photo: NYT
NYTがこの春、新しいベンチャーメディア「The Upshot」を始めます。コンセプトは「ナビゲーターとしてニュースを提供すること」。プロジェクトの中心となるDavid Leonhardt(デイビッド・レオンハルト)さんが、facebookでそのビジョンを説明しています。
2012年のアメリカ大統領選の勝敗を統計を使って予測し、50州すべての結果を的中させたことで話題になったNate Silver(ネイト・シルバー)さんがNYTを離れたことがきっかけ。「The Upshot」は、シルバーさんの人気ブログ「FiveThirtyEight」の穴を埋めるためにデータジャーナリズムを行っていきます。カバー領域は政治と経済。チームにはグラフィックを専門にする記者もいて、データをビジュアルを使って表現することにも力を入れていくそう。
あなたの隣にジャーナリストが座っていて、ニュースに関する質問が何でもできるところを想像してみてください。
レオンハルトさんは、新メディアの役割をこのように例えています。ちなみに「The Upshot」とは「要点」の意味。
The Upshotという名前の通り、私たちは会話を通して読者がニュースの本質を知り、理解することを助けます。
と、レオンハルトさん。まとめると「The Upshot」は、政治・経済に関する”データ+ビジュアル+解説型”のメディアということになりそうです。会話型(conversational)とも言っていますが、読者とどのようなコミュニケーションを行っていくのかも個人的に気になります。
次々と情報が流れてくる複雑な世の中で、ニュースがわからない、わかりやすく説明してほしい。そんな需要が増えているからでしょう。ニュースを解説するメディアが増えているように思います。
「Understand the news」がタグラインの、元ワシントンポストのEzra Klein(エズラ・クライン)さんによる新しいニュースサイト「Vox」も解説型のメディア。日本では「THE PAGE」が当てはまります。メディアではなく個人になりますが、池上彰さんが人気を得たのもこのような背景からだと思います。
僕自身ニュースがわからないことはよくあるので、このような解説型のメディアは増えていってほしいなと思いました。
(via Poynter., Quartz, facebook)