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- 2014年03月17日 07:00
PTA会長は狂言師!──「イクメン」で「イキメン」な和泉元彌氏が挑む雰囲気のいいチーム運営の秘訣とは?
2/2雰囲気のいい「チーム」をいかにつくるか
画像を見るPTAの役員もひとつの「チーム」ですよね。雰囲気のいいチームをつくるために、前期よりも今期、元彌さんが気をつけていることってあるんですか?
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無理をする人が出ないように、みんながきちんと話し合える環境をつくりたいと思っています。PTAだけではないと思いますが、人が集まるとどうしても、言える人は言いたいことを言って、言えない人はじっと我慢するというようになりがちじゃないですか? 大きな人の声ばかりが通るというか。そうした不公平感が生じないよう、みんなに「これで大丈夫ですか?」としっかり聞くようにしています。その上での努力や苦労なら…。
「無理をしない」ことでいうと、これまでPTAの実行委員会には、「各委員会の長が必ず出なくてはダメ」となっていたのですが、それを「委員の誰かが出ればいい」というふうに変えました。そうすれば長の人にばかり負担がかからないし、長以外の人にも会議の様子がわかるようになりますから。
また今期は、期初にスローガンを決め方針や考え方をみんなで共有しました。行事から入っていってバタバタ仕事をこなすのではなく、まず「今期はこういう方針でやっていきましょう」とみんなで話し合った上で活動を開始しました。
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どんなスローガンですか?
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「チャレンジ、カスタマイズ、カラフル」です。頭文字をとって「3C」と呼んでいます。
1つめの「チャレンジ」。これについては先ほど、PTA活動では長く続いていることを変えていいのか判断が難しい、という話が出ましたが、それに関連することです。僕は伝統の世界に生きているので、伝統を受け継ぐことに抵抗はないのですが、でもPTA活動では変えたほうがいいのでは、と思うこともある。そういうことについて、受け継ぐことも変えることもチャレンジとして、一緒に考えていきましょうという意味です。
次が「カスタマイズ」。PTAのメンバーは毎年変わるので、それによってできることも変わってくる。その年で集まったメンバーで何ができるかを考え、自分たちに合った活動をしていこうと。
最後は「カラフル」。単なる手数として、自分の色を消してその場にいるのではなく、1人ひとりが個性を発揮しながら活動していきましょう、ということです。「親の介護があるのでこの時間は無理」といったことも1つの個性として尊重しあう。能力も環境も違う、色とりどりの人が集まっていることを活かしたい、という意味を込めています。
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こうした基本的な方針をみんなで共有し、スタートしたことが、雰囲気のいいチームをつくる上で役だったのですね。
PTAに会社員経験を活かす
画像を見る1年間、副会長として活動する中で、山田さんもいろいろな提案をしてくださいましたよね。
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僕はPTA活動をやったことがなかったので、最初は何もわからなくて。「何をしたらいいでしょうか?」とほかのお母さん方に聞く、御用聞きみたいなことから始めたんです。そのうちにやはり「これはちょっとどうなんだろう?」ということが出てきたので、そこからはいろいろ提案させてもらいました。
まず疑問を感じたのは、意志決定のプロセスですね。PTAの場合、企業のように議論を吸い上げて決めるべき人が決める、とはならず、どうしても多数決になるんですよ。その多数決も、「あのお母さんは経験が長いから、あの人のいうとおりにしておけばいいか」みたいな感じになってしまいがち。そうなると責任の所在がわかりづらくなるんですよ。その意味で、会長の役割や実行委員会のあり方について、もっと整理したほうがいいのではないか、と意見しました。
実行委員会にしても、単に活動報告をするだけになっていて、活動の中でどんな問題があるのかかが出てこない。報告の場でなく、困っていることを相談したり、議論したりする場にしたほうがいいのではと提案しました。あとは情報共有のあり方ですよね。「決めたことをなんでみんなに伝えないのか?」と思ったりもしたので、グループウエアを使って情報共有することを勧めました。
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山田さんにはグループウエアを早い段階で提案いただいていましたが、役員の中でもITに対する足並みは揃っていなかったので、すぐには導入しませんでした。しかし、年度末の引き継ぎの際に、「これまでの紙の書類や、ホワイトボードを手帳に書き写すといった方法よりも、Web上でプロセスも含めて共有するほうが便利ではないだろうか? 」ということに気がつきました。今期は、グループウエアを三役(会長・副会長・会計・書記)で使っています。特に書類はグループウエア上にアップするようにしたので、何かあったらすぐに見返せるようになりました。
山田さんのような一般の会社でバリバリ働いている方と接することで、僕自身、刺激を受けることがたくさんありましたね。
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少しでも役に立てたならとてもうれしいですね。
後編に続く
撮影:橋本直己、執筆:荒濱一、編集:渡辺清美
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