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- 2014年02月23日 11:07
「超絶!ポエム化する社会」②意識の高い学生(笑)とポエム
学生、市民、労働者諸君!私は気づいてしまった。意識の高い学生(笑)について、私が気持ち悪いなと思っていた理由を。こいつらも、超絶!ポエム化社会のわかりやすい事例ではないかと。
ポエム化については、前回、こんなエントリーを書いた。
「超絶!ポエム化する社会」①ブラック企業とポエム - 陽平ドットコム~試みの水平線~
http://www.yo-hey.com/archives/54750558.html
「ポエム化」とは、やや定義は揺れているが、まるでポエムのような、ふんわりとした言葉遣い、内容があるのかないのか分からないような言葉があふれていることを指す(ようだ)。
居酒屋行くと相田みつを風の「志」がいっぱい貼ってないかとか、それを従業員が唱和させられていてモチベーション高まりまくっているとか、マンションの広告が「地の必然。飾るのではなく装う、というスタイル」みたいな胸を打つようでよくわからないものになっていないかとか、オリンピック招致の文ってポエムっぽいよなとか、J-POPの歌詞って詩を超えてふわふわしたものになっているよな、とか。例えば、そんな現象である。
※なお、マンションの広告の事例は、小田嶋隆氏の『ポエムに万歳!』(新潮社)で紹介されていたクリオ文京音羽というマンションの広告コピーである
ふと、思い出したのが、「意識の高い学生(笑)」である。意識の高い学生とは、『現代用語の基礎知識2014』(自由国民社)によると、次のように定義されている。
彼らが、ソーシャルメディアにおいて、いや、リアルにおいても発する言葉は、具体的なようでポエムっぽい。
Twitterのプロフィールもこんな感じだ。
なお、余談だが「フォロー・リムーブご自由に」と書く奴は、リムーブしたら嫉妬深いことも覚えておこう。「常見さんにリムられた!」とかツイートするんだぜ。
彼らが気持ち悪いのは、Twitter上のつぶやきだ。
「このままだと日本の若者はやばいと思う」
「圧倒的に成長できる環境を考えたらスタートアップしかないと思う」
みたいなことだとか、名言の受け売りをツイートするのである。
このツイートの内容がまた、意識高そうで、ポエムっぽいのだ。気持ち悪いなと思ったのは、そこだったのだ。しかも、意識高く、世の中のことを調べていそうで、彼らが所属する学生団体を手伝うベンチャーの社長だとか、一部の人の知識の受け売りになっているのが見え見えで痛い。
彼らだけでなく、この意識の高い学生(笑)から支持される、企業の採用広告もポエムっぽい。
たとえば、こんなキャッチコピーや紹介文だ
その主催している企業や、イベントにケチをつけるわけではない。ただ、このコピー(のようなもの)というのは突っ込みどころ満載ではないだろうか。
経営者体感型とさらりと書かれているが、経営者ってそんなに簡単に体感できるものだろうか。
優良ベンチャー、急成長ベンチャーってどういう定義なんだろう。
創業3年目ってスタートアップに入るのだろうか(この辺の定義は詳しくない)、創業3年目のメンバーって創業メンバーなんだろうか。
ビジネス用語が並んでいるようで、ポエムっぽいなと思う。そう、言葉の使い方がビジネス用語が並んでいるようで、ふうふわしたポエムみたいなんだ。
そもそもキャッチコピーというのは、「クリエイティブ(って言葉、本当にクリエイティブな人はあまり使わないよね)」なようで、実は機能的であるはずなのだ。つまり、誰に対して何を伝え、どう動いてもらいたいのかが設計されているはずなのだ。その辺が雑になっているように感じる。しかし、それで受けても動いてしまっているというのもまた事実なんだろう。
メッセージの創り手は上手くなっているのか、劣化しているのか。受け手に関してもそうで、よく言えば感性豊かなようで、悪く言えば劣化していないか、と。
ここ数年、感じていた「意識の高い学生(笑)」に対する気持ち悪さというのは、「ポエム化」も関係していたのかと気づいた次第である。
リンク先を見る「意識高い系」という病 ~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー~ (ベスト新書) [Kindle版]
常見陽平
ベストセラーズ
2013-12-27
「意識の高い学生(笑)」について書いたこの本は、いまだに読まれているようだ。増刷はかからなかったが。Kindle板も出たので、ぜひ手にとって欲しい。
ポエム化については2月23日(日)深夜1時より文化系トークラジオLifeにて議論する予定。詳細はこちら。
私も「今のままだと、著者としてやばいと思う。秒速で村上春樹みたいに、世界に通用する著者になりたい」とかつぶやくことにするか。いや、秒速でなれるほど世の中は甘くない。
バルス。
ポエム化については、前回、こんなエントリーを書いた。
「超絶!ポエム化する社会」①ブラック企業とポエム - 陽平ドットコム~試みの水平線~
http://www.yo-hey.com/archives/54750558.html
「ポエム化」とは、やや定義は揺れているが、まるでポエムのような、ふんわりとした言葉遣い、内容があるのかないのか分からないような言葉があふれていることを指す(ようだ)。
居酒屋行くと相田みつを風の「志」がいっぱい貼ってないかとか、それを従業員が唱和させられていてモチベーション高まりまくっているとか、マンションの広告が「地の必然。飾るのではなく装う、というスタイル」みたいな胸を打つようでよくわからないものになっていないかとか、オリンピック招致の文ってポエムっぽいよなとか、J-POPの歌詞って詩を超えてふわふわしたものになっているよな、とか。例えば、そんな現象である。
※なお、マンションの広告の事例は、小田嶋隆氏の『ポエムに万歳!』(新潮社)で紹介されていたクリオ文京音羽というマンションの広告コピーである
ふと、思い出したのが、「意識の高い学生(笑)」である。意識の高い学生とは、『現代用語の基礎知識2014』(自由国民社)によると、次のように定義されている。
▼意識の高い学生・・・この項目、担当したの私だ。なお、本当は「意識の高い学生(笑)」と「意識の高い学生」は違うこと、前者の方がより残念であることも捕捉しておく。
何かと学生時代の行動が前のめりの学生を指す。特に就活に向けて努力する学生を揶揄する言葉。もともとは、就職情報会社のイベントの説明で「意識の高い学生が集まるセミナーです」などと表記されていたことに由来するといわれている。
やたらとかっこをつける、自分磨きに取り組む、就活に関するイベントに積極的に参加したり主催したりする、ソーシャルメディア上で意識の高い発言をする、社会人と会いまくるなどの行為を行う。
意識が高く行動力があることは結構なことだが、やや空回り気味だったり、ポイントがずれていたり、顕示欲の高さを感じるので、揶揄される対象となる。
なお、社会人でも自分磨きに積極的に取り組む層を意識の高い社会人と呼ぶ。
彼らが、ソーシャルメディアにおいて、いや、リアルにおいても発する言葉は、具体的なようでポエムっぽい。
Twitterのプロフィールもこんな感じだ。
コンサル・商社志望/慶應経済/社会起業家志望/Stay hungry,stay foolish./ジョブズの再来/勉強会BENKYOなう代表/ビジコンの帝王/ウェブ選挙解禁/ソーシャルメディア/どこまで自由になれるか人生は実験、冒険/ツイートは所属する団体とは関係ありません/フォロー・リムーブご自由にいや、具体的なプロフィール情報も書いてあるのだけど、ところどころ、志がふわふわした言葉で表現されているのが興味深い。
なお、余談だが「フォロー・リムーブご自由に」と書く奴は、リムーブしたら嫉妬深いことも覚えておこう。「常見さんにリムられた!」とかツイートするんだぜ。
彼らが気持ち悪いのは、Twitter上のつぶやきだ。
「このままだと日本の若者はやばいと思う」
「圧倒的に成長できる環境を考えたらスタートアップしかないと思う」
みたいなことだとか、名言の受け売りをツイートするのである。
このツイートの内容がまた、意識高そうで、ポエムっぽいのだ。気持ち悪いなと思ったのは、そこだったのだ。しかも、意識高く、世の中のことを調べていそうで、彼らが所属する学生団体を手伝うベンチャーの社長だとか、一部の人の知識の受け売りになっているのが見え見えで痛い。
彼らだけでなく、この意識の高い学生(笑)から支持される、企業の採用広告もポエムっぽい。
たとえば、こんなキャッチコピーや紹介文だ
「経営者体感型ビジネスディスカッションセミナー」みたいなコピーがベンチャー企業の求人広告にはいっぱいだ。
「優良ベンチャー、急成長ベンチャーとチャレンジ精神旺盛な就活生が一同に集う」
「設立3年目のスタートアップベンチャー。創業メンバーとして歴史に名を残す企業を創りませんか?」
その主催している企業や、イベントにケチをつけるわけではない。ただ、このコピー(のようなもの)というのは突っ込みどころ満載ではないだろうか。
経営者体感型とさらりと書かれているが、経営者ってそんなに簡単に体感できるものだろうか。
優良ベンチャー、急成長ベンチャーってどういう定義なんだろう。
創業3年目ってスタートアップに入るのだろうか(この辺の定義は詳しくない)、創業3年目のメンバーって創業メンバーなんだろうか。
ビジネス用語が並んでいるようで、ポエムっぽいなと思う。そう、言葉の使い方がビジネス用語が並んでいるようで、ふうふわしたポエムみたいなんだ。
そもそもキャッチコピーというのは、「クリエイティブ(って言葉、本当にクリエイティブな人はあまり使わないよね)」なようで、実は機能的であるはずなのだ。つまり、誰に対して何を伝え、どう動いてもらいたいのかが設計されているはずなのだ。その辺が雑になっているように感じる。しかし、それで受けても動いてしまっているというのもまた事実なんだろう。
メッセージの創り手は上手くなっているのか、劣化しているのか。受け手に関してもそうで、よく言えば感性豊かなようで、悪く言えば劣化していないか、と。
ここ数年、感じていた「意識の高い学生(笑)」に対する気持ち悪さというのは、「ポエム化」も関係していたのかと気づいた次第である。
リンク先を見る「意識高い系」という病 ~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー~ (ベスト新書) [Kindle版]
常見陽平
ベストセラーズ
2013-12-27
「意識の高い学生(笑)」について書いたこの本は、いまだに読まれているようだ。増刷はかからなかったが。Kindle板も出たので、ぜひ手にとって欲しい。
ポエム化については2月23日(日)深夜1時より文化系トークラジオLifeにて議論する予定。詳細はこちら。
私も「今のままだと、著者としてやばいと思う。秒速で村上春樹みたいに、世界に通用する著者になりたい」とかつぶやくことにするか。いや、秒速でなれるほど世の中は甘くない。
バルス。



