- 2014年03月19日 07:30
LGBT就活――20人に1人の就活生の現状 - 藥師実芳
3/3今日からできる、取り組みを考える
LGBTの元就活生の3人の声を掲載させて頂きました。
セクシュアリティは目に見えないため、「会ったことがない」と感じたあなたも、きっとどこかでLGBTの就活生に出会っているのではないかと思います。
就活生の20人に1人はLGBTもいるため、困る点や求められる対応はひとりひとり違いますが、セクシュアリティを理由にLGBT就活生が就活を不安に思う現状を緩和するため、今日からあなたにできることがあります。
■企業など職場ができる取り組み<まずは……>
●LGBTの就活生がいることを念頭において、就活生に接してください。
決して「特別扱いをしてください」という意味ではなく、セクシュアリティが障壁になり力を発揮できない現状を緩和して頂きたいと願っています。
<できること……>
●もし御社がダイバーシティーを重視している場合、また性的指向で差別をしない場合、是非社内の倫理規定にそのことを明記してください。
●LGBTの就活生も分け隔てなく採用するという方針がある場合は、御社ホームページや説明会、SNSなどでそのことを発信をしてください。
●人事の方や、面接・採用に関わる方に、LGBTの研修をしてください。それが難しい場合は、この記事を配布してください。
●企業の中には、LGBT就活生に向けた就活説明会を実施しているところもあります。また、社内でLGBTグループを持つ企業もあります。是非参考にしてください。
→先進企業事例(特定非営利活動法人虹色ダイバーシティHPより):http://www.nijiirodiversity.jp/先進企業事例/
■キャリアセンターやハローワークなど、就活支援機関ができる取り組み<まずは……>
●LGBTの就活生がいることを念頭において、就活生に接してください。
決して「特別扱いをしてください」という意味ではなく、セクシュアリティが障壁になり力を発揮できない現状を緩和して頂きたいと願っています。
<できること……>
●職員やカウンセラーなどに、LGBTの研修をしてください。それが難しい場合は、この記事を配布してください。
●LGBTの就活生も相談できる場所であることを、発信してください。SNSやポスター、イベント実施などその方法は様々です。
●LGBTの人の開示可能な就活事例がある場合は、開示してください。LGBTの就活生は事例を知ることが難しいため、とても有益な情報になります。
●LGBTの就活生からの相談がありましたら、LGBTの就活支援を行う団体を紹介することも一つの方法です。
■教育機関ができる取り組み<まずは……>
●LGBTの子どもがクラスにいることを念頭において、子どもに接してください。
決して「特別扱いをしてください」という意味ではなく、セクシュアリティが障壁になり力を発揮できない現状を緩和して頂きたいと願っています。
同性愛・両性愛男性の自殺未遂率は異性愛男性の6倍と言われており、ハイリスク層として内閣府による自殺総合対策大綱にもその懸念が示されています。自殺企図率の第1ピークは中学〜高校時と言われています。また、教育過程で同性愛について正しい知識を提供されなかった人は90.9%にものぼります。
<できること……>●LGBTであってもなくても自分らしくいられるクラス作り
「男らしくしなさい」「女の子なんだから」と性別規範を押し付けたり、「ホモネタ」などで笑うクラスは、LGBTの子どもであってもそうでなくても、自分らしくあれないことが懸念されます。そのような発言を先生自身がしないように、また子どもからそのような発言があった場合は注意できる先生であってください。
●教職員にLGBTの研修を実施してください。教職員用の研修DVDなども販売されています。
※早稲田大学金井研究室制作「先生にできること~LGBTの教え子たちと向き合うために~」
●LGBTについての正しい知識を学習の中で伝えてください。
授業の中でLGBTを取り上げたり、LGBTのニュースを学級新聞に載せたり、学級文庫にLGBTの書籍を置いたり、LGBTの講師を呼んだりなどその方法は様々です。幼い時期から、LGBTについての正しい知識を伝え、教職員に相談できる環境づくりを心がけてください。
●LGBTの子どもを包括したキャリア教育を行ってください。
キャリア教育や人生設計の単元の中で、結婚・子育てが前提となっている場合も少なくありません。また、「男性は大黒柱になるのだから」などジェンダー規範が生じている場合も少なくありません。LGBTの子どもそうでない子どもも自分らしいはたらき方や生き方を考えるきっかけとなるような、多様な選択肢が見えるキャリア教育をしていただけましたら幸いです。
■大人のあなたができる取り組み<まずは……>
あなたの同僚、今年入ってきた新入社員、友人や家族の中にLGBTがいることを知っていてください。そのため、「まだ彼女ができないのか」「そろそろ結婚しないと」「女の子なんだから」などの何気ない会話や指摘の中にしんどさを覚える人が居る可能性を知っていてください。
<できること……>●職場でLGBTの人もいることを前提とした環境作りを心がけてください。
厚生労働省は、異性間だけでなく同性間の言動も職場のセクハラに該当することを盛り込んだ男女雇用機会均等法の改正指針を公布し、2014年7月1日に施行されます。
上記の様な恋愛や性別に関わる言動、ホモネタ、性的なからかいやうわさ話をする行為は同性間であってもセクハラに該当することを意識してください。
■LGBT就活生、かつてLGBT就活生であったあなたができる取り組み●あなたの体験談を聞かせてください。
「誰もが誰かのロールモデルである」と僕は信じています。しかし、LGBTの就活生は未だロールモデルを見つけることが難しい現状は拭いきれません。もしあなたがLGBTの就活生・元就活生の場合、以下より、あなたの就活体験記をお寄せください。LGBT就活のHP(現在準備中)にて公開させていただきます。
LGBTの社会人の方:http://my.formman.com/form/pc/8BPatHUazXn80Bs5/
LGBTの内定者の方:http://my.formman.com/form/pc/9r5kfk3ZCVEQglvb/
最後に
体験記を寄せてくれた3名の元LGBT就活生に心より感謝申し上げます。
また、本稿をお読みくださった全てのLGBT就活生も、LGBTでない就活生も、「自分らしいはたらく」へつながる就職活動ができるよう、願っています。
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藥師実芳(やくし・みか)
特定非営利活動法人ReBit代表理事
特定非営利活動法人ReBit代表理事。中高大学教育委員会などで約100回、10000人以上にLGBTに関する出張授業を行うと共に、「LGBT成人式」を全国7カ所で開催。LGBTの若者の就活支援を行う「LGBT就活」共同代表。LGBT Youth Japan第一期スタッフ。
特定非営利活動法人ReBit(りびっと)
ReBitはLGBTを含めた全ての子どもがありのままの自分でオトナになれる社会を目指し、2009年12月に発足。大学生を中心とした若者世代約200名とともに、小学校〜大学/教育委員会などの教育機関や企業に対してLGBTの出張授業・研修を全国で約100回、1万人以上に向け実施。2011年度より、世田谷区・世田谷区教育委員会の後援のもと、全国7カ所でイベント「LGBT成人式」を実施。2013年度よりLGBTの就活生支援事業である「LGBT就活」を実施。企業と提携したセミナーなどを開催している。2014年夏、合同出版より教職員向けLGBT入門書発売予定。FaceBook:https://ja-jp.facebook.com/Re.Bit.LGBT 連絡先:rebitlgbt@hotmail.co.jp ※研修・出張授業のご依頼、本記事に関するご感想など、お気軽にご連絡ください。



