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新しい生き方を目指す『ハウスワイフ2・0』の目新しくなさ

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仕事と家庭の両立負担が女性に重くのしかかる今の日本社会では、完璧な母親を目指そうとする「完璧主義な高学歴女子」ほど、両立に疲れ果て、結果的に専業主婦の「ゆとりある暮らし」を選ぶこともありえるからです。専業主婦だった自分の母親がそうしてくれたように[※ここ重要]、子どもの教育に専念することも可能ですしね。

もちろん、すべての高学歴女子は主婦になる!なんて言いたいわけではないです。ただ、女性の生き方が多様化し、専業主婦がひとつの選択肢に過ぎなくなったからこそ、あえてそれを選択する女性が出てきてもおかしくはない。あれ、このフレーズ『ハウスワイフ2.0』の解説文にもあったな。
「彼女たちは、自分で生き方を選択するハウスワイフ2・0なのだ」
高学歴・元キャリアウーマンの専業主婦たち。アメリカでは新しいのかもしれませんが*3、日本にいる自分からすれば、どこが新しいの?という気もします。ハーバードを出て、長く積んだキャリアをあっさり捨て、田舎暮らしを始め、自家製ジャムを作るような「高学歴ロハス主婦」は確かに先進的かもしれませんが。

そんなアメリカとは違って、日本では高学歴女子が豊かな専業主婦になるのはごく一般的なことだったし、今後も、この構造はあんまり変わらないのではないかなぁと思うのです

【追記】最近になって、バブル期入社の総合職女子たちが50代近くなり、ようやく企業のトップになり始めたというニュースもありますね。これがニュースになるまでに、どれだけ多くの「元総合職・高学歴専業主婦」が生み出されてきたかと思うと、目眩がしちゃいます。

金融業界、女性役員の登用進む 野村信託銀と大和証券で初の社長や取締役:朝日新聞デジタル


【北条かやプロフィール】

86年、石川県金沢市生まれ。「BLOGOS」はじめ複数のメディアに、社会系・経済系の記事を寄稿する。19歳の時、大澤真幸『身体の比較社会学Ⅰ・Ⅱ』を読み衝撃を受け、以後社会学に没頭。同志社大学社会学部を出たのち、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。

星海社新書「キャバ嬢の社会学」より引用

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*1:それは「賃労働からの開放」ではありましたが、同時に「私は夫と子供のお手伝いさんなの?」という主婦の実存的不安を帰結します。主婦たちの不満と向学心は、心理学者の小倉千加子氏がいう「主婦フェミニズム」へとつながっていきました。

*2:日本では、女性が自分より学歴の高い男性と結婚する「上方婚」か、同程度の学歴の男性と結婚する同類婚がほとんどだからです。

*3:寡聞にして存じませんが、アメリカでは女性の社会進出が日本よりも進んでいるようですね。ジェンダーギャップ指数をみると、日本が135カ国中、101位なのに対し、アメリカは22位(「共同参画」2013年 1月号 | 内閣府男女共同参画局)。だからこそ『ハウスワイフ2.0』の「やっぱ専業主婦だよね!」というメッセージが反響を呼んでいるのかなぁと思います。


【関連記事】
高学歴女子が新・専業主婦を目指す時代(大野左紀子)

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