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コストとリスクと、責任まで負わされる日本の母親たち

A:質が良くて、リスクは少ない。なおかつ、値段は安い。
B:質が悪くて、リスクも高い。なのに、値段は高い。


こんな2つの商品が流通している業界があったら、皆さんどう思います?

「Bなんて売れるわけじゃん!誰が買うんだよ、バッカでー(笑)」と思うのではないでしょうか?

でも、そんな状態の業界が実際にあります。

そう、日本の保育業界です。



リンク先を見る

一昨日、ベビーシッターに預けた二歳児が亡くなるという痛ましい事件が発生しました。この背景についてはフローレンスの駒崎さんが以下で詳細に解説しておりますので、ぜひご一読ください。


政府による税投入がない
→企業ベビーシッターサービスが高くなる
→個人シッター等が(質を犠牲にして)低価格を売りに広がる
→子どもの命を失うリスクが高まる
(記事中より)

冒頭の話に戻りまして、少し本件とは論点がズレる部分もあるかもしれませんが、日本の保育のゆがみはその制度設計(税投入のされ方)にあります。

日本の保育政策はもっぱら施設(認可保育所)をつくることのみに集中してきました。

認可の保育所には広い園庭も、十分な数の保育士もいます。

これに希望者全員が入れるなら、とても良いことです。

ところが現実的にはそうではなく、やむなく認可外の保育施設に入ったり、ベビーシッターなどを頼む方もいます。そしてこうした保育インフラは、一般的には認可保育所に比べて設備や人員面で見劣りします。

そして…認可保育所に入れるかを決めるのは、行政側の恣意的な判断

こうして同じ自治体に暮らし、同じように納税しているのに、

・質がよく、安全で保育料も安いインフラを利用できる方
・質が劣り、(比較的)安全面が不安で保育料が高いインフラを利用せざる得ない方


という具合に二極化することになります。

これって、おかしくないですか?普通は逆なんです。

良いものは高く、悪いものはそのぶん安い。こういった市場原理がまったく働かず、運よく認可に入れた人のみが受益を享受しているのが日本の保育福祉の現状です。

また、駒崎さんも記事中で指摘されているように、保護者のライフスタイルによって既存の認可保育所の枠内で保育できない児童については、そもそも対象外になります。

結局、認可保育所の抽選に漏れた、もしくは最初から条件的に利用することができない母親(保護者)は、高いコストやリスクを負うことになり、今回のような事件が起これば責任まで追及されるのです。

参考:田中ゆうたろう(杉並区議会議員)ブログ
http://blog.tanakayutaro.net/article/90738994.html

>語弊を恐れず、あえて心を鬼にして言いたいのです。
>預ける相手もろくに知らずに、預けてしまう。しかも、3日間も。
>この母親に、非はなかったのでしょうか。



私はこのような現状を受益と負担、公平性の観点からも望ましくないものだと考えます。

そして、このような状況を改善することこそ、政治家の責務です。

財源を捻出して、これまで公的補助の対象外だったシッターのような制度にまで追加で支援の手を回せるのがベストですが、既存の「事業者助成」という在り方自体を見直して、全面的な利用者助成(保育バウチャー)に切り替えるというのも一つの考え方です。

参考:日本は子育て貧困国!子育て支援政策をフランス流へ
http://otokitashun.com/agenda/p01/

この利用者助成への転換は、利用者側が自己決定の責任を負う側面があるものの、少なくとも今のように一部の人々がリスクもコストも責任もすべてを負うよりは、よっぽど健全で公平なものだと私は考えています。

ただ繰り返しになりますが、諸外国並みに将来世代への投資額が確保されて、今の保育政策に追加の支援を行う財源が生み出せれば、それ以上のことはありません。

少なくともいま政治家のやるべきことは、シッター制度や母親に責任を求めることではないはずです。

また安易にシッター制度に規制を設けることでもありえないと、私は思います。

国会議員、区市町村議員のあらゆるレイヤーと連携し、こうした痛ましい事件を極力生み出さない、公平な制度設計ができるよう引き続き全力で努力して参ります。



長くなりましたが、本日はこんなところで。

充実した三連休をお過ごしください。

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