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農業 振興策に女性の視点が不足

経営の多角化へ積極的な活用を

女性就農者が仕事や生活の中で培った知恵や発想を、企業の新たな商品やサービス・情報に結びつけることで、農業の持つ魅力や可能性を引き出そうというユニークな試みが、話題を呼んでいる。

この「農業女子プロジェクト」は、農水省が音頭を取り昨年11月にスタート。農機具メーカーやアパレル、化粧品、自動車、ホテル、旅行会社など9社が参加し、全国の女性農業者と個別プロジェクトを立ち上げ、女性ならではの視点やアイデアを引き出す作業が進行中だ。

公明党も科学技術や農業、環境などの分野で女性の視点を反映させるために、新たな「女性サポート・プラン」策定に取り組んでいる。女性の持てる力を存分に発揮し、その感性が随所に反映される社会づくりをめざしたい。

「農作業に使う軽トラックはなぜ白ばかり?」―自動車メーカーは、こうした女性の意見を積極的に取り入れ、個性的でおしゃれな軽トラの開発で新規需要と話題づくりを図る。アウトドア用品を扱うある会社は、これまで地味で目立たなかった農作業着に着目。プロジェクトに参加する女性からアドバイスを受けながら、カラフルで動きやすく使いやすい商品開発を進め、今春に第一号を発売する予定だ。

発足当初11人だったメンバーは、17日現在で北海道から九州まで約70人に増加。インターネットなどを通じて、活発に意見交換や情報発信を行い、農業の楽しさとともに自らの可能性を広げている。

昨年の農業就業人口は約239万人。女性は約121万人と半数を超えるが、日常的に農業に携わる基幹的農業従事者は44%にとどまる。耕作放棄地は、ここ30年間で3.2倍に増え、滋賀県とほぼ同じ面積の約40万ヘクタールに達した。その要因の一つは、土地持ち非農家の増大、つまり後継者が育っていないことにある。人材の確保、特に女性の育成が急務であるといえよう。

女性が主体的に農業に携わると、農産物の販売金額が増加するというデータもある。年間の販売金額が300万円未満の農家・農業団体では、女性の従事率は4割だが、2000万~5000万円を売り上げるところでは、9割を超す。農産物の加工や観光農園、輸出など、経営の多角化を進める農家の7割以上でも、女性の活躍が目立つ。

政府は昨年末、今後10年間で農業・農村全体の所得倍増をめざす方針を示した。その実現のカギを握るのは、女性であると強調したい。

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