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厚労省が農薬残留基準引き上げへ――危険性認識しながら基準作成

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厚労省に申し入れるグリーンピースや反農薬東京グループなど(左)。(撮影/グリーンピース)

 欧州で進む農薬規制とは逆に、日本では食品への農薬の残留基準が大幅に緩和されようとしている。そこで国際環境NGOグリーンピース・ジャパンとほか4団体は2月3日、厚生労働省に対して残留基準の引き上げの即時凍結を求め、要請書を提出した。しかし、同省は残留基準引き上げの危うさを「認識」していながら、基準案を作成していたことがわかった。

 同省は昨年10月、ホウレンソウ、ハクサイなど約40種類の食品に含まれるクロチアニジンの残留農薬基準値を最大2000倍と大幅に緩和する基準案を作成。その後のパブリックコメント(一般からの意見聴取)では、異例の1000件を超える意見が集まった。このためグリーンピースでは1月17日から、規制緩和に反対するオンライン署名を開始。約2週間で8000筆以上が集まった。

 これを受け、2月3日の要請書提出時の同省との話し合いでは、現行の引き上げ基準案のままでは、体重16キログラムの子どもが、ホウレンソウを40グラム食べた場合、急性中毒を起こす可能性もあることをNGO側が指摘。しかし、同省の担当者は「認識はある」と回答しながらも、「科学的知見に基づき精査する」と消極的な姿勢を示すにとどまった。同案はもともと、農薬メーカーの申請をもとに作られたもの。人体への影響を認識しながらも、メーカーの利益を優先して基準案が作成されたことを確認する場となった。

 欧州連合(EU)では昨年12月1日から、ネオニコチノイド系農薬3種(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)を使用禁止にしている。さらに同12月17日には、欧州食品安全機関(EFSA)が一部のネオニコチノイド系農薬は子どもの脳や神経などへの発達神経毒性をもつ可能性があるとの科学的見解を発表した。日本も十分な検討を行なうまで、基準の改定は凍結すべきだ。

(成澤薫・グリーンピース、2月14日号)

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