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「レンタル→購入」のしくみが好評な一眼レフカメラのECサイト「Lumoid」

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最近のスマートフォンのカメラ機能はすごい。最新のiPhone 5Sは画素数が800万画素もあり、撮った写真を印刷してもコンパクトデジカメと遜色ない仕上がりだ。コンパクトデジカメに電話機能がついているのではないかと思うほどだ。

ではカメラ市場は衰退しているのかといえばそうではなく、一眼レフカメラの人気は根強い。

デジタル化によって手ぶれ補正や動画などの機能の搭載も可能になり、コンパクトカメラでは撮れない本格的な写真が撮れるのが人気の理由だ。最近ではコンパクト化されたミラーレス一眼カメラも登場し、競争は激化しているという。

とはいえ、デジタル一眼は気軽に買える値段ではない。安いものでも8万円くらいから、レンズと併せて購入すると15万円ほどが相場だ。またレンズも望遠や単焦点など色々な種類があり、そろえようと思うと相当な金額になる。

高額な買い物なので実際に写真を撮ってみてから購入したいところだが、残念ながら現状ではオンラインで情報を集め店頭で実機を少し触ってみるくらいしかできない。

そんなカメラ愛好家にとって、なんとも素晴らしいサイトが米国に誕生し注目を集めている。カメラや関連機材をレンタルできるサービス「Lumoid」だ。

2013年5月のロンチからまだ1年弱だが、すでにfacebookのファンは1万3000人を超えている。ロンチから2ヶ月の時点で、サイトのコンバージョン率は30%を越え、5000人のウェイティングリストができているというデータからも、人気のほどが伺える。

趣味のカメラが高じてアイディアを着想

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Lumoidの創業者はAarthi Ramamurthy(以下ラママーシー)氏。「最も著名な女性起業家の1人」といわれる彼女は、Microsoft、Netflixでエンジニアとして活躍した他、当ブログでも紹介した「True&Co」の創設者の1人でもある。

True&Coを退職したあと、駐在起業家としてベンチャーキャピタルの「Battery Ventures」に在籍していたラママーシー氏は、忙しい毎日のかたわら、趣味のカメラを楽しんでいた。

アマチュア写真家として愛機のキヤノンでマクロ写真や米国西海岸沿岸の風景を撮ることが何よりの楽しだという彼女。写真好きが高じて、写真を加工するBubblegumというアプリをスマートフォンアプリエンジニアである夫のSriram Krishnan氏と共に開発したこともあるほどだ。

趣味にハマりだすと、どんどんアップグレードしたくなるのが人情と言うものだ。ラママーシー氏にも「新しいレンズを試したい」「今使っているキヤノンもいいが、ニコンのカメラも試してみたい」という欲求が次々と生まれてきた。

だが冒頭で述べた通り、カメラは安い買い物ではない。欲しいものをすべて揃えていたら相当な投資になるし、そもそも欲しいと思っているものが自分のニーズには合っていない可能性もあることを考えると、難しい買い物だ。

ラママーシー氏はなんとかカメラや機材を購入する前に試すことができないか考えたが、そういうサービスは見つけられなかった。「だったら自分でやってみよう」そう思い立ったことが、Lumoid創業につながったのだ。

レンタルだけでなく購入も可能

Lumoidでは、カメラ本体をはじめ、それに付随するレンズ、三脚やフラッシュなどのアクセサリをレンタルできる。それぞれ単体でレンタルすることも可能だし、カメラとレンズがセットになったキットとして借りることも可能だ。

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また、自分の用途に相応しいカメラを見つけることもできる。例えば「Wedding」というカテゴリを選ぶと結婚式に適したカメラやレンズが表示され、キュレーションのような役割を果たしているのだ。用途別のキットもあり、あまりカメラに詳しくない人には頼もしい。

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カメラのレンタル料金は1日8ドル(約800円)から28ドル(約2800円)だ。原則として3日以上のレンタルを受け付けており、10日以上レンタルする場合は30%の割引が適用される。

また、高額な商品をレンタルすることになるので保険をかけることもできる(カメラとレンズのみ)。保険額は商品によって異なるが、9ドル(約900円)から22ドル(約2200円)でレンタルする日数すべてがカバーされる。

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上記のカメラNikon D-800 FXの値段を調べてみると、定価は3000ドル(約30万円)、Amazonでは約2800ドル(約28万円)という価格がついていた。これを一日22ドルで試せるというのは悪くない価格設定だ。

また、同サイトではレンタルするたび料金の30%が「Lumoid Credit」として加算される。このクレジットはレンタルで試用してみて気に入ったカメラやレンズを購入する際に利用できるものだ。

基本的にレンタル品のみを扱っているため、購入できる製品は新品ではなく、クレジットを翌年に持ち込むことはできない制限もあるものの、レンタル歴が製品購入時の割引として加算されるのは、さまざまな製品を試したいユーザーにとって大きな魅力だろう。なお、購入価格は商品のコンディションによって変化するようだ。

レンタルして気に入ったものが安く買えるというシステムが弱点をカバー

Lumoidのサイトを見ていて唯一残念な点は、種類が少ないことだ。大手のキヤノンとニコンのものがほとんどで、それ以外のメーカーの製品が少なく、カメラ12点、レンズ29点と品揃えそのものも少し物足りない。

サイト上のよくある質問には「サイトに掲載されていない商品についてはお問い合わせください」と書かれていた。ロンチからまだ日が浅いことを考慮し、ユーザーが求めている商品を今後増やしていく過渡期と、肯定的に捉えたいところではある。

現在、多いとは言えない商品数でもサイトが人気を保っているのは、顧客がさまざまな製品をレンタルするほど、気に入った製品を安く購入できるしくみがあるためだろう。同サイトは「レンタルがかさんだとしても、その分購入時には割引される」という付加価値をつけることに成功している。

この方法はカメラだけでなく、他の商品にも適用できると思う。ユーザー側としても、購入前にお試しをしたものが、割安で購入できるとなれば、利用する価値は高い。

顧客が購入前に入念なチェックをしたいと思っているような高額商品にはよくフィットしそうだ。試してみてはいかがだろうか?

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