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北方領土問題に悪影響を及ぼすから対ロ制裁に踏み切れないという倒錯した安倍対ロ外交

 ついに安倍首相がオバマ大統領と電話会談した。

 といっても安倍首相がオバマ大統領に電話首脳会談を申し入れたのではない。

 オバマ大統領がかけてきたのだ(3月8日読売新聞)。
 
 しかもその直後(15分後)にはケネディ大使が安倍首相を官邸に訪れ、昼食をはさみ約1時間40分も向かい合ったという(3月8日日経)。

 菅官房長官は安倍首相の対応を国民の前に明らかにしようとしないが報道によれば、対ロ制裁について明確にしなかったという。

 その最大の理由は北方領土問題に悪影響を及ぼす事を避けたいからだという。

 もしこれが事実なら安倍首相は本末転倒の愚策をおかしたことになる。

 今度の米国とロシアの対立は、冷戦後はじめての米・ロ間の深刻な対立である。

 今回のオバマ政権の対ロ強硬姿勢はかつてない強硬なものであり、制裁を率先して実施した。

 いうまでもなく制裁措置は各国が足並みそろえて実施しなければ意味がない。

 欧州も米国に歩調を合わせつつある。

 そんな中で日本だけが制裁に応じないとすればどうか。

 これ以上オバマ政権に敵対する外交はない。

 今度のウクライナ・クリミア危機の本質は、その帰属をめぐって米国とロシアのどちらの立場が正しいかという問題ではない。

 軍事力を使って領土主権を決めるやり方が国際ルール違反であるという問題である。

 「法の支配」を主張し、民主主義という価値観を米国と最も共有しているという価値観外交を主張する安倍首相にとって、米国と協調せず、ロシアに配慮することなど矛盾だ。

 しかも日本は領土問題をみずから抱えている。

 領土主権を軍事力をつかってまで確保するようなロシアに理解を示す日本がどうして北方領土をロシアから取り戻せるというのか。

 それだけではない。

 尖閣や竹島の領土権を日本と争っている中国や韓国は、今回のロシアの対応に理解を示す日本を見て笑っているだろう。

 ウクライナ問題に対する安倍政権の対応は倒錯した外交矛盾である(了)

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