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どーすりゃえーねん

成績優秀なのに仕事ができない
“大人の発達障害”に向く仕事、向かない仕事(DIAMOND online)


「彼らは、中学、高校、大学生の頃までは、成績が良くて、頭が普通程度以上。勉強が良くできるし、問題行動もない。周囲は、発達障害と思い浮かばないんですよね。職場に出たり、結婚したりした時に初めて、諸々のトラブルに悩まされる方が多いのです」

 「大人の発達障害」が取り沙汰されることも増えてきた昨今ですが、実際のところはどうなんでしょうね。バーナム効果と呼ばれるものがありまして、まぁ「占いが当たっているように感じる効果」とでも言いましょうか、要するに「それっぽい(しかるにその実は曖昧で誰にでも該当するような)こと」を言われると、何となく「自分に当てはまっている」ように思えてしまうわけです。発達障害にしても然り、誰しも仕事や生活上の躓きは経験するもので、そんな時に「大人の発達障害」の話を聞いて、「自分もそうかも」と感じる人は少なくないはずです。実際に医師から発達障害との診断結果を伝えられる人の数は取り沙汰されるほど多いわけではないようなのですが。

 こうした発達障害のある人が進学や就職を考えるとき、「1人暮らしは避けたほうがいい」と、星野医師は指摘する。

 ADHDやアスペルガー症候群の多くの人は、親元を離れて1人暮らしを始めると、身の回りのことができなくなり、ほぼ例外なく生活が破たんするからだという。

 しかしまぁ、医師の診断書の有無とは無関係に「ADHDやアスペルガー症候群」の症例と似たような状況で行き詰まりを感じる人も多いからこそ、このように話題に上がる頻度も高まっているのでしょう。しかし、ADHDやアスペルガー症候群「みたいな」トラブルに苦慮する人はどうしたら良いのやら。「1人暮らしは避けたほうがいい」などとのアドバイスが挙げられていますけれど、そうなると転勤のある職場は無理、就職先は極端に限定されますし、正規雇用は諦めざるを得なくなりかねない事態です。あんまり、解決になっていません。

 また、社会に適応できていない人は、例外なく自分の特性を活かした適職に就いていない。そこで、適職に就くためには、

① 興味の対象を知る
② 得意なことを書き出す
③ 収入が得られるものを探す

 の3つのステップで絞り込むことが必要という。

 星野医師は、一般にADHD者で成功している人が多く、向いている仕事として進めるのは、次の通り。

① 研究者、学者、中学・高校教師、塾・予備校講師など
② 警察官、消防士、新聞・雑誌の記者、作家、ジャーナリスト、カメラマン、ディレクターなど
③ イラストレーター、スタイリスト、漫画家、画家、建築関係、コンピュータ・プログラマー、CGアニメーター、広告関係、デザイナーなど
④ 調理師、調律師、自動車整備士、歯科技工士、電気技師、図書館司書、校正など

 一方、アスペルガー症候群に合いそうな職業は、テンプル・グランディンとケイト・ダフィーの文献を引用して、次のように挙げる。

① 建築・工学製図技術者、カメラマン、動物の訓練士、グラフィック・アーティスト、工芸家、ウェブデザイナー、自動車整備士、産業オートメーションのプログラマー、生物学教師など
② コンピュータ・プログラマー、エンジニア、物理学者、化学者、音楽家・作曲家、数学教師、音楽教師など
③ ジャーナリスト、翻訳者、司書、証券アナリスト、コピー・エディター、会計士、簿記・記録管理担当者など

 引用が長くなりましたが、「ADHDやアスペルガー症候群の人たち」向けの「適職」とやらが挙げられています。う~ん、そもそも「自分の特性を活かした適職に就いていない」ってのは発達障害「ではない」人だって同じことだとしか言い様がありません。本人の特性と雇用側のニーズが釣り合っているのならいざ知らず、現実にはどうしても両者にギャップがある、そして超・買い手市場の下で雇う側の立場が圧倒的に強くなる、そうした中では「働かせる側」の要求に合わせていかないと職にありつけない、「自分の特性を活かした適職」なんかを求めている限りは永遠に就職できないわけですし。

 ADHD/アスペルガー症候群に合った職として挙げられているのは専門職ばかりです。大学で当該の職種に沿った専攻であるならともかく、そうでなければ就くことができない仕事が列記されています(ついでに専業では食えない職も多いですね)。そして今、問題になっている「大人の発達障害」は最初の引用でも伝えられている通り「職場に出たり、結婚したりした時に初めて、諸々のトラブルに悩まされる方が多い」のです。そして「高校、大学生の頃までは、成績が良くて、頭が普通程度以上」なら尚更のことです。職場に出てから、すなわち卒業後に発達障害を自覚した人が、上記の「向いている仕事」に進路を変えることができるのでしょうか? 受験する大学を選んでいる段階で発達障害の自覚があるなら、「合いそうな職業」を視野に進学先を決めることもできます。しかし卒業後、会社に勤めるようになって発達障害を自覚した人に「研究者、学者、中学・高校教師~」が向いているなどと言われても、いったい何の意味があるのでしょう?

 一方で、ADHDやアスペルガー症候群の人たちが不向きな職業は、営業関係や接客業、人事・経理・総務関係、交通・運輸関係、飲食関係、旅行関係、金融関係、予約係や顧客窓口などだそうだ。

 そして「不向きな職業」も列記されています。ものの見事に「求人の多い職業」が並んでいる、同時にこれらは大学などでの専門教育を必要としない職業でもあります。特定の専門職に向けた専攻「ではない」圧倒的多数の人にとって現実的な就業機会があるのは、こちらの「ADHDやアスペルガー症候群の人たちが不向きな職業」であり、ここで挙げられた職種を避けていてはやはり就職が著しく困難になることは言うまでもないでしょう。発達障害なので営業は自分に向いていません――それは確かなことであるにせよ、では「向いた」ポジションに空きがあるかと言えば、そのポジションは大学の時点から専門的な教育を受けた人たちのひしめく超激戦区、既に埋まっていることがほとんどのはずです。果たして「大人になってから」発達障害に気づいた場合に打つ手があるのか、少なくともここで引用した元の記事では何一つとして示されていません。

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