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「沖縄は差別的な扱いを受けている」 稲嶺進・名護市長が語る「辺野古移設の本質」

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米軍・普天間飛行場の「辺野古移設阻止」を掲げ、1月の市長選に勝利した沖縄県名護市の稲嶺進市長が2月13日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見をおこなった。稲嶺市長はスピーチで「新しい基地は作らせないという私の主張に、市民は選挙で賛同した」と述べ、「日本の民主主義のあり方が問われている」と強調。記者との質疑応答では、「政府がこれまで説明してきた移設の根拠は、もう破綻している」と語り、名護市辺野古沿岸部への基地移設を進めようとする安倍政権を強く批判した。【取材・構成:亀松太郎/吉川慧】

「お金で心を買う」という動きに沖縄県民は反発した

「普天間飛行場が名護市辺野古に移設されるという計画が、いま日米両政府によって強力に進められようとしています。しかし私は、2010年の1期目にあたる選挙において、『辺野古の海にも陸にも新しい基地を作らせない』ということを公約に掲げて、多くの市民の支持を得ることができました。

1期目に私が就任して以来、沖縄県内の基地問題に対して『県内移設は反対。ダメだ』という県民世論が、とても高くなりました。沖縄県議会をはじめ、県内41の市町村議会で『県内移設反対』の決議がなされるなど、『オール沖縄』という形が作られてきたと認識していました。

しかし、昨年の11月から12月にかけて市長選の動きが活発になるにつれて、日本政府や自民党本部からの強い圧力・介入がありました。私は辺野古移設反対、相手候補は辺野古移設推進というはっきりした争点が示されるなか、国の『強硬に辺野古移設を進めたい』という思いが、政府を挙げての選挙戦介入となりました。

具体的な動きとしては、沖縄選出の自民党の国会議員5名と自民党の県連、そして最後には、沖縄県知事が辺野古沿岸の埋め立てを承認しました。そのとき、沖縄振興策というアメをちらつかせる動きがありましたが、『お金で心を買う』という政府の動きに対して、沖縄県民は心から反発の意を示しました。

その結果、市長選で、名護市民は、『辺野古の海にも陸にも新しい基地は作らせない』と主張し、『一時的な振興策には頼らない』とする私、稲嶺進を当選させました」

なぜ、辺野古移設に反対するのか?

「日本の国土全体の0.6%の面積しかない沖縄に、米軍専用施設の約74%が居座り続けているという事実があります。このように基地に囲まれた沖縄が戦後ずっと日米安保の最前線を担うという形で、米軍基地からの被害や米軍機の墜落など多くの負担を強いられてきました。

この過重負担の状況について、県民は『沖縄は差別的な扱いを受けている』と認識しています。実は海兵隊も、最初から沖縄にあったわけではありません。1950年代に沖縄が米軍の占領下にあったときに、茨城県や埼玉県から移されてきたものです。

このような状況を、これからも続けてほしくありません。日本政府は『沖縄の負担軽減』ということで、辺野古移設を主張していますが、普天間飛行場が辺野古に移設され、嘉手納以南が返還されても、現在の73.8%が73.1%に減るだけで、大きな負担軽減にはつながりません。

また、普天間飛行場がそのまま辺野古にくるわけではありません。普天間飛行場にない機能が新しく作られます。まず、滑走路がⅤ字で2つ。それから、弾薬搭載のエリア。そして、強襲揚力艦も接岸できる護岸。日本政府は否定していますが、軍港機能をもつ施設がここに作られるのです」

貴重な自然や子どもの学習環境が破壊されてしまう

「さらに、大きな問題として、辺野古の目の前に広がる大浦湾があります。ここは生物多様性の海と言われており、ハマサンゴやアオサンゴの大群落があります。そして、ジュゴンやウミガメが頻繁に泳いでいて、付近にはジュゴンのエサとなる藻場もたくさんあります。

この海域は、沖縄県が保存すべき自然のAクラスに指定されています。それが、普天間飛行場が辺野古に移されることによって、貴重な自然の破壊を招きます。

また、普天間飛行場で行われている年間約2万回の離発着の訓練という危険な状況が辺野古でも繰り返される。そうすると、名護市民の生活も脅かされてしまう。付近には小学校や中学校、国立高専があるので、子どもたちの学習環境も破壊されてしまう。

そういうことから、私は、『新しい基地は作らせない』と申し上げているのです。名護市民もそのことに過半数の賛同をしました。はっきりとした市民の意思の表れとして、市長選の結果が出たと理解しています。

それでもなお、日本政府は辺野古移設をあきらめようとしていません。米政府に対しても、日本の外務大臣は『決意を持って進める』ということを言っています。

選挙というのは、民主主義国家において最大の表現方法です。それは民意のあらわれですので、民主主義国家において最も重視されなければいけないことだと思っています。それでもなお、辺野古に移設を強行しようとするのは、選挙の結果としてあらわれた民意を否定することで、民主主義国家にあってはならないことです。

さきほど申し上げた基地から派生する事件・事故も含めて、基地の問題は、人権にも直結する問題です。したがって、この選挙の結果をうけてもなお、政府が辺野古移設に固執し、強行しようとするならば、日本の民主主義のあり方、熟度を問われることになるのだと思います」

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