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年金の完全理解と大改革(10) 国民側の責任

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このブログは「対立より合意」を目指しているので、ここまで徹底的に年金実施側(厚生省、社会保険庁)の問題を指摘してきたが、それではやや不公平なので、「国民側に責任はなかったか」ということについて整理をしておきたい。

日本の家庭生活の形が変わり、戦争の後、少なくとも法律的には「家庭、家長」というのがなくなり、個人の集合体としての家庭(子供や親権者である親のもとで過ごす)に変わった。だから、当然、「年を取ったら子供に面倒を見てもらう」ということはできない。

そうなると、老後をどうするかということになり、さっそく、「年金」のような制度が必要となる。でも、一人一人は独立しているから、他人の老後のために自分の給料を払うというのは結構、難しい。

つまり「家庭の変化」で子供は面倒を見てくれなくなる、そうかといって当時の平均的な定年は55歳だったから、55歳から75歳ぐらいまでの20年間の生活はどうするのかという問題が起きる。

0歳から18歳までの場合、高等学校に行かせるかどうか(現在は高校全入だが、当時はまだ進学率は低かった)という問題ぐらいで、衣食住は親が面倒を見ることで誰も文句を言わなかったので、学校を税金で整えるぐらいでよかった。

でも老後となると、衣食住だから国家が個人の衣食住の面倒を見るというのは飛躍が大きすぎてみんなは納得しない。だから増税するわけにはいかないし、国民の老後のシステムも必要だ。

そうなると「失敗するのが目に見えていても、国民が納得する方法しかない」ということになり、「自分で年金を積み立てて、自分が老後にもらう」という「積み立て型年金」を実施することになった。

もちろん厚生省のお役人は専門家だから、積み立て型年金が破たんし、国民が「年金」というのに慣れてきたら「賦課型」変え、さらに「少子化になったから」という理由で「税金を投入しなければならない」というのはわかっていた。それが年金課長談話である。

つまり、
1)新憲法で個人が家庭から独立した(昔は家長の了解がなければ結婚すらできなかった)、
2)まもなく老後を子どもが見る時代がなくなる(夫婦も独立しかかっていた)、
3)でも定年後20年は国民を悲惨な目に遭わせるわけにはいかない、
4)国民は税金で他人の老後を見ることに納得しない、
5)結論として、まずはごまかすのを承知で積み立て型年金で初めて、徐々に税金を投入していくしかない、
6)そのためにはお金の返済ができないことは承知の上で、政府機関に貸し付け、年金が必要な時に税金を回してもらうしかない。

ただ、このような事情でも、「だから、使ってしまえ」とか「天下りに年金をつかえ」というのは不都合だ。それに「100円の取り立てに90円の経費がかかるから、不払いを取り立てられない」というシステムもだめで、だから「強制徴収」というのも議論がいるだろう。

これからの年金をどうするのかを考える時に、今までお金を年金以外に使った責任は取ってもらい、戻してもらうのは当然としても、民主主義だから「国民は自分の老後(自分以外の他人も考えた自分の老後)をどうしようとしているのか」について、現実的な方法を考え、議論していく必要があるだろう。

このようなことは本当は、今から50年前に日本の新聞が頑張らなければならなかったが、現実的には新聞はあまり役に立たなかった。その中で厚生省の役人だけが困り、すこしやけっぱちになったのかもしれない。

(平成26年2月28日)

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