- 2014年03月17日 11:05
NHKが「佐村河内」報告書で明らかにした”見破る難しさ” 民放も報告書を出すべきだ
1/43月16日、NHKは公式ホームページに以下の文章を掲げた。
これまでNHKは、佐村河内守氏をとりあげた番組やニュースを放送してきましたが、本人が作曲していなかったことや、全聾ではなかったことに気づくことができませんでした。 視聴者のみなさまや、番組の取材でご協力いただいた方々に、改めてお詫びいたします。 なぜ、こうした事態を防げなかったのか、調査の結果をご報告いたします。
出典:NHKホームページ
このページにリンクするホームページで10ページにおよぶ報告書を読むことができる。
NHKが内部での聞き取り調査の結果を視聴者にも検証可能な形で公開したことは評価したい。
長くなるが大事な報告書なので詳しく紹介したい。
報告書によると、NHKが佐村河内氏を取り上げたものは「情報LIVEただイマ!」「あさイチ」「NHKスペシャル」「ニュースウォッチ9」など9つの放送だ。
「佐村河内氏関連番組・調査報告書」と題されたNHKの報告書。
それは以下の文章で始まる。
全聾の作曲家として知られていた佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏について、NHKはこれまで、「NHKスペシャル」などの番組やニュースで取り上げてきた。 しかし、本人が作曲していないことや、全聾ではなかったことに気づくことができなかった。 なぜこうした事態を防げなかったのか。 NHKは、再発防止の観点から、調査チームを設け、佐村河内氏を最初に取り上げた「情報LIVEただイマ!」と、「NHKス ペシャル」について、提案から放送に至るまでの経緯を調査した。調査では、制作にあたったディレクターやプロデューサー、カメラマンなどのほか、佐村河内氏や外部の関係者からも聞き取りを行った。また、当時の取材メモなどの資料も調べた。
出典:NHKホームページ
NHKが最初に疑惑をつかんで佐村河内氏に面会し、真偽を確認したのはかなり早い段階だったことが分かる。
発覚の経緯 2月2日、佐村河内守氏に関して、疑惑を指摘する情報がNHKに寄せられ、事実確認の調査を始めた。 4日、佐村河内氏の自宅で本人に面会して質したところ、18年前から自分では作曲しておらず、桐朋学園大学非常勤講師・新垣隆氏に依頼していたことを認めた。翌5日朝の「おはよう日本」で放送することを決め、準備を進めていたところ、佐村河内氏は、5日未明、弁護士を通じて、別の人物に作曲させていたことを認める文書を報道機関にFAXで送付し、事実を公表した。
出典:NHKホームページ
視聴者からは、5日から12日までの1週間だけで、厳しい内容を中心に700件あまりの意見が寄せられた。ご出演、ご協力いただいた方々への対応NHKスペシャルで佐村河内氏との交流を描いた被災地の少女とそのご家族をはじめ、番組にご出演、ご協力をいただいた方々に、番組を制作した制作局生活・食料番組部の部長や番組責任者らが、直接お会いするなどして経緯を説明し、お詫びをした。
出典:NHKホームページ
なぜ佐村河内氏が「NHKスペシャル」で大々的に取り上げられることになったのか。
音楽界における国際的な評価や社会現象になったこと、視聴者からの反響が大きかったことをその理由に挙げている。
番組で取り上げるまでの経緯、および番組の概要 NHKが佐村河内氏を初めて取り上げた番組は、2012年11月9日放送の「情報LIVEただイマ!」である。佐村河内氏については、すでにこの時期までに、著名な作曲家や評論家がその音楽性を高く評価していたほか、米TIME誌が、“現代のベートーベン”と評するなど、国内外のメディアが取り上げ、「全聾の作曲家」として知られるようになっていた。 番組では、「交響曲第1番“HIROSHIMA”」が生まれた経緯や佐村河内氏の半生などを紹介した。 放送後、視聴者から大きな反響が寄せられたこともあり、「NHKスペシャル」で佐村河内氏を取り上げることとなった。 「交響曲第1番“HIROSHIMA”」が、東日本大震災の被災地で、勇気を与える曲として共感を呼び、CDの売上が7万枚に達する など、社会現象ともいえる状況になっていることを伝えるとともに、新曲「ピアノのためのレクイエム」の演奏会を被災地で開くまでを 描き、2013年3月31日に放送した。
出典:NHKホームページ
佐村河内氏の「物語」の増幅にはNHKのいくつもの番組が加担してしまった。
番組のチェック体制 NHKスペシャルでは、制作局、報道局などから各部局のプロデューサーや責任者などが集まり、3段階の提案会議を経て、提案が正式に採択される(「情報LIVEただイマ!」は、制作局内の3段階の提案会議で審議される)。 これらの会議では、番組内容の審議とともに、疑問点や課題が議論され、事実関係についてもチェックが行われる。 また、編集・試写の段階では、NHKスペシャル事務局や制作部局の部長らが集まり、その都度内容の チェックを行い、疑問点や課題を解決するしくみになっている。 この番組も、上記の審議とチェックを経て制作・放送された。 制作にあたっては、提案者である契約ディレクターに、職員ディレクターを加えて2名としたほか、制作を統括するプロデューサーも2 名とし、体制を強化した。
出典:NHKホームページ
民放と比べてもNHKでは企画の提案段階、編集段階ともにかなり高いハードルがある。
しかも提案者の「契約ディレクター」の他に「職員ディレクター」を加え、プロデューサーも2人体制にしている。
何か用心すべきことがあると判断した上での特別なことなのか。
それともNHKスペシャルでは普通のことなのかについて言及していない。
問題は、それほど鉄壁の守りをしたはずなのに、なぜ佐村河内氏のウソを見抜けなかったのかだ。



