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ソチオリンピックとスポーツインテリジェンス

 現時点でソチオリンピックでのメダル獲得数が合計8となったことで、92年のアルベールビル大会を上回り、国内開催となった98年の長野(10)を除くと、最多記録となりました。ちなみに長野以降は、ソルトレイクシティ(金0、銀1、銅1)、トリノ(金1、銀0、銅0)、バンクーバー(金0、銀3、銅2)ですので、今回、日本勢は大健闘といって良いかと思います。ちなみにオリンピック開幕の1週間ほど前に、国立スポーツ科学センターのスポーツ・インテリジェンス部門の方々とお話しする機会があったので、その時にソチでのメダルの可能性を聞いたところ、「金は1つ(高梨沙羅選手)、銀と銅はバンクーバー以上はいけるんじゃないか」との予想でした(ちなみに一般の方の予測はこんな感じだったようです)。以前聞いたところによると、メダルの色はその選手のポテンシャル×成功率、といった公式で弾き出しているとのことでしたので、かなり客観的に予測が行われているような印象です(そのうちメダル獲得可能性の算出のためベイズの定理まで持ち込んでくるかもしれませんが。。。)

 残念ながら高梨選手はメダルを逃してしまいましたが、銀・銅メダルをなるべく多く獲得するという目標は達成されたと思います。我々素人はとにもかくにも金メダルが欲しい、奇蹟でも起こらないか、と期待するわけですが、やはり専門家に言わせると、棚ボタ的なメダルではいけないとのことでした。基本的にはメダリストの総数が増えれば増えるほど、金メダルの数も相対的に増えていくため、まずはメダルの色はともかく、母数を増やすことが先決のようです。理想は、銅メダリストから銀メダリストが、銀メダリストから金メダリストが出てくるような形のようですので、今回のメダルの数は4年後の平昌への布石とも言うことができます。4年後のためにやらなければならないことは、更なる才能の発掘、選手の強化育成、遠征や道具面でのサポートなど多岐に渡っていますが、少なくとも我が国のスポーツ・インテリジェンスは、戦略的にメダルの獲得について考え、組織的に選手をバックアップする体制を整えているようです。

 いい加減「オリンピックは楽しむものではない」、「ハングリー精神が欠けている」といった精神論からは抜け出すべきですが、競争の少ないニッチな競技のみのメダルを狙うような、メダル至上主義というのも考えものです。将来のことを見据えて、オリンピックで子供たちに夢を与え、様々なスポーツの裾野を広げていくことこそが王道なのだと思います。本年度中にはスポーツ庁(仮称)が設置される予定ですので、それが今後のスポーツ振興にどのような影響を与えていくことになるのでしょうか。

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