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『d design travel 佐賀』発刊!


去年の4月、オープンしたばかりの渋谷ヒカリエという大型商業施設に行った佐賀県首都圏営業本部の職員が「おもしろいスペースがありますよ」と教えてくれた。

新しいもの好きの僕としては行かない訳にはいかない。すぐに行ってみた。そこは、渋谷ヒカリエ8階にある「d47 MUSEUM」。47都道府県の名物を紹介しているスペースだった。確かにセンスがいい。

気になったので、スタッフの方にご挨拶をして、お話を伺った。

「全国各地にある『その土地らしさ』をきちんと顕彰していきたい。そのために『d design travel』という名のガイドブックを47都道府県分すべて自分たちの視点から作る。その試みを通じて、次の時代に伝えていかなければならないものをちゃんと評価することを目指す」ということだった。

我々がやらなければならない仕事、とも言えることにこの「D & DEPARTMENT」という会社が乗り出しておられたのだ。

もう一度d47 MUSEUMを見渡して、改めてそこに置いてあるもののセンスに感心した。
僕は社会人になってから首都圏以外では沖縄県、長野県、岡山県、長崎県そして佐賀県の5県に住んだことがある。
だから今でもこの5県については、観光客ではなく生活者の目線で美味しいお店や素敵な場所を見ることができる。
その目線で見たとき、この『d design travel』の目線の置き方やお店の紹介の仕方はまことに正しいと思った。

かくしてヒカリエで一目惚れ、そこで伺ったお話に感激をした僕は「47都道府県ということであればいつかは佐賀県バージョンを作ることになるだろうが、ぜひとも早くお願いしたい」と申し上げた。編集サイドからは「この本の雰囲気にあう良質の広告主を佐賀県内で探すことができるだろうか」というお返事だったが、そのときは一緒に探しましょうということで別れ、その後佐賀県首都圏営業本部を窓口にして活動が続けられた。それがようやく本になったのだ。
『d design travel 佐賀』は47都道府県の中で12番目の発刊。まあまあ、ではないだろうか。

この本について僕が気に入っている点はいくつもあるが、特に冒頭に明記してある編集の考え方を挙げたい。

編集の考え方。
・必ず自費でまず利用すること。実際に泊まり、食事し、買って、確かめること。
・感動しないものは取り上げないこと。本音で、自分の言葉で書くこと。
・問題があっても、素晴らしければ、問題を指摘しながら薦めること。
・取材相手の原稿チェックは、事実確認だけにとどめること。
・ロングライフデザインの視点で、長く続くものだけを取り上げること。
・写真撮影は特殊レンズを使って誇張しない。ありのままを撮ること。
・取り上げた場所や人とは、発刊後も継続的に交流を持つこと。
取材対象選定の考え方。
・その土地らしいこと。
・その土地の大切なメッセージを伝えていること。
・その土地の人がやっていること。
・価格が手頃であること。
・デザインの工夫があること。

いいでしょう?こういう考え方が全体を貫いているのだ。

実際に編集部の方は2か月間佐賀県内に住んで材料を探し、確認されている。そのおかげで僕の知らない場所やお店もいろいろ載っている。

また、「佐賀の一二か月」と題した歳時記があり、県内各地域の様々なお祭りが載っている。「鹿島のふな市」「綾部神社の旗あげ神事」くらいでは驚かないのだが「国際渓流滝登りin七山」「取り追う祭り」(伊万里市)なども取り上げられていて新旧さまざま。このあたりを見ただけでもセンスがあると感心してしまう。
僕が行ったことのないものもいくつもあって、ぜひ今年は行ってみたいと思わせる。
その土地ならではというものを大事にするだけに、有田焼や唐津焼などが繰り返し出てきているのも嬉しいが、伝統的な窯元だけでなく、新しいことに挑戦している若い人たちやこれまでなかなか佐賀県内でしっかりとした評価をする人が少なかった森正洋先生の作品など、デザイン面からのアプローチには力が入っている。

佐賀をちゃんぽん文化圏として捉えているのもまことに正しいと思う。佐賀ちゃんぽんをこれから売り出していこうと考えていた僕としてはまったく嬉しい。

佐賀市内のシアター・シエマが紹介されていたり、伝酒庵という渋い酒場が載っていたり、編集者が「佐賀の実家」と評するあ・うんという店があったりと、この本の編集を通じてそれに参加した人たちの気持ちが伝わるような本になっている。

手にして2時間ぐらいで読み終えたが、どのページにも伝えたいメッセージがあり、それが読む側に伝わってくるのだ。
ぜひとも多くの人にこの本を手に取ってほしいと思うし、まずは佐賀県内の人たちにぜひ読んでほしいなとも思う。

全国の書店約300店で販売中で、県内では積文館佐賀デイトス店、紀伊國屋書店佐賀店、明林堂書店南佐賀店・武雄店・嘉瀬町店、ツタヤ武雄店で買える。ネット上ではd design travel ネットショップ

せっかく作ってもらったこの本、みんなで大いに盛り上げていこうではないか。

さらにこの本の発刊を記念して、d47 MUSEUMでは3月23日まで佐賀県フェア「d design travel SAGA EXHIBITION」を開催している。この間、同じフロアにあるd47食堂では佐賀定食を出していると言う。
ここに行くと佐賀をいっぺんに感じることができ、おまけに佐賀の味も堪能できる。
僕も先日行ってきたが、十分に楽しむことができた。

そして2月21日にはここで発刊記念の「d47落語会」が開催され、佐賀県に新作落語が奉納された。
そのときの様子はここに
http://www.saga-chiji.jp/ugoki/

「d47落語会」はここで見ることができる。
http://vimeo.com/86808804

柳家花緑師匠は、佐賀県をテーマにしたこの落語をひっさげて3月27日木曜日に佐賀市内のあけぼの旅館で落語会を開催される。
ぜひともおろしたての落語を聴きに来てほしいな。
こんなこと、二度とないのだから。


ふるかわ 拝

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