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「本格化する米国のギャップイヤー~タフツ大学は、50人ひとり年額300万円規模の奨学金とAPが報道」

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ギャップイヤーの目的は、"リーダー予備軍"である優秀な学生に、将来のキャリアに備えるため、実践的なフィールドで質のよい経験や実体験、修羅場を積ませること

 3月10日付当ブログで、名門タフツ大学(Tufts University)が来年から「タフツ1+4」という50人規模のギャップイヤー制度を導入するとお伝えした(http://japangap.jp/blog/2014/03/50.htm)。これは、米国の名門大学が、ギャップイヤーを高校卒業から大学入学前に1年取得するのを"推奨"するステージ(例:ハーバード大学やMIT)から一歩踏み出し、"制度"やプログラムとして自ら導入するステージ(プリンストン大学やタフツ大学)に上がってきたことを意味する(下図参照)。既報どおり、アイビーリーグのブラウン大学も現在ギャップイヤー制度を学内で検討している。

 英国や北欧のように、高校を卒業した若者が自発的にギャップイヤーを取ることが慣習として根付いていたら、社会もその認知・承認していて任意で取得できるため、敢えて制度やプログラムは必要ないが、社会の理解度という"遅れ"を取り戻すには、米国は大学が組織として関与しなければならないということなのだろう。換言すれば、それほど本格的な社会体験(ボランティアや課外留学、旅)や就業体験を意味するギャップイヤーは、リーダー人材育成に寄与すると観ているということなのだろうか。

 APが14日に配信した記事は、ニューヨークタイムスやTIME、NBCなどのシンジケートに乗り、どの掲載媒体も大きな反響を読んでいる。何せcomfort zone(ぬるま湯的日常空間)に挑戦して、価値観の違うコミュニティを探究したり、旅やボランティア、インターンをすると、支援する額が一人当たり年間300万円(=3万ドル)以上で、募集人数が50人規模(1.5億円)というから、すごい。国内外で、グローバル・シチズンやシティ・イヤーやリフトといった教育・経済・保健・環境団体に所属し、生活費や滞在費、航空運賃、ビザ取得まで、必要なら大学持ちというものだ(注1)。この原資は、企業等からの寄付も目論んでいるようだが、多額の奨学金が実現するなら、低額所帯層の学生には福音だ。大学としてのエリート集団への思い入れ、本気度が試される。


日本ではまだない「大学入学延期制度」があれば、自主的ギャップイヤーは進む!

 米国ギャップイヤー協会(AGA)によると、06年は3万2千人のギャップイヤー・プログラムの利用があったが、昨年には8千人増えて、4万人の大台を超えたという。また、同協会のサイトにある米国主要大学の入学事務局調査で「入学延期ができる(すなわち自主的なギャップイヤーが取得できる)大学」は、調査の157大学中、可能127大学、不明2、不可28だった。大学お抱えのギャップイヤー制度がなくても、大学が「入学延期制度」を導入したら、自発的なギャップイヤー取得が進む。米国の若者もギャップイヤーが本格化する条件は整ってきた。日本でも是非各大学は「入学延期制度」導入をしてほしい。画一的な受験上がりの学生から、多様な経験をした学生が増えて授業や修学が活性化する。

 懸念といえば、ギャップイヤーに賛成の立場を取っている公共政策・高等教育国立センターのパトリック・カラン会長(the National Center for Public Policy and Higher Education)が指摘するように、目標のない大学入学前の学生がギャップイヤーを取ると、大学教育に戻る気力を失うリスクがある。要はどう主体的なプランを構築したり、汎用性のあるプログラムを組み立てていくかの問題だろう。

 学内・教室内でしっかりと知識や学術の伝授や議論することと同様に、いかに"リーダー予備軍"である優秀な学生に、将来のキャリアに備えるため、実践的なフィールドで質のよい経験や実体験、修羅場を積ませるかというのも、大学の大きな役割になってきていると感じている。
 
(注1)原文は、
This "gap year" program launching this fall will pay for housing, airfare and even visa fees, which can often add up to $30,000 or more.


参考:主要な米国大学のギャップイヤー制度 ※4層構造は下図参照のことリンク先を見る


ギャップイヤーの4層構造
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