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  • ヒロ
  • 2014年02月28日 10:00

中央銀行の品格

日経電子版。そこに踊るタイトルは「追加緩和のサプライズ 日銀『合わせ技』駆使か」。正直、この記事はいただけないように思えます。中央銀行の品格の話題の前に日経の品格と言いたいところです。趣旨はいかに市場が予想しない手段で日銀が「悦び」を与えるか、という予想なのですが、読んでいて感じたのは日銀がゲームで「驚くべき」武器を購入して勝ち進んでいくがごとくの印象を与えてしまうのであります。

本来中央銀行たるや、どっしり構えるべきであります。ところがアメリカ発の中央銀行サプライズ合戦はアメリカがすでにゲームから降りつつあるのに日本はまだまだやる、と意気込んでいるところはあたかも勝者の雄叫びを期待するということでしょうか?

リーマン・ショック後のアメリカにおいて確かに三回にわたるQE(金融緩和)というシナリオはアメリカが通常の軌道に戻るためのメインラインであったように捉えられています。しかし、そこには政治的決断も含め、金融と政策のコンビネーション、更には失敗しても立ち直りやすい社会的構造の組み合わせこそが日本の失われた20年のようにならずに済んだと解釈すべきです。

ところが市場はマネーというものに目がくらみ、即効性のある金融政策にその期待を膨らませていました。それは欧州でも同じでマリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁もその効用をうまく活用してきたとも言えます。その中には確かにサプライズ的な要素もあったことは否定しません。が、サプライズとは市場が読み切れなかった隙を中央銀行がついた、と考えるべきであります。

ところが日経電子版の記事に関していうとそのサプライズをあたかも市場が待ち望んでいるというニュアンスになってしまい、モルヒネ患者が「もっと強いものを…」と叫んでいるようにも見えるのです。

一方、同じ日にニュースになったアメリカ、FRBのイエレン議長の公聴会での発言を聞く限り、全くサプライズはなく、ベクトルの方向、ゴールの時期についての目標は設定しているものの後は市場次第というトーンに終始しています。これはバーナンキ議長の最後に仕上げた路線を踏襲するという点で一時は嵐となりかけた市場をいかに優しく落ち着かせるかという立場に立っていることで日銀とのコントラストとなってしまっています。

確かにこのところ、アベノミクスに精彩がないのは政策的な刺激が政治的な事情で決まらず、迫る消費税増税に対して有効な対策を打ちあぐんでいる、とも見えるのです。そのため、安倍総理が「クロちゃん、どうにか助けてよ」とでも言っているのでしょうか?「ならば黒田が先兵なり」ではすっかり聞かれなくなった日銀の本来の「独立性」は何処とやら、ということになります。

刺激というのは強ければ強いほどその時は嬉しいもののその後は効きが悪くなります。私も先日、ある病気でモルヒネを服用していたのですが、なるべく使わず、別の薬で対応し、モルヒネは最後の手段としていました。医者も取り過ぎるとあとが大変、と言っておりましたのでそれを忠実に守っていました。おかげですっかり良くなりました。

漢方の効用とはその基本そのものに立ち返って直していく、というものであります。そう考えれば日本も漢方である根本政策の見直しをはかり堅そうな岩盤規制をそれこそ、異次元の武器でぶっ壊すほうが本当は効果があるのではないでしょうか?

インフレは金融だけではならず。景気と株価は政策との合わせ技。為替に至っては水物で円は主要通貨の中でであっちこっちに泳ぎ回るという位置づけぐらいにボトムラインをセットしておかないと期待先行、実態失望となりかねません。刺激より私は品格を重んじてもらいたい気も致します。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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