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スティーブ・ジョブズがくれた自由の翼

日本時間の今朝、Appleの創業者であり前CEOであるスティーブ・ジョブズが亡くなられた。正直、別にAppleファンでもなくここ数年ただユーザーになっただけの自分がこれほど衝撃を受けるとは思ってなかった。今もどうしたらいいのかわからない。

告白すれば、俺はコンピュータが無ければ何もできない人間だ。

文字を書けば悪筆のあまり自分でも読めなくなるし、お金をいただけるだけのことが辛うじてできるようになったのはコンピュータのプログラミングだけだ。文章を書けるようになったのも、生きていく手段を得たのも、パーソナル・コンピュータというものがこの世に存在していてくれたからに他ならない。

アラン・ケイの提唱した「パーソナル・コンピュータ」という概念。それが実現しはじめた70年代の金字塔、それが Apple Computer だった。

* ■祝! iPhone発売/マンガ『アップルIIストーリー』:すがやみつるblog

ここに掲載されてるAppleの創業物語。これは俺がコンピュータというものに引き寄せられたきっかけだったように思う。この漫画のことはそれから何十年たってもすぐ思い出せた。歴史をひもとけばちょっと違うけど、俺の心には「世界初のパーソナル・コンピュータ」は Apple II だと刷りこまれている。

俺が心底ひかれ、夢中になったOSは Debian GNU/Linux だ。それすらジョブズの Pixer という会社から生まれたことを忘れるわけにはいかない。Debian に触れなかったら俺がプログラマになることも無かったろう。

誰もが、自由に。その言葉は自分でも気付かないうちに俺の心に刻み込まれている。オープンソースの思想に心ひかれたのもそのせいではなかったか。

Appleユーザーとなった今でも、正直MacもiOSも好きではない。「誰もが自由に」なったのはコンピュータを「使える」という部分だけだ。だがそれがいかに偉大な功績か、俺は知ってしまっている。

他の誰が60代の女性に孫の写真を見せて楽しそうに操作できるコンピュータを作れたっていうんだよ。iPhone を手にしてからスティーブ・ジョブズの偉大さを感じ入るばかりだ。

きっと何者にもなれなかった俺が、社会と曲りなりにも接点を持てたのはパーソナル・コンピュータがあったからだ。俺はコンピュータとインターネットを手にして、生まれて初めて自由を得た。コンピュータは、俺にとって車椅子や補聴器のようなものだ。

幼かった俺に刷りこまれた「スティーブ・ジョブズは世界初のパーソナル・コンピュータを作った人」という印象と、「誰もが自由に」使えるコンピュータとしての iPhone の存在。それが今回の訃報に衝撃を受けてしまった理由だろう。自分でもこんなことで衝撃を受けるとは思ってなかったのでおどろいてしまった。

スティーブ・ジョブズに祈る言葉は無い。感謝の言葉もいらないかもしれない。ただ俺が社会生活を送るための礎を作った人物の一人。言葉にならない感概をこめて、こう言おう。

さよならジョブズ。おまえが見れなかったコンピュータの未来を、俺はぜったい見てやるからな。ざまあみろ、未来はもっと自由でわくわくしてるんだぜ。

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