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自国は本当に偉いのか

民族とは何なのか。国とは何なのか。これらくことを真面目に考えたことがないものの、非常に不確かな、言い換えれば人為的な区分のような気がする。自国と隣国とがどう違うのか、正確に分かるのか。

世界を旅行するにつれ、強い印象をいだくことがある。それぞれの国の住民の外観的な顔つきが連続的に変化している事実である。東アジアから東南アジアに旅行するだけで、その連続性に気づく。

ある特定の部族が同種の部族団から追放されることは、過去においてよくあっただろう。また、部族間の境界線において、さらに戦闘において、部族間の民族的な融合が強制的に行われることもあっただろう。これらは人間という動物において、当然ありうる出来事である。これらから類推するに、特定の国が自国民の優位性を主張したところで(何の優位性なのかも不明であるから)、その優位性なるものが大きな幻想だと思えて仕方ない。

むしろ、「特定の国がどうこうした」「けしからん」という議論は、政治家が国内での求心力を得るための方便だと思えて仕方ない。そんなことを議論したところで、何の役にも立たないとも言える。

卑近な例をあげると、どの国に旅行したとしても、美味い食事や飲み物がある。「不味い食事」で悪評高いイギリスにはウィスキーがあるし、ドイツにはビールがある。

食べ物だけではない、それぞれの国の良さはいくらでも発見できる。「気に入らへん」「くそったれや」と罵る前に、自分の国を冷静に見つめるべきだろう。たとえば、どこそこの国から攻められたと被害者ぶったとしても、過去に遡れば、そのどこそこの国を攻めた事実も出てくるものだから。

誰が言ったのか忘れたが(誰も言っていないかもしれないが)、宇宙人から見ればアフリカであれヨーロッパであれアジアであれ、人種の差は犬や猫の差よりも小さい。さらに、哺乳類の相互の差も、差と言うほどのものではない。食事、呼吸、移動、繁殖など、生きるための営みの基本は同じだから。客観的事実からすれば、自分と他人との差はその程度のものである。

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