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我が国は放射能制御の最前線に立つ

 つい最近の東京都知事選挙において、原発廃止もしくは原発縮小の「脱原発」の候補者と「原発推進」の田母神俊雄さんが争った。
 何しろ、我が国の総理大臣経験者二人が、「脱原発」を叫んで雪の中に立っていたのだ。
 マスコミも、その「原発」に焦点を当てて選挙戦を報じていた。
 ところが、都知事選挙が終われば、「原発」への関心が急速に失われた。

 しかし、関心が失われても、福島では、双葉町や浪江町や飯舘村の住民は未だ家に戻れず、除染という膨大な費用のかかる作業が続けられ、「汚染水」が漏れるのを防ぐ為に福島第一原発の周辺を地下深くまで凍らせる計画が進行中だ。
 また、報道されないが、劣悪な労働環境のなかで黙々と福島第一原発内で仕事を続けている約五千名の人達(内、東京電力社員は千名)がいる。
 さらに、東日本の多くの農業や漁業従事者は、未だに「放射能汚染の嫌疑」の故に、収入の道を以前の通りに回復できないでいる。

 これらの措置は、細川、小泉に次ぐもう一人の「脱原発」の総理大臣経験者である菅直人氏が、現職の時に決定した基準に基づいて現在まで一貫して実施されているものである。
 そこで、せっかく都知事選挙で「原発か脱原発か」が議論されたのであるから、今一度立ち止まって、その菅直人氏が総理の時に決めた基準が合理的なのか否か点検する必要があると思うのだ。
 仮に、この基準が狂っておれば、それに基づく経済的、精神的損失は計り知れない。東日本復興の為につかえる資金が間違った基準の為に無駄に消尽されていることになる。
 よって、その基準を変更しなければならない。

 とはいえ、これから先は、ドクターと専門家の領域となる。
 そして私は、専門家ではないから権威のある意見は言えない。
 
 しかし、私は、低線量の放射能は、体に良いという専門家を知っている。例えば、アメリカのミズーリ大学名誉教授のトマス・ラッキー博士は、次のように述べている(日経新聞、92年7月25日)。
「私は膨大なデータを調べて、高レベルと低レベルの放射能では反対の効果があることを見つけた。
 微量な放射能は生体機能を促進する・・・成長を促し神経や生殖機能を高め寿命を延ばす。」
「英国の研究者が原子力施設で働く九万五千人を調べ、非原子力施設の労働者に比べガンや白血病の発生が少ないことを発見した。米国でも同じような調査結果がでている。」
 また、我が国の一般社団法人ホルミシス臨床研究会の代表幹事で東京女子医大准教授の川嶋朗先生は、放射線によるホルミシス療法の効果に関して豊富な症例を蓄積されている。

 また、凍結処理によって漏洩を防ごうとしている福島第一原発の「汚染水」のレベルの水は、アメリカでは「汚染水」ではなく、それでコーヒーを飲んでいる。
 さらに放射能の発ガンリスクであるが、日経新聞が2011年4月25日に「100ミリシーベルトで受動喫煙並み、肥満より低く」と報じた。
 100ミリシーベルトの放射能は、喫煙や毎日二合以上の飲酒より遙かに安全で、運動不足、塩分の取りすぎ野菜不足よりもまだ安全である。

 そもそも、福島第一原発事故によって放出された放射能による健康障害を訴えた人は何人いるのか。
 皆無ではないか。
 当たり前だ。あの原子爆弾が炸裂した広島の急性原爆致死症の主因は、爆風と熱線であり、「原爆放射線の関与は極微」である。
 原爆を落とされた広島や長崎は、除染などしていない。
 
 私の飯舘村訪問の報告は既に書いた。
 最初に飯舘村に入ったときは田母神俊雄さんと一緒だった。
 田母神俊雄さんは福島県郡山の出身だ。
 従って、都知事選挙において、田母神さんが、原発は日本に必要だと主張していたのは、郷里に於ける自身の体験と調査に基づいた主張だったことを付言しておきたい。
 さらに付言。
 三年にわたって霞ヶ関の官庁街の国有地の一角を不法占拠し、毎金曜日に国会前でドラを叩き笛を吹いて「反原発」の奇声を発する人々を観ていると、これは沖縄の反基地運動と同様の一連の反日運動、日本弱体化運動だと思わざるをえない。
 これから、原発を粗製濫造しようとしている中共とその同調国は、さぞかし喜んでいるだろう。
 
三年前、我が国の福島第一原発の原発建屋が水素爆発した情景は世界に放映され、世界は驚きと恐怖を以て成り行きを見守った。
 人類は、未来において、原発を稼働させようが止めようが、放射能を制御しなければならない。
 人類のエネルギー確保のための原子力利用は、既に止められない。
 我が国だけが原発を止めれば済む問題ではない。
 
 よって、福島第一原発の爆発を経験した我が国は、期せずして人類の為に放射能制御の最前線に立っている。
 従って、我が国には、福島第一原発で起こったことの実態を世界の専門家に公開し、放射能に関して、何処までが安全で何処までが危険なのか、科学的な結論を促す任務がある。
 その結論の中に、現在まで漫然と続いている基準を採用した菅直人内閣の意図と決定プロセスと内閣の能力に対する評価も含まれるべきである。
 これらの教訓が、人類のこれからの放射能制御に役立つはずだ。

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