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  • Willy
  • 2010年07月15日 12:04

入学試験は全人格的であるべきか?

今週は娘が一週間のサッカー教室に行っているのだが、小柄なので、グループの中では一番背が低い。4歳児と5歳児のクラスなので、4歳の娘は年齢も比較的低いのだがなかには5歳とは思えないほど大きい子も結構いる。…と思っていたのだが、どうやら同じ年齢でない子もいるらしい。他の参加者の母親と話をしたところ彼女の娘は6歳だという。その子は4月生まれで12月1日で生徒の学年を区切るミシガンでは真ん中あたりだが、クラスの中で大きいほうが良いからとわざわざ1年ダブらせたらしい。もちろん、子供にとってどちらが良いかはケース・バイ・ケースだが日本なら、親は競って上の学年に入れようとするのではないだろうか。そのあたりに、考え方の違いがあるように思える。


アメリカの教育では、リーダーシップが重視される。

それは、親が子供に望むことの国際比較調査を見てもそうだし、アイビーリーグなどの大学入試では、成績やテストの結果だけでなくリーダーシップ、社会貢献、課外活動などを含めて全人格的に評価される。リーダーシップは、他の子よりも大きい方が発揮しやすいだろう。


一方、日本の教育では能力の開発が重視される。

だからこそ早期教育でいろいろ教えようとするのだ。そして一流大学の入試は、今でもほとんど学力検査のみで決まっている。公立高校の入試などでは内申書や課外活動を多面的に判断するのでアメリカの大学入試に近いところもあるが、大学入試を頂点とした日本の教育システムで中心的な存在とはいえない。

それでは、入学試験はアメリカのように全人格的に判断すべきだろうか?それとも日本のように学力だけで判断すべきだろうか?結論から言えば、私は学力のみで判断すべきだと思う。

理由は単純で、その方が教育効果が高いと思えるからだ。高校も大学も勉強をする場であり各授業は能力に応じて行われるべきで、その能力レベルが均一な方が教育効果は高い。自然科学、語学、コンピューターなどの科目では特にそうだろう。


全人格を判断する入学試験を行う社会的意義は非常に曖昧に思える。

もちろん、社会で生きていく上では学力だけでなく全人格的な能力が大切なことは言うまでもない。しかし、全人格的に選抜を行うことは極端に言えば、生徒を、生徒会長タイプばかりを集めた学校と、てんでまとまりの無い学校に分けることだ。私はそこに社会的なメリットを感じない。


学力のみによる選抜は一見厳しいように見えるが、それに成功した人は単に特定の分野の知能が高いに過ぎないし、逆に失敗した人はその特定の知能についてレッテルを貼られるだけだ(ただし、かつての日本ではそうではなかった)。一方、全人格的に選抜試験をおこなえば、それに失敗した人は全人格を否定されることになる。社会で生きていくための方法は一通りではなく必要な能力が職業や職種によって多種多様である事を考えると、全人格的なスクリーニングをすることのメリットはよく理解できない。

もちろん、アメリカの私立大学が全人格的な選抜を行う動機はよく理解できる。社会に影響のある人物を排出することで、その大学の評判を上げ、社会的な影響力を増大させることができるからだ。このビジネスは長期に亘って非常にうまくいっているが、それが社会的に望ましいかどうかはまた別の問題であろう。

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