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伊吹衆院議長の追悼の辞に不快感を示す「周辺」の異常性

 昨日、東日本大震災3周年追悼式において伊吹衆院議長が行った式辞の内容に首相周辺が不快感を示しているとの報道に接しました。

 日本中の人々が昨日の午後2時46分に、あの3年前の惨事を思い出したと思うのですが‥一体、伊吹衆院議長は何を言ったのか?

 「将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」

 まあ、確かに安倍さんは正真正銘の原発推進派。だから、脱原発なんて言葉がそもそも気に入らないのかもしれません。また、だからこそ、国民にはちっとも理解できない「ベースロード」なんて言葉を原発に添えようとしているのでしょう。

 しかし、その安倍さんが総裁を務める自民党は2012年の自民党の重点政策として、「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指します」と明言していたのです。

 この考え方は、まだ生きているのではないのでしょうか? 少なくても、そうした考えを変更したとは自民党から聞かされてはいないのです。

 念のために言っておくと、伊吹議長は、小泉元総理のように即、脱原発を目指せと言っている訳ではないのです。「将来の脱原発を見据えて」と言っているだけで、しかも、将来、脱原発を実施すると言っている訳でもなく、「議論を尽くしたい」と言っているだけ。

 伊吹議長が言っていることが、それほどおかしいとはとても思えません。

 一方、首相周辺には、脱原発だなんて、国民受けするようなことを言いやがってと、いう思いがあるのかもしれません。しかし、もしそれが本音だとすれば、首相周辺も、国民の多くは、原発に頼らなくても済むようなエネルギー政策を支持していることが分かっている筈なのですが‥

 つまり、首相周辺は、国民の意思とは違うエネルギー政策を目指している、と。

 では、何故国民の意思を尊重しようとは思わないのか?

 そんなことをしたら、原子力村及び米国を敵に回すことになり、何かと不都合なことが起こりそうなので‥だから、原発推進派に身を置いておいた方が得だと判断をしているのでしょう。

 換言すれば、首相周辺も、ひょっとしたら石原元都知事と同じような考えなのかもしれません。つまり、高校の生徒会のように多数決で決めるなんて、バカバカしい、と。

 いずれにしても、伊吹議長の式辞を改めて振り返ってみたいと思うのです。
 「天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、東日本大震災三周年の追悼式が行なわれるにあたり、謹んで追悼の言葉を申し述べます。

 3年前のきょう、東日本を襲った大地震と津波により、東日本の国土は破壊され、多くの尊い命が失われました。犠牲となられた方々と、ご遺族のみなさまに改めてお悔やみを申し上げます。

 そして被災された方々、また福島での原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた方々のお気持ちを思うとき、月並みなお見舞いの言葉を申し上げることすら憚られるのが率直な心境です。

 多くの関係者のご努力により、復興に向けた歩みは着実に進んでいます。震災後、被災地の惨状に心を痛めた方々が、被災地を支援するボランティア活動に参加して下さり、多くのきょうお見えの諸外国からの温かいご支援を頂いたことは、物心両面で、復興の大きな助けとなりました。ご支援いただいた皆様に対し、深く感謝申し上げたいと存じます。

 一方で、震災から3年が経過し、被災地以外では、大震災以前とほぼ変わらぬ日々の暮らしが営まれております。しかし、被災地では仮設住宅等で、ご不自由な生活を余儀なくされている方々もなお多く、震災前の生活を取り戻すことは容易ではありません。特に原子力発電所事故のあった福島県では住み慣れたふるさとに戻ることができず、今なお放射性物質による汚染に苦しんでいる方々が多くおられる現状を、私たちは忘れるべきではないでしょう。

 そういった方々の事を思うと、電力を湯水の如く使い、物質的に快適な生活を当然のように送っていた我々一人一人の責任を、全て福島の被災者の方々に負わせてしまったのではないかという気持ちだけは持ち続けなりません。

 思えば、私たちの祖先は、自然の恵みである太陽と水のおかげで作物を育て、命をつないできました。それゆえ、自分たちではどうすることもできない自然への畏敬と、感謝という、謙虚さが受け継がれてきたのが日本人の心根、文化の根底にあったはずです。

 科学技術の進歩により、私たちの暮らしは確かに豊かになりましたが、他方で、人間が自然を支配できるという驕りが生じたのではないでしょうか。そのことが、核兵器による悲劇を生み、福島の原発事故を生んだのだと思います。

 3年目の3.11を迎えるに際し、私たち一人一人が、電力は無尽蔵に使えるものとの前提に立ったライフスタイルを見直し、反省し、日本人として言行一致の姿勢で、省エネルギーと省電力の暮らしに舵を切らねばなりません。

 主権者たる国民より選挙を通じて主権を委ねられている我々国会議員は、被災地の復興に全力で取り組むとともに、震災で得た教訓を元にエネルギー政策の在り方について、現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くしてまいりたいと存じます。

 結びに、震災で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りし、追悼の言葉と致します。

 平成26年3月11日 衆議院議長 伊吹文明」
 私は、伊吹議長の式辞の内容は、極めてまっとうであり、多くの国民の共感を呼ぶと確信をしています。

 3年前、日本があの地震と津波と原発事故の三重苦に遭遇したときに、多くの政治家が、伊吹氏と同じようなことを口にしていたではないですか? 今は都知事となった舛添氏も、当時全く同じようなことを言っていました。

 石原元都知事は、原子力を利用するのが人類の進歩の証だ、みたいなことを言いましたが、私は、伊吹氏の言うように、原発を利用しなくても済むシステムを構築することこそが文明の証だと思うのです。

 首相周辺が不快感を示したと言いますが、国民からしたら、そのような首相周辺にこそ不快感を禁じ得ないのです。

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