱用者層の変化を把握するために、とくに重要です。
近年では、検挙者中の、青少年の占める比率が急速に減少し、また、初犯者の割合も減少しています。これは、新たに覚せい剤乱用に手を染める人が減り、同じ人が繰り返し逮捕されていることを示しており、乱用者は減少傾向にあると考えられるのです。2013年の統計でも、この傾向は変わりなく続いています。
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↑覚せい剤事犯検挙者の年齢構成
各年度の「薬物・銃器情勢」のデータに基づいて私がグラフ化したもの
覚せい剤乱用者が急増していた1997(平成9)年と、今回発表された2013(平成25)年の数字を比べてみると、
■1997年では、検挙者の半数(50%)が10代から20代の青少年
■2013年では、検挙者の過半数(52%)が40歳以上の中高年
と、実に対照的な結果になっています。
検挙者の減少、そして高齢化いていく覚せい剤乱用者・・・そこから見えてくるのは覚せい剤乱用マーケットの縮小トレンドです。
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縮小するマーケットと、過剰なほどの覚せい剤供給、この2つを結びつける回答が見えてくるまで、もうしばらく、私は日本の覚せい剤マーケットにこだわり続けるつもりです。
[参照]
①警察庁の発表(2014年3月20日)
警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課編『平成25年の薬物・銃器情勢(確定値)』
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h25_yakujyuu_jousei.pdf
②財務省の発表(2014年2月18日)
■平成25年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2013/index.htm



