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防衛装備品移転ルールの明確化に向けて議論を開始

与党安保プロジェクトチームでの協議がスタート

12日に与党安全保障プロジェクトチームが開催され、昨年末に策定された「国家安全保障戦略」等に記述された、いわゆる「武器輸出三原則等」を見直して、防衛装備移転に関する新たな三原則の策定に向けての議論が開始しました。私は、同PTの座長代理をつとめています。わが国は、平和国家として、従来から防衛装備の移転についてはきわめて抑制的に対応してきており、その方針は今後とも変更することはありません。

実態を適切に表す用語に変更

今回名称の変更を検討しているのは、輸出許可の対象となる物品の大多数は、自衛隊が国際平和協力や国際緊急援助に使用する建設重機や安全用具であり、一般的な用法としての「武器」とは性格を異にするものです。実態を表すより適切な用語として「防衛装備」を使うこととしました。また、物品だけでなく、技術・役務提供もあることや無償で譲渡するケースも多いことから、「輸出」より「移転」の方が正確であると考えています。

装備移転はすべて外為法で個別審査

わが国の防衛装備の輸出(移転)に関する制度の最大の特長は、「外国為替及び外国貿易管理法」(外為法)に基づき、すべての防衛装備や転用の可能性の高い汎用品を海外に持出すには、経済産業大臣の許可が必要となっていることです。これは、諸外国に比べて最も厳しいルールとなっており、この法制度は今後とも継続されます。その許可の判断基準になるものが、「武器輸出三原則等」です。

度重なる例外化で混乱している基準を明確にすることが目的

現行の三原則は、昭和42年に佐藤総理が国会答弁で、①共産圏諸国、②国連で輸出が禁止されている国、③国際紛争の当事国向けの場合には輸出を認めないと述べたことが基本になっています。その後、昭和51年に三木総理が、上記3地域以外にも輸出は慎むと述べています。しかし、その後必要に応じて、官房長官談話を発表するなど21もの例外措置が講じられ、平成23年の藤村長官談話で包括的な例外化が行われています。このように事案ごとに例外措置をとってきたことから、基準が複雑で分かりにくいものになっています。今回は、国連憲章を順守する平和国家としての理念に基づき混乱している基準を整理するとともに、閣議決定して位置づけを明確にすることを目的にしています。具体的な内容は、これから内閣・与党で決定していきますが、一部報道にあるような“輸出制限の大幅緩和”とはまったく異なったものです。

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