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ブランドコンテンツやネイティブアドが注目を集める背景と「ダボス会議」関連の記事がバズる理由

ブランドコンテンツやネイティブアドという言葉を最近よく聞くようになりましたが、これらは旧来の記事タイアップ広告と近しい概念ですが微妙な違いがあります。サイボウズ式の「ブランドコンテンツと記事広告の違い」への言及がある記事がすごくわかりやすいですね。ネイティブアド=自然な広告=記事ならバナーより自然じゃね?でネイティブアドというそうです。

メディアの輪郭の佐藤慶一氏の記事によると、バズフィードはネイティブアドだけで2013年は6,000万ドルの収益を600〜700本の記事から上げているとあります。単純計算すると1本1,000万円。えっ?ほんとかい?

参考記事:海外ウェブメディアの最前線を進む「バズフィード」が実践する4つのポイント(メディアの輪郭)

本稿は3,000文字程度あります。こんな方が読まれると役立つのでは。

■想定読者層

・ブランドコンテンツを作りたいメディア関係者
・ブランドコンテンツに出稿したい広告主
・「ダボス会議」につい反応してしまう理由が知りたい、意識の高いビジネスマン

ブランドコンテンツが日本でも注目を集め始めた背景

2つあると思う。

■1:オンラインメディアでは十分に浸透していなかっただけ

まず単純な話ですが、オンラインメディアにブランドコンテンツという習慣がなかっただけかと。数年前にステルスマーケティング騒動があってから、企業が金銭的対価を支払ってメディアに記事を掲載することに及び腰だったのではないでしょうか。ブランドコンテンツやネイティブアドはステマの影響もあってか、○○社の提供によるなどの注記を付けています。

日本では雑誌によっては7割型がブランドコンテンツで占められることもあり、記事によってはブランドコンテンツか編集部独自コンテンツが見分けがつかないこともあります。読者にとってはコンテンツが面白ければどっちでもいいわけで、雑誌業界でブランドコンテンツが問題視されることなんてまずないと思われる。というか、広告がビジネスの生命線ですからね。女性誌のVERYは売れる月は高校だけで単月3.7億くらい売上げるとか。

雑誌の世界では当たり前だったブランドコンテンツが、バズフィードなど米国のオンラインメディアの成功を受け、日本のオンラインメディアも導入を進めようという気運が高まっているように感じます。記事広告とは少し性質が違うブランドコンテンツ的なものを。

■2:バナーの限界から記事での露出に需要がシフトしている

オンラインメディアの運営者としても読者視点としても感じるのが、バナーはどんどんクリックされなくなるよなと。スマホシフトで画面が小さくなることからも、トラフィックがPCからスマホに流れて行く中で、バナーのCTRやクリック数が低下するのは目に見えている。バナー限界論。

そこでメディアの読者のその企業やサービスを理解してもらえるような記事を出して、それを多くの人に読んでもらったほうが、認知は上がるし、CVRやCPAの成果指標を設けていれば、記事がバズればバナーより全然効果が良いというのはあり得る。新たな広告メニューとして期待値が高まっている。

ブランドコンテンツの価格設定とコンテンツ制作への気合い

僕ら零細メディアとしてもブランドコンテンツの流れは見逃せず、貴重なキャッシュポイントになるわけです。アドセンスや純広バナーだけで運営し続けるメディアもあるでしょうが、挑戦してみる価値はあると思います。

ブランドコンテンツはメディアによって価格設定が異なりますが、1本何十万円のような固定価格から、ミニマムPV保証+CPCでの成果報酬というモデルもあります。イケダハヤトさんは後者のモデルを現在は採用してます。

参考記事:トライアル期間はお得!「ブランドコンテンツ(記事広告)」の販売を始めました(イケハヤ書店)

必ずしもバズるわけではないので、広告主からするとボラティリティがある商品であることは認識しておいたほうが良いでしょう。そしてCPCベースで設定すると、リスティングとかと比較されることにもなり、その比較の上でどう価格設定をすれば良いか悩ましいなと思うこともあります。

対価をいただく以上、各メディアのブランドコンテンツは通常の記事かそれ以上に気合いを入れて製作しているはずであり、それらのコンテンツからは学べることが多く、メディアの商品開発に役立つと感じました。

「賢そうな単語」「意外性」シェアされる記事の要素分解

日本では「ブランドコンテンツ」との名称で販売しているのは東洋経済オンライン。私も寄稿しているメディアです。編集部とは別でブランドコンテンツチームが存在し、独立性を保ったコンテンツ提供を心掛けているよう。気になった記事を1つ考察しましょう。

ダボス会議の若手ボードメンバーが語る「本当は強い日本の“未来”」

リンク先を見る

なんと、6,000ツイート。いいね!600台はそこそこといった感じですが、6,000ツイートは昨今見かけない数字です。壊れていないですよね?昨今はいいね!数は身内などで稼げるため、いいね!数の割にはPVはさほどではない場合も多く、ツイート数の方が記事がどれだけ多くの人に読まれたかいいね!数よりも相関関係があると僕は見ています。

■この記事がバズった理由

・「ダボス会議」「若手ボードメンバー」というタイトル単語の引きの強さ
・「世界が今こそ日本に注目している」など予想と真逆のことを言っている

6,000ツイートまでいくほどの理由が正直わからなかったのですが、この辺がウケた要因の一つかなと思います。

まず「ダボス会議」。これはデキるビジネスマン風の方々にとっては最高のオカズです。「ダボス会議」に関する記事をシェアすれば、賢そうに見えるとデキるビジネスマン風の方々は思うため、喜んでシェアするのでしょう。ダボス会議によく反応するペルソナとしては、ビジネスマン偏差値57で年収650万円くらいの岩瀬大輔信者(岩瀬さん、悪意はないのでお許しを)。みたいな感じです。言い過ぎましたか。すいませんでした。ダボス会議。その響きだけで高く飛べる気がして、シェアしたはずですよね?

次に「世界が今こそ日本に注目している」。読者は予定調和で既視感のあるコンテンツはシェアしない。予定調和コンテンツをシェアするのであればそのメディアでお約束となっていて、読者から期待されているコンテンツが期待通りに提供された際に「やってくれましたね!」と固定読者がシェアするイメージです。本誌ではポジショニングマップがそれに当たるでしょう。表現なりロジックなりで読者に新鮮な視点を投げかける「違和感」が人々にシェアさせる動機になるのかなと思います。ここでは「世界はもう日本に注目してなかったんじゃないの?」と違和感を読者が持ったのではないかと。

おそらくこの記事を製作した方々は「ダボス会議」という単語に反応するペルソナ設定とその市場がけっこう大きいことを無意識に感じ意図的にタイトルに入れたと思いますし、予定調和を崩すところも記事の見せ場になる。と考えたはずです。

バズるコンテンツにはそれぞれの理由があり、僕らパブリッシャーはバズる再現性を高めてボラティリティを低減するために、その辺はもっと議論するなり独自に考えるなりで研究していくべきでしょう。

この記事を出す前に分析しておくと、メディア関係者でブランドコンテンツ制作に興味のある方とその広告主になり得る方をターゲットとしたため、さほどバズらないでしょう(と期待値を下げておきます)。ターゲット層が狭いのです。ですが、「ダボス会議に反応するペルソナワロタ」とクソ真面目に見える記事の中でも、笑える風味で味付けしておくことで、シェアされないだろうかと一筋の光への祈りを捧げている次第であります。

なぜこの記事がバズったのか?を考えるイベントとかやってもいいかもしれませんね。どんな記事にどんな反応をしているかでその人の人となりが見えてきますよね。我々も生き残りに必死であります。

ということでThe Startupでも今後試験的にブランドコンテンツに取り組みます。ご興味お持ちの方はこちらからお気軽にご連絡下さい。

注:本稿は東洋経済オンラインによるブランドコンテンツではございません
注:本稿はSearch 岩瀬大輔 Optimizationを狙いましたが、拾われないと思われます

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