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「死刑廃止」に関するシンポジウムに参加して思うこと

本日は、死刑廃止を考える日弁連主催のシンポジウムに参加致しました。

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当方もご挨拶の時間を頂いたので、

・ 自分の価値観としては、将来的には死刑廃止を実現するべきと考えていること
・ 他方で、現時点では死刑存置の世論も強く、またその気持ちも理解できるため、そう簡単には話を進められないこと

を指摘した上で、

・ 日本の裁判員裁判で、最近裁判員が死刑と判断した事件を高裁で破棄し、無期へと変更する事例が相次いでいること
・ プロに任せれば死刑と判断しない事案について死刑判断を下してしまったという心理的呵責や裁判員への負担の重さを考えると、裁判員裁判における死刑判断の在り方は、やはり慎重に考えるべきではないか
・ 裁判員裁判制度を採用している日本だからこその問題点をまずはしっかりと明らかにしていきたい
という趣旨の挨拶をさせて頂きました。

ただ、実はもう一つ現場で言えなかったことで、本当は言いたかったことがあります。

ご存じの方は少ないかもしれません。
実は、日弁連は「死刑廃止」を主張していない、といっているにすぎません。
あくまで「死刑について考えよう」、というスタンスなのです。

確かに、死刑の有無についてはセンシティブな問題なのだから、それについて一方的な主張をすることはできないというのも分かります。分かるんです。

でも、そういうことなら、例えば記憶に新しいところですが、昨年の「特定秘密保護法案」に対して明確に反対したり等、高度な政治的事象に関して一方的な立場によって立つ意見を表明することは是非とも辞めてほしい。

死刑廃止ほどのセンシティビティがないという判断なのでしょうか。
日弁連は弁護士の集団で、政治には慣れていません。ましてや、弁護士なら全員加入しなければならない「強制加入団体」なのですから、政党がまさに正当性を主張しあっているような政治問題に首を突っ込みすぎるべきではありません。

むしろ、そんな政治問題に首を突っ込む余裕があるのであれば、死刑廃止といった法律家ならではの問題について、また世界で後れを取っているこの問題にしっかりと取り組んで、日弁連としての意見を表明した上で、何とか世論をリードして死刑廃止に持っていくぐらいの心意気を見せて欲しい、と言いたい。

今日のEUの公使の方のスピーチにありましたが、死刑廃止に至った国でも、死刑廃止論が強まったから死刑を廃止できたのではありません。
法律家が率先して、死刑廃止への道筋を作ったのです。

その意味で、日弁連の今後の活動には大いに期待しています。

挨拶の場でする話ではありませんが、一定の問題提起ができればと思って、ここに記した次第です。
様々な異論反論を頂くかもしれませんが、引き続き宜しくお願い致します。

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