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NHK会長の辞表提出発言について

NHKの籾井勝人会長が10人の理事全員に辞表を出させたことを「一般社会では良くあること」と発言したと聞いて、ガクッとしてしまいました。

私はよく国会で、民間の世界の方が政治の世界より「まとも」だと説いています。

立派な経営者としての経歴を持つ方がそんな突拍子もない事を言ったら、私の主張に説得力が無くなってしまうではないですか。

最近、あまりにもNHK経営陣の問題が続出していて、籾井さんの問題はスルーしていましたが、同日夜中には思わず 
『良くあることではない。籾井さんは三井物産(副社長)やユニシス(社長)時代もそんな事をしていたのだろうか。やっていたとしたら、上場会社の役員としてもかなり問題』 
とツイートをしてしまいました。

その後、過去の事を良く思い出してみましたが、私も何度か「事前」に辞表を受け取った事があります。

その内、一回は「ケアレスミスをして会社に大きな損害を与えてしまいました。辞表を出します」と言われて提出されたもの。預かりはしましたが 「まずは事態の収拾を図ることが先だ。進退は落ち着いたら考えよう」と伝えました。その後、必死に処理をしてくれている姿を見て、3か月後には辞表提出は無かった事にしました。

それ以外で受け取ったのも「大きなミス/損失」が起因となっており、実際にそのまま退職した人もいましたが、流石に何の理由も無く辞表を書かせたことはありません。

そもそも、辞表提出はミスなどの責任をとる場合に、本人の自由意思に基づいて行われるものです。
何の理由も無く命令して提出させた辞表には、法的な効果はありません。そればかりでなく、実際にその辞表を理由に退職を迫るようなことがあれば、解雇権の濫用として違法となる恐れさえあります。

また、今回のケースは「NHK理事」の辞表提出問題です。NHK理事は、職務上の義務違反があった場合などに限って会長の罷免権が認められるものであり、この場合、経営委員会(会社では取締役会に相当します)の同意も必要となります。会長が辞表を預かるということは、本来は簡単には辞めさせられない理事を、自主退職という形で自由に辞めさせることができてしまうため、更に問題です。

三井物産と日本ユニシスは、日本初の「キオスク型コーヒー店」を試験的に本社に出させて頂いた会社。それが大成功したため、タリーズは成長することが出来ました。今でも大変感謝しているので、この件で「こういう方が経営陣だったとしたら、実はコンプライアンスがしっかりしてない会社なのか?」とイメージダウンしてしまうのも残念です。

国会議員になる前でしたが、ユニシス時代の籾井会長にお会いしたことがあります。当時は非常に気さくで、バランス感覚に優れたイメージでした。RIGHT色の強いNHK経営委員会に選ばれた事で、急に力が入ってしまったのでしょうか。

公共放送の会長としては問題がある発言をしてしまった事も含め、これ以上の混乱を防ぐ為にも、ご自身が潔く辞表をしたためたほうが良いのではないかと思います。

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